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ロモソルーンには秘密がある

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とはいえ一先ずあのグエンと一人で向き合わなくて済むことが決定した事はシェルには非常に嬉しい事だ。
もっとも、この大分脳天フライカットンダ思考回路の女医が引率を出来る大人なのかどうかは甚疑問があるが。
では当日竜の鱗亭で、っと締め括り遅くならない内においとましようと腰を上げた時に
「そうだ、シェル君」
ウォルターが思い付いた様に呼び止めた。
「はい?」
「ロモソルーンを普通のドラゴンと同じに思わない方が良いのではないかと私は思うよ」
「えっと・・・申し訳ありません。もう少し噛み砕いて言っていただけると・・僕にとってはロモソルーンはもちろん特別なドラゴンですが・・・そういう事を仰りたいんじゃ無いですよね?」
ウォルターがシェルの聡い対応に満足そうに喉を鳴らす。
「アレは特別だ、恐らくドラゴン一匹の寿命より長い間卵の中でずーっと過ごした稀有なドラゴンだ。ドラゴンの雛の親が判らないどころか候補もいないという事はそういう事だ。まず卵を無くしたドラゴンがここ1000年以上居ないからね。という事はロモソルーンは1000年以上卵の中で孤独に耐えきったドラゴンだという事になる。よくも保ったものだ。普通200年も経てば闇落ちするものを・・・。」
「闇落ち・・。」
「気狂いのドラゴンの事だよ。魔物化と言えば分かりやすいかね?。」
「そんな事が有るのですか・・・。」
「魔力不足のまま生まれたドラゴンはね・・・・なりやすい。」
ウォルターの瞳が苦しげにゆらいだ
「ドラゴンの卵はね、親かその代理からタップリの魔力を与えられないと孵化する事は出来ないんだ。十分な魔力が貰えるまで何年でも卵のままでいる。それが何かの理由で、例えばロモソルーンの様にさらわれる等して全く魔力が与えられられないまま放置され、何十年もたったドラゴンの卵は真っ黒に染まる。孤独は卵にとって最強の毒なんだ。ドラゴンのの卵は丈夫だが魔力が必要なのは成獣と変わらない、
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