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lose sparkring 1ー1
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どんなに俺が目を見開いても、振り向いた俺の瞳に移るのは琢だけだった。
「琢美?」
思わず呟いた言葉に、やけどをしたみたいに琢がビクリと身を振るわせた。
蒼白で、口を無音のまま開閉させながらジリリと後づさった。
俺は追うこともせず。呆然と琢を見つめた。
面影は・・・・無い。
イヤ、在るのか。琢の表情はは、仕草は、何度も琢美と重なった。
かいま見える過去の幻像、再び甦る思い。
手土産の、蛸煎。
いや、でも。
そんな筈は無いと、状況について行けない部分の俺が言う。
だって、
「琢美はいつも、亡くなったお袋さんのワンピースを着ていて」
呆然と呟くと、俺の後ろから琢美の父親の声で反論が来た。
「他に着るもの無かったからな。俺の洋服を着せるなんて気持ち悪いだろ」
「歳が、歳が違うじゃないか、琢美は一個下だった筈だ」
琢は二つか三つ上だ、大人になってからならいざ知らず、子供の頃の二歳差は大きい
「いくらなんだって小さ過ぎる」
「発達が悪くてなぁ・・・おかげで児相に虐待を疑われて本当に不愉快だったよ。酷いだろう?」
まるで笑い話の様に言った。
「いつも自分の事を『私』って」
「俺が躾たんだ。スカート履かせてるのに男の一人称は変に思われるだろう」
「琢美?」
思わず呟いた言葉に、やけどをしたみたいに琢がビクリと身を振るわせた。
蒼白で、口を無音のまま開閉させながらジリリと後づさった。
俺は追うこともせず。呆然と琢を見つめた。
面影は・・・・無い。
イヤ、在るのか。琢の表情はは、仕草は、何度も琢美と重なった。
かいま見える過去の幻像、再び甦る思い。
手土産の、蛸煎。
いや、でも。
そんな筈は無いと、状況について行けない部分の俺が言う。
だって、
「琢美はいつも、亡くなったお袋さんのワンピースを着ていて」
呆然と呟くと、俺の後ろから琢美の父親の声で反論が来た。
「他に着るもの無かったからな。俺の洋服を着せるなんて気持ち悪いだろ」
「歳が、歳が違うじゃないか、琢美は一個下だった筈だ」
琢は二つか三つ上だ、大人になってからならいざ知らず、子供の頃の二歳差は大きい
「いくらなんだって小さ過ぎる」
「発達が悪くてなぁ・・・おかげで児相に虐待を疑われて本当に不愉快だったよ。酷いだろう?」
まるで笑い話の様に言った。
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