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壊れた玩具と伝説の狼2-6
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アヤは狼で、山の王で、人間では無いけれど、セイラを幸せにしてくれる、幸せにしてくれた唯一のセイラの男だ。
それが例え結果論でも、あの時セイラが死に物狂いで逃げたから、セイラはアヤと巡り合えた。
それだけは揺るぎない事実だ。
二人が住んでいる洞窟に到着すると、アヤの群れの狼達は自然と走り去っていった。
「縄張りの見回りと、狩りにでも行ったんだろう」
アヤは洞窟の入り口に立つと、動きを止めた。
「朝飯の狩りの必要は無くなったみたいだな」
狩りをしようと張り切っていたアヤは、あからさまにがっかりした声で言った。
「どうしたの?」
セイラがアヤの背中から前方を見ると、洞窟の入り口にバスケットがチョコンと薄い氷のドームに囲まれて置かれていた。
こんな所に氷のドームを作るなんて、海月の仕業に違いないと、セイラでも予想で来た。
セイラがアヤの背中から滑り降りてバスケットに近づくと、氷のドームは弾けて消えた。
「海月からの贈り物だ」
アヤは贈り物をもらったにしてはそぐわない憮然とした口調で言った。
「だよねぇ。中を確認しても良い?」
「あぁ・・食い物だ」
セイラがバスケットの中を見ると。
アヤが言った通り食事と、それからセイラの為と思われる衣類が紙袋に入れて入っていた。
「服!これは有難いな」
セイラが服の入った紙袋を持ち上げると、バスケットのはじに、手紙が入っているのを見つけた。
「アヤ、手紙が入ってるよ」
「何て書いてある?」
セイラは手紙を手に取って内容を確認した。
「えーっと。『海月より、山の王ご夫妻へ』ご夫妻だって、ちょっとくすぐったいね」
セイラは『夫妻』という言葉にちょっと照れながら手紙を読み上げ始めた。
それが例え結果論でも、あの時セイラが死に物狂いで逃げたから、セイラはアヤと巡り合えた。
それだけは揺るぎない事実だ。
二人が住んでいる洞窟に到着すると、アヤの群れの狼達は自然と走り去っていった。
「縄張りの見回りと、狩りにでも行ったんだろう」
アヤは洞窟の入り口に立つと、動きを止めた。
「朝飯の狩りの必要は無くなったみたいだな」
狩りをしようと張り切っていたアヤは、あからさまにがっかりした声で言った。
「どうしたの?」
セイラがアヤの背中から前方を見ると、洞窟の入り口にバスケットがチョコンと薄い氷のドームに囲まれて置かれていた。
こんな所に氷のドームを作るなんて、海月の仕業に違いないと、セイラでも予想で来た。
セイラがアヤの背中から滑り降りてバスケットに近づくと、氷のドームは弾けて消えた。
「海月からの贈り物だ」
アヤは贈り物をもらったにしてはそぐわない憮然とした口調で言った。
「だよねぇ。中を確認しても良い?」
「あぁ・・食い物だ」
セイラがバスケットの中を見ると。
アヤが言った通り食事と、それからセイラの為と思われる衣類が紙袋に入れて入っていた。
「服!これは有難いな」
セイラが服の入った紙袋を持ち上げると、バスケットのはじに、手紙が入っているのを見つけた。
「アヤ、手紙が入ってるよ」
「何て書いてある?」
セイラは手紙を手に取って内容を確認した。
「えーっと。『海月より、山の王ご夫妻へ』ご夫妻だって、ちょっとくすぐったいね」
セイラは『夫妻』という言葉にちょっと照れながら手紙を読み上げ始めた。
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