壊れた玩具と伝説の狼

鈴紐屋 小説:恋川春撒 絵・漫画:せつ

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壊れた玩具2-2

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「この道をずーと馬車で行った所にな、滅茶苦茶澄んでいるんだが一年中氷水みたいに冷たいでっかい湖が有るんさ。日陰の所なんかは真夏でも氷が張る程冷たい、スゲェ深くて中央の方はソッコが見えねぇ位なんだけどな、何が不思議って、動物を生きたまま湖に沈めるとな、浮いてこねぇんだわ」
使用人は何故か得意満面の顔でそう言った。
何が面白くてそうするのか、男はセイラの顔をグリグリと靴底で踏み転がしながら、返事をする事が出来ないセイラに向かって話しかけ続けた。
これが、曲がりなりにもつい昨日までセイラの胎を使って気持ち良くなっていた男のする所業だろうか。
(あの屋敷の住人は全員狂ってる)
一見使用人達は真面目に働いていて普通に見えるが、こんな下っ端の使用人ですら行動が異常だ。
「必ず生きて沈めなくちゃいけねぇんだ。死んでると二、三日で倍以上に膨らんだ死体が浮いて来ちまう、だからな、お前まだ死ぬんじゃねぇぞ」
使用人は、小さな子供に『明日のおやつが戸棚にあるけど、つまみ食いしちゃダメだよ』と言い聞かせるのと同じ言い方で死にかけのセイラに『まだ死ぬな』と言って笑った。
物凄く異様な行動だけれども、地獄の六年間をて、自分でもわかる位肉体の死が目前にせまっているセイラには最早大した事では無かった。
そんな事よりも気になるのは
「大丈夫だ、死んでるのを入れると浮いて返って来ちまうって事は生きたまま沈んだヤツラはきっと水底で生きてると俺思うんだ。今まで沢山、俺達、湖の中にダイアス様が壊したヤツラを捨てて来たから水底に着いたら仲間がたっくさん居るからな!」
そう言って、ぎゃははははっと下品な笑い声を上げた。
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