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sakura flavor 1-4
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「お前は俺に初めて出会った時からもう大人の顔してたよ。拗ねて片意地張ってるんじゃ無くてさ、全部自分で飲み込んで、多少グレちゃいるけど前を向いている男の顔だったよ。それだけにゾッとしたね。コイツこの年でこんな顔をして、一体どんな人生歩んで来たんだと思ってさ。」
真面目な顔してそんな事を言うので思わずプッと吹き出した。
「そんな偉ェもんじゃねぇよ、でもまぁ・・・あんな家の中で育ったにしちゃっマトモに育った方なのかもな」
おどけて言ったつもりだったんだけど、失敗したらしく高岡刑事は苦く笑って茶を一口ぐいっと煽った。
勤務時間中で酒の飲めない自分に、これは日本酒だと思いこませる様に。
実際、刑事や福祉施設の職員みてぇな立場の人間達から見れば、俺や琢美みたいな家は心を痛める原因なのかも知れない。
琢美は父親がDV(ドメスティックバイオレンス)だったし、俺ん家は育児放棄だったしな・・・。
イヤ、実際本当はウチでも下手したらDVになりそうだったんだ。
ある日、いきなり親父が切れた。
多分当時それなりの理由が有ったのかも知れねえけど、その時の俺にはそう見えた。
ただ、俺、昔から喧嘩強かったから親父伸しちまったんだよな。
当時、手加減なんて知らなかった俺は、バットで殴りかかられた恐怖と怒りでキレて逆にアバラ折っちまって・・・そしたら育児放棄された。
母親は…あっさり俺を見捨てて知らぬフリを決め込み、小学生4年で俺は家庭内で幽霊みたいな扱いをされる事になった。
完全シカトだ。
申し合わせたかの様に決まった場所に財布がいつも有って。
そこから金をとっては食い物や洋服を買ってた。
真面目な顔してそんな事を言うので思わずプッと吹き出した。
「そんな偉ェもんじゃねぇよ、でもまぁ・・・あんな家の中で育ったにしちゃっマトモに育った方なのかもな」
おどけて言ったつもりだったんだけど、失敗したらしく高岡刑事は苦く笑って茶を一口ぐいっと煽った。
勤務時間中で酒の飲めない自分に、これは日本酒だと思いこませる様に。
実際、刑事や福祉施設の職員みてぇな立場の人間達から見れば、俺や琢美みたいな家は心を痛める原因なのかも知れない。
琢美は父親がDV(ドメスティックバイオレンス)だったし、俺ん家は育児放棄だったしな・・・。
イヤ、実際本当はウチでも下手したらDVになりそうだったんだ。
ある日、いきなり親父が切れた。
多分当時それなりの理由が有ったのかも知れねえけど、その時の俺にはそう見えた。
ただ、俺、昔から喧嘩強かったから親父伸しちまったんだよな。
当時、手加減なんて知らなかった俺は、バットで殴りかかられた恐怖と怒りでキレて逆にアバラ折っちまって・・・そしたら育児放棄された。
母親は…あっさり俺を見捨てて知らぬフリを決め込み、小学生4年で俺は家庭内で幽霊みたいな扱いをされる事になった。
完全シカトだ。
申し合わせたかの様に決まった場所に財布がいつも有って。
そこから金をとっては食い物や洋服を買ってた。
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