壊れた玩具と伝説の狼

鈴紐屋 小説:恋川春撒 絵・漫画:せつ

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壊れた玩具と伝説の狼1−6

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海月は、花の様に、宝石の様に、その名の通り夜空に輝く月の様にふわりと笑った。
海月の姿は、目鼻立ははっきりしているが、水面を漂う海月のごとく髪を含め全身真っ白で、人間味をまるで感じさせない。
セイラには、海月の美しさは宝石で出来た人形のに見えた。
見た目だけなら一つの美術品の様に美しく、一たび微笑めば何の恋愛感情も持っていないセイラでも思わず視線を持っていかれた。
セイラの視線に気付いたのか気づかなかったのか、海月は笑顔を微笑みに変え、言葉を続けた。
「アヤはね、消えた君を探すためだけに山の王になんて物にかなったんだ。
 ここ二年はさ、君の、微かな魔力を嗅ぎつけて、毎日毎晩、気が狂ったみたいに探しまくってたよ」
言いながら、海月はチラリとアヤを見た。
つられてセイラもアヤを見上げた。
アヤは、にこりと笑ってセイラに頬ずりをした。
「断言出来るよ、セイラ、君の選択は正しい。
 アヤ以上に、君を愛する存在なんて無い。
 君たちは、間違えなくお似合いだ。
 そして、ようこそ、こちらの世界へ
 これから、よろしくね」
海月はそう言って、握手をしようとセイラへと片手を差し出した。
その手をアヤがすかさず叩き落とした。
「歓迎痛み入るが別に接触まではひつようないだろう」
手を叩き落とされた海月は、叩き落された手をさすりながらアヤを睨みつけ
「これだから狼は!!」
っと言って子供っぽく『イーッ』っとして見せた。結局本気で怒ってはいないのだ。
そうして海月はセイラに視線を戻して、
「アヤの番ならどうせ又会う事もあるでしょ。またね」
と言い、いたずらっぽい笑顔を見せながら軽く片手を振って帰っていた。
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