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春のすすきと白い息1ー16

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「あ、アヤ、アヤ?」
アヤは戸惑うセイラに構わず、熱い舌を更にセイラの後口にねじ込んだ。
セイラのみぞおちと腰に、柔らかくアヤの前歯が当たっている。
その感触が、先ほどのアヤの噛みつきを思い起こさせてセイラの興奮を煽った。
思わず、セイラは自らアヤの顎に両足を絡み付け、はぁはぁと甘い吐息を繰り返して、アヤの舌の動きに合わせて腰をくねらせた。
そうして、自ら腹部をアヤの前歯に擦り付け始めた。 
アヤが獰猛にグルリと唸った。
「アヤ、アヤ、ごめん。
 上手く説明できないんだ、自分の中で色んな事がごちゃ混ぜになってて、死にたい訳じゃないのは本当なんだよ。
 あぁ、でも、今この牙が僕の心臓を噛み潰したら、僕はきっと一瞬で幸せんまま逝ける・・・」
そう言いながら、セイラはアヤのむき出しにされている牙をうっとりと撫でた。
アヤの眉間に怒りを表すシワが寄った。
セイラの唇からうわ言の様に喘ぎながら紡ぎ出される言い訳は、無茶苦茶だった。
アヤはやはり、不機嫌そうにグルグルと唸りながら、しかし何を思ったのか、セイラを咥える口の角度を少し変えて、セイラが言った通り自分の牙の切っ先を、セイラの心臓の真上にあてがった。
涙と快感で潤んだセイラの瞳が大きく見開く。
己の心臓の真上に獣の牙を突き付けられたというのに、セイラの頬が喜びで紅く染まった。
コクリと小さくセイラの喉が鳴った。
セイラの両足がさらにアヤの顎に絡まって、太ももの内側を擦り付ける様にモゾモゾと数回絡め直した。
「んん」
アヤはそんなセイラを見つめながら、ゆっくりと舌で胎の中を捏ね回しながら、顎に力を込めていった。
「ぁぁあっ、あーっ。あや、ぁや、ごめんなさい。気持ちいいっ。きもちいいよぉ」
セイラは泣いて、そしてどうしようもなく喜がり、喘いだ。
アヤの牙に又力が込められて、セイラの体がミシリ、と音を立てた時、
「あ、あや、イク、イク。ごめん、ごめんなさいっ、あぁぁっ」
セイラはとうとう絶頂を迎えた。
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