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アルテミナとガルゴ5
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その時の、勝ち誇った様な、あの性格に問題の有る師匠の楽しそうな表情を思い出し、サナリアは思わず拳を握りしめてテーブルを叩いた。
「幸いというか運が悪いというか、ここには師匠はいません。かくなる上は魔術で街に飛んで誰彼構わず股を広げたりしない様に魔封じの枷を着けてここに閉じこもるしか・・・・。ここは魔道部門共有の研究施設ですが、辺りが強い魔獣が多いので殆ど僕しか使用してません、こんな祭りの時季、誰も来ないでしょう。紫スライムの成長度合いが通常のスライムと同じなら、フィナーレにギリギリ間に合うはずです。」
「・・・誰彼構わず・・・そんなに強いのかあのスライム催淫効果・・・。」
「紫スライムの体液の催淫効果はサキュパスの花の次と言われています。実際、最後のほう私殆ど自分が何していたのか記憶に有りません。」
サナリアは罰が悪そうに頬を赤くしてそっぽを向いた。
ガルゴは先ほどのサナリアの状態を思い出して、自分の息に熱が灯った事に気が着いた。
余りにも卑猥で淫らでしかも性欲に塗れたサナリアは酷くガルゴの欲を掻き立てた。
本気で好きな男じゃなかったらもう強引に押し倒して抱きつぶしてたに違いない。
自分でも何で今の自分の状態で、あのサナリアに手を出さずに済んだのか分からない。
イヤ、冷静になれ、考えろ、過去より今だ。
ここにあんな状態になる様なアルテミナ研究員を一人で置いて行ったらどうなる?。
「・・・さっき、『殆どだれも来ない』と言ったな、絶対来ないとは言い切れないって事だろう?祭りに浮かれたウチのカップルが来るかもしれねぇぞ?騎士が一人いれば魔術師でもココ位は来れる。メシはどうするんだ?普通の人間に二週間の絶食は寝たきりでも死にかねねぇぞ?」
「来ない事を祈るしか無いですね。食べ物は・・・持って来てはいるので・・・多分自分で食べれると思います。だから・・・」
だから、後は耐えれば良いだけのハズだ。
「スマン、やっぱ置いて行けねぇ。今のアンタ充分正気が足りてネェ様にしか見えねぇ。普段のアンタだったら、こんな穴だらけのプランじゃ無くて、『絶対大丈夫』なプランを考えるはずだ。それに・・・二週間催淫剤漬けの体で、たった一人でこんな所に閉じこもって辛いに決まってる。」
「裸で祭りの会場に現れて『誰か突っ込んでくれ』と強請る醜態をさらすよりはマシです。」
「・・・・強請ったのか・・・・。」
サキュパスの花の催淫剤の時は・・・・。
「師匠が研究の記録として取った動画では強請ってましたね。あんな醜態さらす位なら私は二週間一人で餓えながらのたうち回る方を選びます。さぁ・・・早くその魔封じの枷を私にかけて鍵を持ってどっか行ってください!」
気の強そうな美しい緑の瞳がひたとガルゴを見据え、さあ魔封じの枷をよこせと両手を差し出す。
ガルゴは、どうしてもサナリアを一人にして行く事は出来なかった。
心配だし、自分のが原因でこれから酷い事になる彼を、こんな寂しい所に独りぼっちで置いて行けない、それに、これからこの愛しい人が誰でも良いから抱いてくれと泣くのかと思うとムラムラと怒りがこみあげて来ない事も無い。
何故『自分』を呼ばないのだ。
「・・・・・・・・・・あのな、もう分かっているとは思うがな。俺はよ、アルテミナ研究員、アンタに大分惚れてるんだよ。」
「・・・・・・・・・・え?」
鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしたサナリアを見て、『イヤ気づいてないのオカシイだろ』とガルゴは本気で突っ込みを入れた。
「幸いというか運が悪いというか、ここには師匠はいません。かくなる上は魔術で街に飛んで誰彼構わず股を広げたりしない様に魔封じの枷を着けてここに閉じこもるしか・・・・。ここは魔道部門共有の研究施設ですが、辺りが強い魔獣が多いので殆ど僕しか使用してません、こんな祭りの時季、誰も来ないでしょう。紫スライムの成長度合いが通常のスライムと同じなら、フィナーレにギリギリ間に合うはずです。」
「・・・誰彼構わず・・・そんなに強いのかあのスライム催淫効果・・・。」
「紫スライムの体液の催淫効果はサキュパスの花の次と言われています。実際、最後のほう私殆ど自分が何していたのか記憶に有りません。」
サナリアは罰が悪そうに頬を赤くしてそっぽを向いた。
ガルゴは先ほどのサナリアの状態を思い出して、自分の息に熱が灯った事に気が着いた。
余りにも卑猥で淫らでしかも性欲に塗れたサナリアは酷くガルゴの欲を掻き立てた。
本気で好きな男じゃなかったらもう強引に押し倒して抱きつぶしてたに違いない。
自分でも何で今の自分の状態で、あのサナリアに手を出さずに済んだのか分からない。
イヤ、冷静になれ、考えろ、過去より今だ。
ここにあんな状態になる様なアルテミナ研究員を一人で置いて行ったらどうなる?。
「・・・さっき、『殆どだれも来ない』と言ったな、絶対来ないとは言い切れないって事だろう?祭りに浮かれたウチのカップルが来るかもしれねぇぞ?騎士が一人いれば魔術師でもココ位は来れる。メシはどうするんだ?普通の人間に二週間の絶食は寝たきりでも死にかねねぇぞ?」
「来ない事を祈るしか無いですね。食べ物は・・・持って来てはいるので・・・多分自分で食べれると思います。だから・・・」
だから、後は耐えれば良いだけのハズだ。
「スマン、やっぱ置いて行けねぇ。今のアンタ充分正気が足りてネェ様にしか見えねぇ。普段のアンタだったら、こんな穴だらけのプランじゃ無くて、『絶対大丈夫』なプランを考えるはずだ。それに・・・二週間催淫剤漬けの体で、たった一人でこんな所に閉じこもって辛いに決まってる。」
「裸で祭りの会場に現れて『誰か突っ込んでくれ』と強請る醜態をさらすよりはマシです。」
「・・・・強請ったのか・・・・。」
サキュパスの花の催淫剤の時は・・・・。
「師匠が研究の記録として取った動画では強請ってましたね。あんな醜態さらす位なら私は二週間一人で餓えながらのたうち回る方を選びます。さぁ・・・早くその魔封じの枷を私にかけて鍵を持ってどっか行ってください!」
気の強そうな美しい緑の瞳がひたとガルゴを見据え、さあ魔封じの枷をよこせと両手を差し出す。
ガルゴは、どうしてもサナリアを一人にして行く事は出来なかった。
心配だし、自分のが原因でこれから酷い事になる彼を、こんな寂しい所に独りぼっちで置いて行けない、それに、これからこの愛しい人が誰でも良いから抱いてくれと泣くのかと思うとムラムラと怒りがこみあげて来ない事も無い。
何故『自分』を呼ばないのだ。
「・・・・・・・・・・あのな、もう分かっているとは思うがな。俺はよ、アルテミナ研究員、アンタに大分惚れてるんだよ。」
「・・・・・・・・・・え?」
鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしたサナリアを見て、『イヤ気づいてないのオカシイだろ』とガルゴは本気で突っ込みを入れた。
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