スイート・スパイシースイート

sakura flavor １－１

うエックション

引っ越し荷物を抱えたまま。
手で隠す事もティッシュで抑える事も出来ず。
マスクの中で盛大にクシャミをしてなかなか悲惨な事になった午後一時、ふとマンションの廊下から隣の公園を見ると満開の桜の雲海が見えた。

花びらの隙間から強かに酔っ払った花見客が見える。

まぁ、せいぜいその勢いで俺の店に来た時も飲み食いしてくれ、と、心の中で呟く。
周りのお祭り気分に反して今年も俺の気分は下りっぱなし…。
と、いうか今年の俺は例年に増して気分最低だった。
店にいる間は良いんだ、接客で気が紛れてるから。
休みの日とか、一人になるともう気分は最低、違う事考えなきゃ、と思うんだけどグルグルグルグル13年も前の場面をリフレインしていた。
最悪だ、酒を飲んだら悪酔いしかしないし素面なら素面でコレだし・・・。
一人で居る時に暇になりたくなくて、引っ越しも業者に頼まず一人で少しずつ荷物運び込んでたのに・・・。

「あーくそ・・・久しぶりにお姉ちゃんの所（ソープかヘルス）にでも行くか・・・」
一人でいるよりマシだ。多分。

夜の為の街に繰り出すには大分早いけど店に入っちまえば年中暗くてきっと昼も夜も関係無い。