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candied apples 3-7
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嘘でも嬉しかった。
笑っちまう。結局、俺、グルグル悩んでおいて一番拘ってる所そこだったらしい。
それでつい『ふふ』っと笑ってしまった。
琢が不思議そうな顔をして、俺を見つめた。
「そっか、元気か。なら良いや」
「裕一郎・・・さん?」
琢美が俺の所に戻って来る気が本当に無いかとか、スゲェ聞きたかったけど、それを俺の事が好きだと言ってくれる琢に聞くのは、やっちゃいけねぇ事なのは分かる。
「お前の気持ちに、嘘が無いなら今はそれで良い」
少し消化不良だけど、俺達の関係を揺るがしてまで今直ぐ突き詰めたいとは思わなかった。
琢美からだと受け取った手紙は、間違えなく琢美の文字だった。
そして手紙には別れの挨拶が綴ってあった。
琢は必死で口説いてくれた。
今も逃げ出さずに、答えたくも無い俺の質問に答えてくれてる。嘘だってつけるのに。
頭良い癖に変な所で要領が悪い。そこが又、何だか愛おしかった。
「いつか、話してくれる?」
「――――できれば一生黙っていたいです」
正直すぎる答えに思わず噴き出した。
学校で勉強なんて殆どした事の無い俺は、あとはもう言葉が見つからなくて、黙って琢に抱き着いた。
琢が驚きつつも、両手を広げて腕の中に俺を入れてくれた。
「裕一郎さん?」
広げた腕の左手には琢美のワンピース
「それ、俺が見つけられない所に隠してよ」
又、見つけてしまうと辛いから、嫌いになったワケじゃねぇんだ。
いつだって、守りたくて、それしか無いと思って選んだ選択だった。
何が悪かったのか、全部悪かったのか、ただ縁が無かったのか、でも出会えて良かった。
今でも好きだ。
でも今選ばなきゃと思ったのは琢だった。
笑っちまう。結局、俺、グルグル悩んでおいて一番拘ってる所そこだったらしい。
それでつい『ふふ』っと笑ってしまった。
琢が不思議そうな顔をして、俺を見つめた。
「そっか、元気か。なら良いや」
「裕一郎・・・さん?」
琢美が俺の所に戻って来る気が本当に無いかとか、スゲェ聞きたかったけど、それを俺の事が好きだと言ってくれる琢に聞くのは、やっちゃいけねぇ事なのは分かる。
「お前の気持ちに、嘘が無いなら今はそれで良い」
少し消化不良だけど、俺達の関係を揺るがしてまで今直ぐ突き詰めたいとは思わなかった。
琢美からだと受け取った手紙は、間違えなく琢美の文字だった。
そして手紙には別れの挨拶が綴ってあった。
琢は必死で口説いてくれた。
今も逃げ出さずに、答えたくも無い俺の質問に答えてくれてる。嘘だってつけるのに。
頭良い癖に変な所で要領が悪い。そこが又、何だか愛おしかった。
「いつか、話してくれる?」
「――――できれば一生黙っていたいです」
正直すぎる答えに思わず噴き出した。
学校で勉強なんて殆どした事の無い俺は、あとはもう言葉が見つからなくて、黙って琢に抱き着いた。
琢が驚きつつも、両手を広げて腕の中に俺を入れてくれた。
「裕一郎さん?」
広げた腕の左手には琢美のワンピース
「それ、俺が見つけられない所に隠してよ」
又、見つけてしまうと辛いから、嫌いになったワケじゃねぇんだ。
いつだって、守りたくて、それしか無いと思って選んだ選択だった。
何が悪かったのか、全部悪かったのか、ただ縁が無かったのか、でも出会えて良かった。
今でも好きだ。
でも今選ばなきゃと思ったのは琢だった。
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