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パレード9
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誉れは戦士の為に
花は乙女の為に
財は民の為に
命は未来の為に
思考せよ 全てを飲み込む蟒蛇よりも貪欲に
刮目せよ 髑髏よりもその瞳を見開いて
探求せよ 有るべき真実を 惰性を己に許すな
模索せよ 最適解を 生きる命を生きるべき場所へ
足掻け 魂の灯を未来へつなぐために
思考の死は我らの魂の死と知れ
道なき道こそが我らが進むべき道よ
導無き事を恐れるなかれ
進め たとえ世界に嘲られ嗤われようとも
己の信念を己で嗤うな
己の身を飲み込む程に求めよ 平和を
全て飲み込み裏返ろうとも 再度飲み込み又裏返れ
進め たとえ世界に嘲られ嗤われようとも
己の信念を己で嗤うな
我ら独立魔導研究機関ウロボロス
世界平和を目論むもの也
サナリアの杖の周りを周回していた光の球体が四方八方に散ってゆく
一瞬辺りが夜の様に暗くなったと思ったら、その闇に宝石を散りばめた様なキラキラとした輝きが無数に散ったとたんに、闇がガラスが粉々に割れる様に散って行った。
喝采が、夕焼けの空が割れるかと思われるほど鳴り響いた。
サナリアが喝采の中一礼をしたその瞬間だった。
真っ赤な夕焼けの空の中から、一人の黒づくめの男が降ってきた。
人の身の半分以上もの長けの有る銃を構えている。
「まま、ひとが降って来てる」
最初に気が着いたのは観衆の中の子供だった。
声は、歓声にかき消され、男の銃は引き金を引かれた。
空に真っ黒な魔法陣が折り重なって二、三出来る。
浮かんだ複数の魔法陣の中の一つの魔法陣に、一本の螺子がよじれて剣に絡まった紋章が有った。
流石に気が着いた観衆のアチコチから叫び声が上がった。
「金色の螺だー!!!」
「観衆を守れ!これは協定破りだ!金色の螺を捕まえろ!」
あちこちで怒号が上がる。
なにも知らない市民は四方八方に向かって逃げ惑い始めた。
魔法陣から岩ほどもある炎の塊が出現して無数に降り注いでくる。
炎自体は魔導部門の魔道士達が張った結界で阻めた。
空で銃を売った男の影はいつの間にか消えていた。
恐らく銃の反動を利用してどこかに隠れたのだろう。
観衆に紛れていた金色の螺子のメンバーが手に手に武器を抜いて空からの襲撃に気を取られたウロボロスのメンバーに切りかかる。町を警護していた騎士団見習い達が次々刺されて倒れた。
ガルゴの背後でバルが叫んでいる。
「畜生!無差別か!」
ガルゴは、切りかかって来る刺客をねじ伏せながら、本命の実行隊を探していた。
切りかかって来る者が余りに弱すぎる。
絶対に、団長クラスを殺せると想定する程強い者か隊が居るはずだ。
ふと、何かの気配を感じて後ろを振り返った。
一際大きな炎の固まりがサナリアに襲いかかる。
「サナリアー!!」
思わずガルゴはサナリアに言われた全てを忘れて叫んだ。
サナリアが振り向きもせずに片手の手の平をガルゴに向けて来るなと示す。
炎の固まりはサナリアの結界によって霧散した。
サナリアが一瞬ガルゴを振り返り、ぷいとそっぽを向いてしまった。
ガルゴはホッとしつつも小さく
「ちくしょっ。」
と悪態をついて目の前の螺を凪ぎ払う。
サナリアの元に駆けつけられない現状に憤らずにいられない。
「良いんですか?」
近くで拳を奮っているバルがガルゴに声をかける。
花は乙女の為に
財は民の為に
命は未来の為に
思考せよ 全てを飲み込む蟒蛇よりも貪欲に
刮目せよ 髑髏よりもその瞳を見開いて
探求せよ 有るべき真実を 惰性を己に許すな
模索せよ 最適解を 生きる命を生きるべき場所へ
足掻け 魂の灯を未来へつなぐために
思考の死は我らの魂の死と知れ
道なき道こそが我らが進むべき道よ
導無き事を恐れるなかれ
進め たとえ世界に嘲られ嗤われようとも
己の信念を己で嗤うな
己の身を飲み込む程に求めよ 平和を
全て飲み込み裏返ろうとも 再度飲み込み又裏返れ
進め たとえ世界に嘲られ嗤われようとも
己の信念を己で嗤うな
我ら独立魔導研究機関ウロボロス
世界平和を目論むもの也
サナリアの杖の周りを周回していた光の球体が四方八方に散ってゆく
一瞬辺りが夜の様に暗くなったと思ったら、その闇に宝石を散りばめた様なキラキラとした輝きが無数に散ったとたんに、闇がガラスが粉々に割れる様に散って行った。
喝采が、夕焼けの空が割れるかと思われるほど鳴り響いた。
サナリアが喝采の中一礼をしたその瞬間だった。
真っ赤な夕焼けの空の中から、一人の黒づくめの男が降ってきた。
人の身の半分以上もの長けの有る銃を構えている。
「まま、ひとが降って来てる」
最初に気が着いたのは観衆の中の子供だった。
声は、歓声にかき消され、男の銃は引き金を引かれた。
空に真っ黒な魔法陣が折り重なって二、三出来る。
浮かんだ複数の魔法陣の中の一つの魔法陣に、一本の螺子がよじれて剣に絡まった紋章が有った。
流石に気が着いた観衆のアチコチから叫び声が上がった。
「金色の螺だー!!!」
「観衆を守れ!これは協定破りだ!金色の螺を捕まえろ!」
あちこちで怒号が上がる。
なにも知らない市民は四方八方に向かって逃げ惑い始めた。
魔法陣から岩ほどもある炎の塊が出現して無数に降り注いでくる。
炎自体は魔導部門の魔道士達が張った結界で阻めた。
空で銃を売った男の影はいつの間にか消えていた。
恐らく銃の反動を利用してどこかに隠れたのだろう。
観衆に紛れていた金色の螺子のメンバーが手に手に武器を抜いて空からの襲撃に気を取られたウロボロスのメンバーに切りかかる。町を警護していた騎士団見習い達が次々刺されて倒れた。
ガルゴの背後でバルが叫んでいる。
「畜生!無差別か!」
ガルゴは、切りかかって来る刺客をねじ伏せながら、本命の実行隊を探していた。
切りかかって来る者が余りに弱すぎる。
絶対に、団長クラスを殺せると想定する程強い者か隊が居るはずだ。
ふと、何かの気配を感じて後ろを振り返った。
一際大きな炎の固まりがサナリアに襲いかかる。
「サナリアー!!」
思わずガルゴはサナリアに言われた全てを忘れて叫んだ。
サナリアが振り向きもせずに片手の手の平をガルゴに向けて来るなと示す。
炎の固まりはサナリアの結界によって霧散した。
サナリアが一瞬ガルゴを振り返り、ぷいとそっぽを向いてしまった。
ガルゴはホッとしつつも小さく
「ちくしょっ。」
と悪態をついて目の前の螺を凪ぎ払う。
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「良いんですか?」
近くで拳を奮っているバルがガルゴに声をかける。
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