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sweet spicy sweet! 1ー5

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結局、高岡は二千円札を出して
「コレで何か食わして」
っと投げやりな注文をしてきた。
まぁ、メニュー見て注文されても、今、材料が足りなくて作れねぇ物も結構有るから、今日だけはその方がやりやすいけどな。
っつかというか、二千円札久し振りに見た。
こんにちは、えーっと何だっけ?紫式部!昔のエロ小説書いてた人。・・・って店の文学オタクの常連さんがむかし教えてくれた。
本当の所は知らねぇ。
当時は下世話なエロ小説だったもんが、現代になると崇高な文学として持て囃されて、作者と作品がかねの模様にまでなるんだから驚きだよな。
二千円札が珍しくて、ためつすがめつ眺めたら、高岡刑事がニヤニヤしながら俺を眺めてた。
ちょっとイラッとした。オメェにニヤニヤ見つめられたかねぇヨ。と言い放ってやりたい・・・。
高岡刑事は、多分、こういう小物を細々使っては色んな相手との会話のきっかけにしているんだろう、ここで俺が『二千円札じゃないですか、珍しい!何処で手に入れたんですか?!』とか言ったらトラップ成功、あとは口の上手い高岡刑事の思うままに会話が進む事必至だ。
俺はため息を付きながらレジに二千円札を入れて、領収書を書いた。
メニューの中に丁度良いのがねぇから、あらかじめデータをインプットしているウチのレジじゃ打てない。
「飯食いに来るなら、次は店を開けてる時にして下さいよ」
俺は、二千円札の事はあえてスルーして、領収書を高岡刑事に渡した。
高岡刑事はおどけた顔で肩をすくめて領収書を財布に仕舞い込むと、一緒に出したグラスの水を一口飲んで、何故だか楽しそうに笑って
「良いねぇ、良く冷えてて、外歩きで汗かいた体にはありがたいね」
と言った。
こいつ試しやがったな!?
ジロリと睨んでやったけど、殺人犯にもニコニコしながら話しかける様な肝の座ったオッサン相手じゃ迫力不足だ。

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