壊れた玩具と伝説の狼

鈴紐屋 小説:恋川春撒 絵・漫画:せつ

文字の大きさ
上 下
200 / 223

壊れた玩具と伝説の狼2-2

しおりを挟む
セイラは静かに、でも、はっきりとアヤに言った。
「・・・僕は、アヤに人殺しをしてほしいなんて思わない。
 そりゃ、何かの不幸でアイツが死んだらざまぁみろって思うけど。
 死ねばいいと思う事と、実際に殺す事は全く次元の違う事なんだ。
 なにより、屋敷が無くならないと被害者はこれからも出るだろうし・・・。
 けどアイツらが不幸になった所で、僕らが幸せにならなかったら全然救われないじゃないか。
 アイツを殺す余力があるなら、まず僕らが幸せになろうよ。
 今が幸せでも、もっと幸せになろう。
 その方が絶対にすっきりする」
セイラはアヤの瞳をまっすぐに見つめ、そう言った。
アヤは、何とも言えない表情になって
「復讐してやれない俺に、幻滅しない?」
と子供みたいな表情で聞いて来た。
「しないよ、人殺ししちゃう方が、嫌だよ。
 悲しくなっちゃう」
セイラがそう言うと、不安げだったアヤの瞳に少し明るい輝きが揺らいで念を押す様にもう一度聞いて来た。
「本当に?」
その表情があまりにも愛らしくて、セイラは思わす微笑んで、アヤの顔を抱きしめた。
「本当だよ」
やさしく言って、キスをすると、アヤもセイラの頬をペロリと舐めてくれた。
そんな簡単な触れ合いだけで、セイラの心はフワフワと浮かれて、幸せだとおもえた。
「ほらね、こっちの方がずっと救われる」
「そうか。そうだな」
二人はしばらく抱き合って、ただじゃれあってからそういえば朝食を食べてなかった事を思い出した。
「飯にしよう、記念すべき名実ともに番になった俺達の、最初の朝食だ。
 何が食べたい?」
アヤはウキウキと狩りに行く準備をしはじめた。
自分の仕留めた獲物をたべさせたいのだろう。
アヤの張り切りようが愛おしくて、セイラはやっぱり思わず微笑んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...