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春のススキと白い息2ー2

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緩く立てていた膝の位置も、いつの間にか高くなっていて、セイラは、また、左右の太腿をスリスリと擦り合わせた。
「あのまま牙が食い込んでいたら、アヤ、君の口の中は、僕の一番綺麗な血で真っ赤に染まっていただろうね──」
セイラはうっとりとアヤを見つめながら、呟く様にそう言った。
セイラを見つめていたアヤの瞳に灯りが灯る。
「そうか」
低い、低い、しかし凪いだ声で、アヤは言った。
「そうか、セイラ、お前、俺に食われたいのか」
アヤの瞳の灯りが、今まで見た事も無いほど強く灯っていた。
「・・・え?」
何を言われたのか一瞬意味が分からず、セイラは間抜けな声をあげた。
「そうさな、お前は最初から、食べられる事に執着していたものな。
 元から抱かれるのを好んでいたと言うから、どうかと思っていたんだか、俺の口の中・・・を自分の鮮血で染めたいとは、実に雄臭い願望だなセイラ」
アヤはそう言ってベロリとしたなめずりをした。
それから、セイラの両足の間にその舌を差し込んで、何度もズルズルと舐め撫でた。
「あ、アヤ?」
セイラが戸惑いの声を上げても、アヤは両目に灯りを灯したまま、じっとセイラを見つめながら会陰から膝までの間をズルズルと何度も舌を這わせた。
抗う理由もないのでセイラはされるがままにその愛撫を受け入れていたが、いつものアヤの呑気な雰囲気が全く無いのが気になった。
「性欲だよ、それは。セイラ」
「性欲」
「そうさ、毎日の様にザーメン飲んでやってるのに、この上命の源の鮮血まで俺の中に入れたいのか。
 えらく熱烈じゃないか」
アヤはセイラの右足をやわやわと甘噛み始めた。
「セイラ」
「な、何?」
アヤが、まるで念を押すようにセイラに問いかけた。
「俺の番になりたいと言ったな?」
確かに言った。
「う、うん」
だから頷いた。
アヤはやはりその瞳に灯りを灯しながら、目を細めた。
セイラには、アヤのその表情が怒りに満ちている様にも、優しく微笑んでいる様にも見えた。
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