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August thunderbolt 1-7

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つまりコバにしてみれば、散々心配させられていた裏で全てを秘密にされ、恋人が辛い時に側で支える権利も剥奪され、しかもそのまま騙し通してくれるならともかく、全てが済んだも同然になってからある日いきなり種明かしされたのだ。
コレ以上恋人として馬鹿にされた話しもそうそう無いだろう。
「そりゃコバも切れるって」
まぁ、いつまでも変な意地を張って素直にならないコバも自業自得といえなくも無ぇケドよ。
「おぅ。この3日間口利いてもらえねぇんだわ」
と、さして堪えてなさそうな高岡が楽しげに
「そばも離れて貰えねえけどな♪」
と親指で指し示した店の窓ガラスの外側には
「うをっ」
読唇術でもやりかねねぇ目つきのコバが張り付いていた。思わず変な声を上げてビクついちまったじゃねぇか。
ひとつあいつには聞かせたくネェ話しがあってちょっと外に無理やり待たせてたんだわ」
何にも心配ネェよ、と、トボケた笑顔でコバに投げキッスをしながら、声色だけは真剣に高岡刑事が話しを続ける。器用だなおぃ。
外では何にも知らないコバが高岡刑事の投げキッスを叩き落として、ファッ○ユーの手形を作ってあっかんべーをしてみせる。ピッタリ息が合ってるじゃねぇか。
高岡刑事が、『いいか、表情変えるなよ』と、念を押してから後を続けた。
「琢美ちゃんの父親に合った。」
何だって?
「俺の正体に気が付いたのが琢美ちゃんの父親だったんだ。」
一瞬、コバに背を向けて真面目な顔になった高岡刑事が、真っ直ぐに俺を見て言った。
「裕一郎、殺すなよ?」
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