スイート・スパイシースイート

first bite２−３

分かっているが、裕一郎の無防備な姿を見ると、どうにも我慢する事なんて出来ない自分がいた。
組み敷いて、否定され続けた自分の存在を、男の象徴を、裕一郎の大事な所に思う存分突き刺して、打ち込んで、奇麗な裕一郎を自分の精液で汚すと堪らない位のエクスタシーを得られた。
貞操帯で縛って鎖で繋げば、独占欲が満たされた。
女のふりをしてでも手に入れたかった愛しい人を、今真に自分の下に組み敷いて、所有しているんだと実感出来て、興奮できた。
琢美はずっと、想像の中で何度も裕一郎を犯していた。
想像の中の裕一郎はいつも、琢美に無理やり犯されながら、泣いて睨んで琢美を攻めていた。
驚いた事に、現実は全然違った。
本物の裕一郎は、琢美に抱かれると喜ぶのだ。
昔通りの朗らかさで、自分に恋をしている男の目で自ら琢美の腕の中に納まり、琢美が想像する事すら出来なかった幸せなセックスをくれた。
執着も束縛も嫌がるどころかもっと寄越せと言ってくれる。
裕一郎といると、自分の中が安定していくのが自分でも分かった。
不思議な人だ、佐藤裕一郎という男は、どこまで行っても陰らない。
ジャラジャラ『ぁあん！ひぁ――！！』。
物思いにふけっている琢美を、ひときわ艶めかしい裕一郎の喘ぎ声と鎖の音が現実に引き戻した。
画面を見ると、まさに今、メタルピンクの鎖で琢美に繋がれながら、二人の指で裕一郎の中を手淫している所だった。
裕一郎は甘く切ない喘ぎ声で愛しているだの好きだのと声を上げていた。
「ぁあぁ、裕ちゃん嬉しい」
琢美はまた熱が溜まり始めた自分の性器を扱いてマスターベーションをした。