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ロモソルーンには秘密がある

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翌日の夜、竜の鱗亭には8人の人間と一匹の黒龍が集まった。
ロモソルーンは、店の外で中のシェルが一番よく見える窓の前を占拠して梃子てこでも動かない体制になっている。
通りすぎる人や竜は又かという顔をしているがとうにんは気にも留めていない。
グエンはその様子を面白くなさそうに横目で見ながらメンバーと乾杯していた。
正直な所、行動の全く予想のつかないルメラがメンバーに加わったのは嬉しい事では無いが、こちらで用意した竜騎士見習い二名と数を合わせる様に見目の良い世話係三名を連れてきてくれたのは有難い心遣いだった。
シェルとしても男性組三人が女の子達に夢中なのでこちらにグエンの興味の矛先が向く心配も無さそうだとホッとしていた。
「ルメラさん。ありがとうございます。連れてきて下さった女性達が魅力的な方達ばかりでグエンさん達凄く喜んでるみたいです。」
「なんの。私としても竜騎士グエンとの食事会に連れてったとあっちゃぁウォルターの世話係達からの評価が上がるってモノだわ。」
カツンと金属製の杯を合わせて二人で乾杯した。
「あなたのお友だちを優先しようとしたんだけど、今恋人いるんですって」
「あ。はい、今朝聞きました。市場で丁度合いまして。」
そう、っと相づちを打ってルメラは満足そうに笑った。
「ロモソルーン様は相変わらず市場にも付いてまわっているの?」
ルメラが呆れた顔で窓の外に張り付くロモソルーンを眺めながらシェルに聞く
「えぇ、きっと世話係が僕しかいないから手伝ってくれているんだと思います。」
シェルはロモソルーンの事となると嬉しそうに話す。
よほど可愛くて仕方が無いのだろう。世話係と竜が仲が良いのは喜ばしい事だ。
ルメラは目を細めた。
「この前なんか紫大山羊の足三本に蒸留酒2樽ミルク3樽ものった台車を軽々咥えて運んでくれちゃって、五年前は僕の腕の中にスッポリ収まる位小さかったのに今じゃ同年代のドラゴンの中で一番大きいんですよ」
そりゃあ、この可愛いくも美しい世話係の溢れる愛情を一身に受ければなぁ。とか思いながらルメラは杯を傾ける。
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