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人食い湖の住人2-7
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湖のある山頂は直ぐに見えて来た。
そこで、ふと、セイラは先ほどのアヤの言葉を思い出した。
「ねぇアヤ。湖の主って何?この山の主はアヤなんでしょう?」
「湖の主は湖の主だ、そう、俺はこの山の主だ。
だが、狼だからな、水は不得手なんだ。
湖の主は、元が海の魔獣の出らしくてな、水の中では強いが陸ではそんなに強くない。
4代前の山の主と意気投合して以来この上の湖に住んでいる。この山の水の管理や守護をしてもらっている。見返りとして山の主が代々奴の住んでいる湖を守っているのさ。
水の者は治療魔法が得意なヤツが多いが、欲が深いのが玉に傷だ。
心配で今日まで合わせようなんて思えなかった」
アヤの説明は最後の方は少し呆れた様な響きが有った。
「欲が深い?」
「あの湖は昔からよく人が捨てられる湖だったらしい。昔は雨乞いや晴天を祈る儀式の為に生贄が放り込まれていたが、いつしか口減らしや疫病の病人、殺しの為に捨てられる様になった。
あいつはあの湖に住んで以来、そういった湖に沈められた者達を治しては飼っているのさ、今やちょっとしたハーレムが出来上がってる」
「飼う・・・。ハーレム・・・」
(それか、あの使用人達が言っていた不思議な湖の正体は)
生きてたら治して飼う、死んでたら水面に戻してしまう、そしてきっと死んで浮かんできてしまった人間達が、アヤ達陸の獣達の食事になっているのだろう、と、セイラは予想した。
そうしてセイラが物思いに耽っている中にアヤは山頂に到着した。
「セイラ、着いたぞ」
身を屈めてくれたアヤの背中から滑り降り地に足を着けた。
数か月ぶりに、本当に久しぶりに、セイラは自分の足で土を踏んだ。
そこで、ふと、セイラは先ほどのアヤの言葉を思い出した。
「ねぇアヤ。湖の主って何?この山の主はアヤなんでしょう?」
「湖の主は湖の主だ、そう、俺はこの山の主だ。
だが、狼だからな、水は不得手なんだ。
湖の主は、元が海の魔獣の出らしくてな、水の中では強いが陸ではそんなに強くない。
4代前の山の主と意気投合して以来この上の湖に住んでいる。この山の水の管理や守護をしてもらっている。見返りとして山の主が代々奴の住んでいる湖を守っているのさ。
水の者は治療魔法が得意なヤツが多いが、欲が深いのが玉に傷だ。
心配で今日まで合わせようなんて思えなかった」
アヤの説明は最後の方は少し呆れた様な響きが有った。
「欲が深い?」
「あの湖は昔からよく人が捨てられる湖だったらしい。昔は雨乞いや晴天を祈る儀式の為に生贄が放り込まれていたが、いつしか口減らしや疫病の病人、殺しの為に捨てられる様になった。
あいつはあの湖に住んで以来、そういった湖に沈められた者達を治しては飼っているのさ、今やちょっとしたハーレムが出来上がってる」
「飼う・・・。ハーレム・・・」
(それか、あの使用人達が言っていた不思議な湖の正体は)
生きてたら治して飼う、死んでたら水面に戻してしまう、そしてきっと死んで浮かんできてしまった人間達が、アヤ達陸の獣達の食事になっているのだろう、と、セイラは予想した。
そうしてセイラが物思いに耽っている中にアヤは山頂に到着した。
「セイラ、着いたぞ」
身を屈めてくれたアヤの背中から滑り降り地に足を着けた。
数か月ぶりに、本当に久しぶりに、セイラは自分の足で土を踏んだ。
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