パンプキンハニー・パン・パン ♥スイスパ サブストーリー１♥

🎃約束の１０月３１日 １－３

その店の建物は、何かの基地の様にも見えるし、工場の様にも見えるいかにも怪しげな外観だった。
店の名前は『紫黒の館しくろのやかた』、大正時代の洋館に似た形をしているが、カラーリングが黒と紫なので大正時代の華やかな空気は無い。
さらに、周囲を黒い大小の金属配管を中心とした様々なジャンクの模型で飾られていた。
正面の大きな入り口の両脇に立派な柱が有って、その柱にはリアルで艶めかしいセックスドールがあられもない体制で真っ赤な紐で亀甲縛りにされて括りつけられている。
その入り口から入る事イコールSM趣味ですと大声で言っている様なものだった。
まぁ、そうでなくとも、各種キャストの写真の看板がデカデカとイルミネイトされて入り口付近に飾られているので、その人形が無くてもその建物がＳＭプレイの店で有る事は一目でわかるのだが。
俺たちは、そのド派手な正面エントランスを避けて、店の脇に有る、一見別のセックストイの店の様にデコレートされた店の出入り口に向かった。
実は、そここそがＳＭクラブ『紫黒の館しくろのやかた』の常連客の出入り口だった。
ド派手な正面エントランスは、一見や、怖い物見たさで来るツアーや団体客向けの出入り口だった。
店の店員に高岡の名前を告げると、なにやらインカムでどこかと話した後、すんなりと店の最奥の扉へと通された。
高岡が確保していた個室は、店の最奥に有るらしかった。
「本日は各フロアでハロウィンパーティーが開催されております。よろしければ、どうぞお楽しみになられながらお進み下さい」
入口の受付が妖しく笑いながら言った。
紫と黒のピエロの仮面を被った店員に案内されながら、俺達は店の中を進んだ。