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人食い湖の住人2-2
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アヤは苛立ちもせず、むしろウキウキと丁寧に説明してくれた。
「特別なエサを強請るのさ。
それは何でもよくて、どうでも良いわけじゃ無い、俺が用意できる物でなくては困るしな。
お前が本当に欲しい物を強請れ。
俺から貰うんじゃなきゃ全然嬉しくないけれど、切実に欲しいと思った物を」
「まるで謎かけみたいに聞こえる」
「答えはお前が導き出さなくちゃいけないのさ」
「アヤからしか欲しくなくて、切実に欲しいと思う物」
───一つ、心当たりが有った。
思い出すのは初めてアヤの物を咥えた日。
(まさか、アレ?でも食べ物じゃないし・・・)
「強請れ、セイラ、俺だけに。見返りを提示せずエサを強請って良い相手だけは番だけだ」
「わかった。考えてみる」
「何でも良いんだぞ?」
「どうでも良いわけじゃないんでしょう?」
セイラがそう言うと、狼はふふふと笑ってごろりと仰向けになった。
その腹の上にセイラは寄りかかり柔らかな体毛に埋もれた。
アヤの側はやはり安心する。
セイラは先ほどの悪夢との格闘の疲れが出て、うとうとし始めた。
「なぁ、セイラ。」
アヤの呼び掛けにも寝ぼけ眼で返事をかえしたが、アヤは気にせず話を続けた。
「人間とは、熱い湯に浸かるのが好きなものなんだろう?セイラも入りたいか?風呂」
突然の申し出に、セイラは飛び起きた。
「有るの?!お風呂。」
聞いたものの、セイラは内心首を傾げた。
お風呂だなんて、洞窟内でソレらしい物は見たことが無い。アヤがまた魔法で出すのだろうか?
そう思ったが、どうやら答えは違った。
「この山の山頂付近にな、大きな湖があるんだが、その側に湯が沸いている所が有るんだ」
どうやらこの山、温泉が沸いている所が有るらしい。
「特別なエサを強請るのさ。
それは何でもよくて、どうでも良いわけじゃ無い、俺が用意できる物でなくては困るしな。
お前が本当に欲しい物を強請れ。
俺から貰うんじゃなきゃ全然嬉しくないけれど、切実に欲しいと思った物を」
「まるで謎かけみたいに聞こえる」
「答えはお前が導き出さなくちゃいけないのさ」
「アヤからしか欲しくなくて、切実に欲しいと思う物」
───一つ、心当たりが有った。
思い出すのは初めてアヤの物を咥えた日。
(まさか、アレ?でも食べ物じゃないし・・・)
「強請れ、セイラ、俺だけに。見返りを提示せずエサを強請って良い相手だけは番だけだ」
「わかった。考えてみる」
「何でも良いんだぞ?」
「どうでも良いわけじゃないんでしょう?」
セイラがそう言うと、狼はふふふと笑ってごろりと仰向けになった。
その腹の上にセイラは寄りかかり柔らかな体毛に埋もれた。
アヤの側はやはり安心する。
セイラは先ほどの悪夢との格闘の疲れが出て、うとうとし始めた。
「なぁ、セイラ。」
アヤの呼び掛けにも寝ぼけ眼で返事をかえしたが、アヤは気にせず話を続けた。
「人間とは、熱い湯に浸かるのが好きなものなんだろう?セイラも入りたいか?風呂」
突然の申し出に、セイラは飛び起きた。
「有るの?!お風呂。」
聞いたものの、セイラは内心首を傾げた。
お風呂だなんて、洞窟内でソレらしい物は見たことが無い。アヤがまた魔法で出すのだろうか?
そう思ったが、どうやら答えは違った。
「この山の山頂付近にな、大きな湖があるんだが、その側に湯が沸いている所が有るんだ」
どうやらこの山、温泉が沸いている所が有るらしい。
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