スイート・スパイシースイート

鈴紐屋 小説:恋川春撒 絵・漫画:せつ

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sakura flavor 2-9

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そもそも俺は、自分でも自覚の無い内に、逃げられなかったんじゃ無くて逃げなかったんだろうな。
幾ら竹川がでかいからって、ちょっと体を鍛えた位で俺に喧嘩で叶うワケが無いのだ。(今のが喧嘩と言うのかは別としてだ。)
だから此処まで竹川が事に及んでしまったのは、竹川が望んだ事じゃなくて俺が竹川を暴走させてしまったんだろう。
俺が本気で止めさせたかったなら何時でも出来た。
けど俺はそれをしなかった。
それが全部だ。
俺の反応が変わった事に気が付いた竹川が息を殺してジッとしている。
「お前に新しい恋人が出来るか、俺に琢美が現れるか琢美位愛せる人が出来るまでだ。」
それは言い訳であり、その位の人間が現れなくちゃ、多分俺はコイツを切り捨てる事なんか出来ないという予感でも有り・・・。
溜め息といっしょに、もう一度竹川に頬ずりをしながら琢美以外に言った事の無いおねだりをした。
「も、いい加減イかせて・・・?」

・・・竹川は一度ぎゅうと目一杯俺を抱き締めて、相変わらずの泣き声で吐息混じりに一言だけ
「っ・・・はい!」
と返事をして愛撫を再開した。
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