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魔道士と騎士6
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「イヤ充分インパクトでけぇじゃねぇか・・・・そして?」
「魔道の道を究めたい者にとっては、『魔導士』以上の資格を取る理由になる垂涎の権限があるのです。この世には一国家の王でも、聖なる教団の教祖でも、その立場だけでは見る事が出来ない魔法に関する本という物が有ります。『魔導士』と『魔導師』だけがそれを閲覧、そして作成・編纂する事が出来るのです。その本は魔導を志す者だけが必要とする、云わば奥義書の様な物で、魔導士以上にならないとソレが何処に有るのか、どうやって読むのかも判りません。それから、これは大事な事ですが、今説明したどの資格も呼称や権限などの決まり事は同一ですが、管理、承認する公的機関は横の繋がりが殆どありません。問い合わせればその者がどこの試験を受けたのか、その機関で本当に承認されたのか、又、何故不合格にしたのか等教えてもらえる程度です。だから資格を持っているかどうかも大切ですが、どこの機関で資格を得たのかもとても大切になります。資格を与えた機関が一体どんな団体なのか、有資格者を雇用検討する時、雇用主は大概そこに注目します。特に『魔道師』以上は。まぁ生涯ウロボロスに居るであろう私にはさして重要な事じゃ有りませんが・・・ね。」
ガルゴの体温で温まったサナリアはウツラウツラし始め、次第に体の力が抜けはじめた。
ガルゴのゴツイ腕がサナリアの腰を抱き寄せ、少しだけ力を込める。
サナリアは小さくうっとりとため息をついただけで、その腕に大人しく従った。
「やっぱり『魔導師』は『魔導士』だけに教える事が出来るのか?」
ガルゴの唇がサナリアの頭にほんの少し近づく。
「いいえ、『魔導師』だけが一般市民に魔道具の使い方を教える事が出来ます。あと・・・ほかの資格者にも・・・魔術も・・・道具の…使い方も・・・教える事が・・でき・・・・る・・・。」
サナリアの話す言葉は次第に小さく、途切れ途切れになり、最後には静かな寝息に変わった。
「・・・・・アルテミナ研究員?・・・・寝たか・・・。」
ガルゴが眠るサナリアを更に抱き寄せると、サナリアとガルゴの腰の位置がぴったりと合ってしまった。
このまま腰を揺すったら自分のモノでサナリアのを愛撫する事が出来る。やったら嫌われるのでやらないが。
しかしこれ幸いと、ガルゴはそのままローブでサナリアを覆い、そしてそっと抱きしめた。
サナリアは夢うつつで自身の状態に気が着いたが、今日だけは・・・、とそのままガルゴの背中に手を回して抱き着いてそのまま夢の中へと意識を手放した。
ガルゴが驚いて瞠目する。
『ぜってーこの人分かってネェよなぁ・・・・コノ恰好俺にとっての上半身裸だって・・・・。』
言わネェケド。とガルゴは一人にんまり笑って、眠るサナリアを腕に、自身も短い眠りについた。
次の日から、サナリアは祭り休暇と称して姿を消した。
研究室には最終日まで部屋を閉めるとの張り紙がペラりと一枚素っ気ない文字で張り付けて有っただけだった。
張り紙を見つけた時のガルゴの尻尾のたれ具合は、祭りの間の団員達の酒の肴になる程で、ガルゴ自身も次の日には祭り休暇を取って姿を消した。
祭り開始の三日前の事だった。
「魔道の道を究めたい者にとっては、『魔導士』以上の資格を取る理由になる垂涎の権限があるのです。この世には一国家の王でも、聖なる教団の教祖でも、その立場だけでは見る事が出来ない魔法に関する本という物が有ります。『魔導士』と『魔導師』だけがそれを閲覧、そして作成・編纂する事が出来るのです。その本は魔導を志す者だけが必要とする、云わば奥義書の様な物で、魔導士以上にならないとソレが何処に有るのか、どうやって読むのかも判りません。それから、これは大事な事ですが、今説明したどの資格も呼称や権限などの決まり事は同一ですが、管理、承認する公的機関は横の繋がりが殆どありません。問い合わせればその者がどこの試験を受けたのか、その機関で本当に承認されたのか、又、何故不合格にしたのか等教えてもらえる程度です。だから資格を持っているかどうかも大切ですが、どこの機関で資格を得たのかもとても大切になります。資格を与えた機関が一体どんな団体なのか、有資格者を雇用検討する時、雇用主は大概そこに注目します。特に『魔道師』以上は。まぁ生涯ウロボロスに居るであろう私にはさして重要な事じゃ有りませんが・・・ね。」
ガルゴの体温で温まったサナリアはウツラウツラし始め、次第に体の力が抜けはじめた。
ガルゴのゴツイ腕がサナリアの腰を抱き寄せ、少しだけ力を込める。
サナリアは小さくうっとりとため息をついただけで、その腕に大人しく従った。
「やっぱり『魔導師』は『魔導士』だけに教える事が出来るのか?」
ガルゴの唇がサナリアの頭にほんの少し近づく。
「いいえ、『魔導師』だけが一般市民に魔道具の使い方を教える事が出来ます。あと・・・ほかの資格者にも・・・魔術も・・・道具の…使い方も・・・教える事が・・でき・・・・る・・・。」
サナリアの話す言葉は次第に小さく、途切れ途切れになり、最後には静かな寝息に変わった。
「・・・・・アルテミナ研究員?・・・・寝たか・・・。」
ガルゴが眠るサナリアを更に抱き寄せると、サナリアとガルゴの腰の位置がぴったりと合ってしまった。
このまま腰を揺すったら自分のモノでサナリアのを愛撫する事が出来る。やったら嫌われるのでやらないが。
しかしこれ幸いと、ガルゴはそのままローブでサナリアを覆い、そしてそっと抱きしめた。
サナリアは夢うつつで自身の状態に気が着いたが、今日だけは・・・、とそのままガルゴの背中に手を回して抱き着いてそのまま夢の中へと意識を手放した。
ガルゴが驚いて瞠目する。
『ぜってーこの人分かってネェよなぁ・・・・コノ恰好俺にとっての上半身裸だって・・・・。』
言わネェケド。とガルゴは一人にんまり笑って、眠るサナリアを腕に、自身も短い眠りについた。
次の日から、サナリアは祭り休暇と称して姿を消した。
研究室には最終日まで部屋を閉めるとの張り紙がペラりと一枚素っ気ない文字で張り付けて有っただけだった。
張り紙を見つけた時のガルゴの尻尾のたれ具合は、祭りの間の団員達の酒の肴になる程で、ガルゴ自身も次の日には祭り休暇を取って姿を消した。
祭り開始の三日前の事だった。
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