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魔獣の姫に黒の騎士8

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猫科の獣人の特徴が多く表れているリリィのセックスはサナリアが指一本動かせない位グッタリしてからが本番になる。最初は自分の快楽よりもサナリアの快感を優先し、散々善がり踊らされて体が溶け切ると、『今度は俺の番』とばかりに溶け切ってクニャクニャになったサナリアを好き勝手に手を変え体制を変え抱き倒すのだ。
リリィの相手をした事が有る者は口をそろえた様に『彼のセックスは本当に気持ち良かった。でも本気で抱きに来たガルゴ団長は猫科獣人とはいえ怖かった』と形容している。
「凄かったぜぇ・・・スライムで遊んでるお前、心底煽られたっ。」
その夜、狭いベッドの上でサナリアはリリィに尻だけ高く上げた、いかにも入れて下さいという恰好で何度も精を注ぎ込まれた。
途中体制を崩しそうになっては前を造花に捏ねられ、音にならない絶叫と共に幾度と無く絶頂を味わい、意識を飛ばしてはリリィの剛直に強く突かれてうつつに引き戻された。
「ごめんな、サナリア。いい加減ツレェよな。俺、たぶん少しオカシイんだな、一度火が付くと収まらなくてよ。くっそ。抱きてぇ。ただ抱きてぇんだ。全然足りねぇ。サナリア、サナリアっ。」
息を上げながら一心不乱にリリィがサナリアを抱きしめながら体をゆすって突き上げ続ける。サナリアに意識が有ろうが無かろうがそれは止まらなかった。
突き入れ、時にはサナリアに直接精液を掛ける。いくら最愛の恋人でも、普通そんな事されたら激怒する所なのだろうが、サナリアはこれが堪らなく嬉しかった。
今までのサナリアの人生において、愛する人にここまで求められた事なんて一度も無かった。
いつだってそうだった。
本気で好きになったのはいつもサナリアの方だけ、誰だ見た目が良い者の方が男に尽くされるなんて嘯いてる奴は、現実は真逆に近い。
サナリアにとって、リリィは初めてちゃんとサナリアを大切に扱ってくれた恋人だ。
その規格外の体力の所為か、激しく抱くけれど、それ以上にリリィはサナリアを大切に扱うのだ。
心も、体も、自分の有り余る力で間違ってもサナリアが傷付かない様に、武道部門の人間の粗雑さで、サナリアを怖がらせない様に、愛し合う時は数えきれない数のキスを覚えきれない位沢山の場所に落として、甘く甘くサナリアの名を呼び、愛を語った。
リリィはその激しさと共にサナリアを大切に抱いている。その証拠にサナリアのボディチェーンの欠損修復魔法が起動する事は滅多に無い、しかも抱かれているサナリア自身も全てが溶けそうな程快楽を感じていた。
「ごめんとか・・・言わないで。」
音の出なくなった喉を酷使して、サナリアが掠れた声で言う。もう意識が無いと思っていたサナリアが話し出してリリイは驚いて腰の動きを止めた。
「ちゃんと、気持ちイィから、体も、心も・・・・リリィが気が澄むまで抱いてよ。私はそれが嬉しいから。」
萎えた腹筋の力を振り絞って、サナリアが淫らに腰を振って見せる。
「・・・ばか、オマエ。そんな煽ったらマジで・・手加減なんかできなくなるだろうが。」
今すぐ激しく自身でサナリアを犯したい衝動に耐えながら、泣きそうな顔でリリィが言う
「はぁ・・・んっ・・・一人遊びなんかする気も起きなくなる位抱いて善がらせてくれるんでしょう?」
なけなしの体力で腰を振るサナリアの痴態はいつもよりも拙く、しかしエロティックだった。
リリィの精液に塗れた体で頬をバラ色に染めながら、ゆるり、ゆるりと胎奥の蜜胎でリリィの剛直を舐めまわす様に腰を振る。
「・・・サナリア・・・。」
「・・武人でしょう。」
「サナリア?」
色を深めた深緑の瞳で流し目をしてリリィの茶金の双眸を見つめるサナリア
「『ヒヨってんじゃねぇぞ』です。」
サナリアのその言葉で、リリィの中で理性が数本切れた音がした。
がしりとサナリアの両手を持ち上げ、そのまま片手でベットの柵に繋ぎ止めると片足を左側の腰骨の下に押し込み幾度も激しく猛り狂った剛直挿抜する。
「サナリア、お前、自分の体に死後俺の心臓が止まるまで体が朽ちる事が無いように魔法かけとけ。」
サナリアの胎奥で又鈍い水音がして、リリィの熱が爆ぜた。
しかし、胎の中の剛直は全く萎えず激しい挿抜も止まない
「あぁああっ・・・なに?・・・はっ・・・うそ・・・こんなっ・・・」
「俺はこれより生涯お前しか抱かねえ!お前が俺より先に死んだらお前の死体抱いて泣き暮らす。」
「はは!何ですかソレ、ポロポーズ!?」
「知るか!俺はこの先お前以外抱かねぇし抱けねえ。ぜってぇ別れねぇからなぁっ。」
「・・・私が先に死んだとして、後からもっと好きな人が出来たって知りませんからね!。」
「出来るもんか!」
「もう、どうしていつも貴方はそういう大事な話を性交の最中にするんです・・・か・・・聞き逃したら・・・どうするの・・・で・・・」
文句とは裏腹に、嬉しそうに顔をほころばせたサナリアは、今度こそ与えられる熱い快楽に身を任せて、そのまま意識を手放した。
「たとえ、オメェが聞き逃しても、未来は変わらねぇよ。」
ぐったりとしたサナリアを抱きかかえ、尚も突き上げながらリリィはそう甘くサナリアの耳に囁いた。
朝日はとうに上がっていた。
その日、サナリアが自室からで出て来れたのは、日も傾き始めた終業二時間前の事だった。

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