闇夜の星 暗闇の燈火(やみよの ほし くらやみの ともしび)

ロモソルーンには秘密がある

◆◆１

魔石は大きく分けて二種類在る。
天然物と人工物。違いは魔力の強さと頑丈か脆いか、それから経口出来るか出来ないか。
天然物は文字通り自然に魔力が固まって出来た純粋な魔力の固まり、魔力を使いきったら消えて無くなってしまう。経口出来るが採掘出来る場所は必ず魔物が多く生息する場所なので安定した入手が難しい。
そして脆い、雲母の様にすぐ欠ける。
高価な薬の様な扱いになっている。
人工魔石は魔力を蓄積出来る石に魔力を込めた物、天然物ほど長持ちしないが魔力を溜める石はドラゴンが作るので安定して数が作れる。貯めた魔力を使いきっても石は消えないので繰り返し使える。その代わり経口は出来ない。

そして、本日のロモソルーンはその魔石の採掘というか魔石を作りに来ていた。
魔力は竜舎にもって帰ってからシェルが込める。
鉱山の洞窟に入って材料となる岩をかみ砕き腹の中で溶かして固めて吐き出して出来上がり。作業肯定事態は少ない。
ドラゴンにしてみれば簡単な作業だ。
この仕事は主に年老いたドラゴンや雛が担当している。
ドラゴンが力一杯やっても何の心配も無い作業なので不機嫌な今日のロモソルーンにはおあつらえ向きな作業だった。
シェルを安全な外の小屋で待たせ。
洞窟の中で怒りの咆哮を上げながらロモソルーンは魔石作りに勤しんでいた。