148 / 410
vanilla essence 1―15
しおりを挟む
「やっぱり、琢美さんの所に戻りたいですか?」
「・・・アホ!」
ふにっと頬を軽くつまんで不安げな琢の心配を一言で蹴散らしてやる。
「コレを取り返して来ただけだよ」
ベッドの下に他の服と一緒になって散らばってるジャケットから
「くそ、脱がすのまで上手くなりやがって」
と本気じゃねぇ悪態をつきながら、例の指輪を出して見せる。
「指輪・・・」
「これな、昔俺が琢美に作ってやった物なんだよ」
「・・・琢美は偽物だったのに、指輪だけ本物だった・・・」
つまりこの指輪は何らかの形で琢美が手放した事になる。
要らないから捨てたのか、忘れる為に手放したのか、それとも何かの拍子で落としたのか、盗まれたのか・・・。
お前も要らないって言われちまったのか?
と指輪に心の中で問いかける。
答えが見つかる訳が無いんだけど。
ただ、どうしてその指輪を使ってまで、俺の前に琢美の偽物が現れたのかが解らなかった。
何のために?
「きっと、手放したくて手放したんじゃ無いと思います!」
黙ってる俺が落ち込んでるのかと思ったのか、何故か琢が意気込んで琢美が指輪を捨てたわけじゃねぇと援護して俺を元気つけようてした。
俺の懸念を話した所で琢には関係の無え事だ。余計な心配事を増やすよりは、琢の慰めに乗ったフリをして笑顔を返す事にした。
「そうだな」
俺の笑顔に吊られて琢が微笑む。
「・・・その指輪、どおするんですか?」
笑顔に納得した琢が今度は指輪の行く末を聞いて来る。
「・・・どうするかな。」
指先で指輪を玩びながら一瞬考える。
相当一生懸命作った物だから自分で捨てるのは忍びない。
かと言って。
「・・・アホ!」
ふにっと頬を軽くつまんで不安げな琢の心配を一言で蹴散らしてやる。
「コレを取り返して来ただけだよ」
ベッドの下に他の服と一緒になって散らばってるジャケットから
「くそ、脱がすのまで上手くなりやがって」
と本気じゃねぇ悪態をつきながら、例の指輪を出して見せる。
「指輪・・・」
「これな、昔俺が琢美に作ってやった物なんだよ」
「・・・琢美は偽物だったのに、指輪だけ本物だった・・・」
つまりこの指輪は何らかの形で琢美が手放した事になる。
要らないから捨てたのか、忘れる為に手放したのか、それとも何かの拍子で落としたのか、盗まれたのか・・・。
お前も要らないって言われちまったのか?
と指輪に心の中で問いかける。
答えが見つかる訳が無いんだけど。
ただ、どうしてその指輪を使ってまで、俺の前に琢美の偽物が現れたのかが解らなかった。
何のために?
「きっと、手放したくて手放したんじゃ無いと思います!」
黙ってる俺が落ち込んでるのかと思ったのか、何故か琢が意気込んで琢美が指輪を捨てたわけじゃねぇと援護して俺を元気つけようてした。
俺の懸念を話した所で琢には関係の無え事だ。余計な心配事を増やすよりは、琢の慰めに乗ったフリをして笑顔を返す事にした。
「そうだな」
俺の笑顔に吊られて琢が微笑む。
「・・・その指輪、どおするんですか?」
笑顔に納得した琢が今度は指輪の行く末を聞いて来る。
「・・・どうするかな。」
指先で指輪を玩びながら一瞬考える。
相当一生懸命作った物だから自分で捨てるのは忍びない。
かと言って。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
赤ちゃんプレイの趣味が後輩にバレました
海野
BL
赤ちゃんプレイが性癖であるという秋月祐樹は周りには一切明かさないまま店でその欲求を晴らしていた。しかしある日、後輩に店から出る所を見られてしまう。泊まらせてくれたら誰にも言わないと言われ、渋々部屋に案内したがそこで赤ちゃんのように話しかけられ…?
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる