闇夜の星 暗闇の燈火(やみよの ほし くらやみの ともしび)

鈴紐屋 小説:恋川春撒 絵・漫画:せつ

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竜騎士(ドラゴンナイト)

◆◆1

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「電撃の具合は強すぎない?」
パリパリと薄青い稲光りを纏った両の手でドラゴンの巨体を撫でていく。
ロモソルーンはクルクルと気持ち良さげに喉を鳴らしながらシャラリと鱗で美しい音を立てた。
ドラゴンが自分の鱗でシャラシャラと薄氷のぶつかる様な美しい音を出すのは機嫌が良い時の証拠。
電撃の具合も丁度良い様でご満悦の様子だ。
「ロモソルーンも大きくなったからマッサージも僕には良い運動だな」
ふう・・・と一息、ロモソルーンの背中の上で座り込みため息を着きながら服の首もとをバサバサと揺らしたり裾をはためかせて一休みしていると、それを氷をナメナメ横目に視ていたロモソルーンがシェルの顎に滴った汗の粒を見つけてゴクリと喉を鳴らした。
氷を嘗め、冷たくなった舌でベロリと首から顎を舐め上げシェルの汗を拭い去る。
自分の可愛い世話係の、混じり気なしの甘やかな魔力の滴を己れの舌に受け止めて、ロモソルーンの瞳が恍惚の光を孕んだ。
「ヒハハ。冷たい!。気持ちイイ」
汗が滴る程体温が上がったシェルが氷水に浸したタオルみたいになっているロモソルーンの舌に頬擦りする。
ロモソルーンの瞳が宿した妖しい光など気づきもせずにキャッキャと笑う。
調子にのったロモソルーンがシャツの裾を捲ってシェルの背中まで舐めた。
「僕、そんなに汗かいてた?」
フシュー、グルル ゥっと喉を鳴らして返事をしながらロモソルーンが丁寧にシェルの背中の汗を拭っていく。
シェルの肌はキメ細やかで柔らかな陶器の様だった。
一舐めするごとに、舌先から痺れる様なとろける様なえもいわれぬ快感が体に広がる。
もう一回、もうちょっととロモソルーンはうっとりしながらシェルの背中の汗を舐めとった。
シェルは汗でベタベタし始めていた肌がさっぱりしていくので本当に気持ちよくてロモソルーンの好きに舐めさせていた。
シェルがなされるがままにしていると舌はシェルの汗を求めて前にも回って来た。
腹から首もとまでベロリっと一舐めしたとき、ロモソルーンの舌はシェルの胸の印を掠めて行った。
その冷たい舌の感触でプツリと尖った胸の印がロモソルーンの舌に滑らかなはだとは異質な感触を与えロモソルーンを我に返した。
ブルブルと頭を降ってブシューっと一回大きく息を吐く。
危なかった。
我を忘れる所だった。
いつもはこんなヘマしないのに。

もう少しで起つ所だった。まだ大丈夫、体の中にしまえてる。
またシェルに自分の雄の象徴が思わず反応した所を見られるなんて絶対ごめんだ。
「どうしたの?」
何も知らないシェルはキョトンとした表情で自ら自分の服の裾をつまみ上げたままこちらを見つめていた。
フシュ
なんと答えて良いか迷い何とも間抜けな鼻息が漏れる。
下半身に集まってしまった熱は今にも自己主張を始めそうだ。
何とかこの熱を散らさないと歩き出そうとした拍子にボロリとか絶対嫌だ。
「ロモソルーン?」
焦ったロモソルーンはシェルの脇をクスグリ出した。




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