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chocolate with sunrise1ー8

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窓の外を見ると、もうすっかり日が暮れ切って、ビルの谷間に大きな満月が出ていた。
楽しみにしていた祭りももう終いになる頃だろう。
「さんざんな祭りになったな」
溜息を着きながら、琢美の渡してくれた冷めかけたホットミルクに口を付けた。
ハチミツを垂らしてあった甘いホットミルクは、すきっ腹には格別美味かった。
合間に口に放り込まれたチョコレートにのどが詰まって咳き込んだ。
昨日喘ぎ過ぎてのどが痛い。
「ごめん、チョコ大きすぎた?」
「イヤ。その。のどが思ったより腫れてるらしくて・・・」
「あ。うん。ごめん」
「・・・  気持ちよかったからいい
「うん?」
「気持ちよかった。無茶苦茶燃えた」
「それは、ありがとう」
俺達は新婚初夜明けの夫婦みたいな会話をして、二人でチョコレートとホットミルクを食べて飲んだ。
肉親が自殺をした。という、ヘヴィな事件の真っただ中に居ながら不謹慎だとは思ったが、少なくとも俺は小麦粉の一粒ほども心なんて痛んでいなかった。
琢美も、見た目にはむしろ晴れ晴れしている様に見えた。
当たり前だ、あんな奴、遺伝子が半分同じなだけの憎むべき殺人鬼、そう、琢美が思ってくれていれば良いと、俺は心から思っていた。
琢美はご機嫌で俺の体に絡み付き、自分の付けたキスマークをなぞったり抱き締めてきたり、このドピンクの貞操帯をなぞったりした。
「こんなハイテク物騒な物、どうやって手に入れたんだ?」
俺はピンクでがんじがらめにされた股間を見つめながら、ふと疑問に思って琢美に聞いた。
「自分で作ったの」
プラスチック部分の形状は3Dプリンターを買って作り、細かい所は手作業で仕上げたらしい。
・・・お手製・・・。
可愛がられてんな、おれの『息子』。
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