壊れた玩具と伝説の狼

イキ癖１ー３

襲いかかる記憶の渦が怖かった。
六年もの間監禁されていたセイラの頭の中は、もうその時の記憶で殆どが埋め尽くされていて、少しでも正気に戻ると考えるのは監禁中に受けた虐待と凌辱、薬の味、無理矢理言わされた心にもない台詞の数々、それしか無かった。
記憶は、最近では夢の中でまで追いかけてくる様になった。
夢の中が一番酷かった、感覚と感情の他に、触感までも蘇り、セイラをボロボロにした本人達が寸分たがわない姿でまた襲いかかってくる。
悪夢を見る度にセイラは飛び起き、吐いて、泣いてアヤにすがった。
セイラは症状がで出して直ぐに、正気に戻るのをとても恐れる様になってしまった。
アヤとの性行為に夢中にになっている時だけがセイラがそれらの記憶から解放される唯一の時だった。
セイラの無茶とも思える要求に、アヤは嫌な顔一つせず答えてくれた。
洞窟の中で二人のキスの音が途切れる事が殆どなくなった。
アヤのセイラの口の中を舐め回す低くて水っぽい音と、セイラがアヤの舌に吸い付くリップ音と、それからセイラの喘ぎ混じりの呼吸音、アヤの低くやさしい呻き声、それらの音が全く無くなるのはセイラが眠りに着いている時だけだ。

今もセイラは昼の食事を採った後、いつも通りに体内に残った薬による崔淫物質で欲情してアヤの舌に吸い付き、そのまま性行為に雪崩れ込んでいる。最近ではアヤの性器が起つ前に、セイラが舐めて起たせる事が多くなっていた。
セイラがアヤの性器に唇を着けると、アヤもセイラの後口に舌を伸ばす。
柔らかい狼の急所の被毛をかき分け、四つ足の獣の性器のせんたんに口づけるセイラの下枝はもう完全に立ち上がっていた。