闇夜の星 暗闇の燈火(やみよの ほし くらやみの ともしび)

鉱物の国 トホスマ・スダ

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世界で最も太陽に近いと信じられている世界最大の大陸ソクナオ、その中心に有る大国マイラから遥か西に海を航るとソクナオに次ぐ大陸ギエタが有る。
そのギエタの最西北にトホスマ・スダ国は有った。
国の半分以上を巨大な岩で出来た山脈で占められたトホスマ・スダは、人が住める場所の少ない小国であった。
火山灰の影響で農作物を育てられられる場所も少なく、農産物の多くは輸入である。唯一安定して採れる物といったら寒さに強いダダ芋、肉類は魔物を狩って食べていた。
牛や豚は養殖してもどうせ魔物に食われてしまうので畜産は定着しなかった。
せいぜい家の庭で卵を産む鳥を飼う位が関の山だ。
ただしこの国、鉱物資源には大層恵まれている。それこそ金銀宝石から武器の素材、果てはミスリルまでザクザクと採れる。
その為、代々隣国の大国三国は 
かの国を我が物とせんとし、侵略、征服を目論み戦を仕掛けていた。
その歴史は遥か建国の時より繰り返されおり、本来ならばどの国かを頼り、吸収なり同盟を組むなりすべきだと思われる位であった。
しかし、隣国の大国三国の国の王は揃いも揃って代々残虐非道、自国の民ですら人身売買を許可しており、奴隷制度もまかり通る実に身分制度が拙い国だったのである。
ゆえにトホスマ・スダ国の民は自国を捨てる事も出来ず、魔物の生まれる森と山脈を防壁代わりに身を寄せあって暮らし、国を守っていた。