闇夜の星 暗闇の燈火(やみよの ほし くらやみの ともしび)

ロモソルーンには秘密がある

◆◆４

ベルマが雄叫びを上げならが凄い勢いで魔石を量産していくロモソルーンを指し示しながらファーファナルに聞いた
『どうしたの？アレ。いつになく不機嫌だけど』
『グエンがシェルをデートに誘い出したんだよ」
『うわ・・・・』
鉱洞の奥では相変わらずロモソルーンがドラゴンブレスと怒声を連発している。
『クッソダラァァァァァア』
『やだ。ロモソルーンさまってばガラ悪い(笑)・・・とは云え自分の可愛い世話係にグエンがかぁ・・・それはイヤだね。』
『あぁ・・嫌だな。アレが自分の世話係とデキちまって毎日会いに来たりした日にはたまったモンじゃないね。アイツの顔を見るなんて討伐時のヤツの独りよがりな戦いの尻拭いだけで十分だよ。』
『回りのレベルの低い子達の事全く考えていないあの自分勝手な戦い方は本当にやりづらいよねぇ』
『根本的に自分勝手なんだよ。ロモソルーン。お前もこんな所で吠えて無いで前の時みたいに威嚇しまくって追っ払えばいいじゃねぇか。しかもシェルはグエンの事好きじゃないんだろ？』
そうベルマがロモソルーンに向かって言うと。
『好きじゃない所じゃねぇよ。あいつと合った日の夜のシェルは悪夢にうなされて大変なんだ。ひどい時には数日続く・・きっと今夜も・・・』
岩壁をかじるのをピタリと止まり。
ベッっと一つ大きな魔石を吐き出して。
ロモソルーンが不機嫌に言った。
『でも、グエンと親しいと思われてると谷の人間達がシェルに優しくなる』
あぁ・・・とど話の聞こえていた周囲のドラゴン達がため息のような声を漏らした。
『グエンがシェルに興味を示してから、奴隷上がりだってシェルをバカにしてた人間達がシェルを阻害する手を緩めたんだ。前は朝市以外でシェルは町に一人で出掛ける事なんか出来なかった。今は質の良くないのが出歩き始める遅い昼間や遅くないなら夜でも行ける。人間達の間でグエンの家は権力が有るからな』
『なら、仲良くなる事は良いことなんじゃねぇの？今の所グエンが恋愛対象としてアタックしてるわけじゃねぇんだろ？毎日来るワケでも・・・』
『シェルは俺のだ!!しかもグエンだぞ！気安くベタベタ触りやがって！』