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vanilla on the cherry 1-8

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話しも耳に入って無いのかと思いきや、話しの水を向けられると
「僕?」
ギクリとした顔で
「僕はその…初めては好きな人へ捧げるつもりなんで・・・」
と言った。
「「え?」」
高岡刑事の時とは違った意味で場が凍る。
沈黙を破ったのはやはりコバ
「待って、じゃあアンタ、未だに…誰とも…?」
「まぁ・・・はい・・・」
それを聞いたコバはクッと唇の両端を引き上げたかと思うと。
ぷーーーーっと盛大に吹き出し、笑いだした。
「ウソだろ!信じらんねー!未だに経験無いってアンタ一体いくつだよ!!初めてを捧げるって少女かっつーのダサッって言うかキモッ」
どうも今日のコバはたちが悪い、いつもは軽口を叩いても憎めねぇヤツなのに、今日のコバはひいき目に見ても感じが悪い。
「・・・32ですけど・・・」
と答えなくても良い質問に律儀に答える竹川、へぇ・・・年上だったんだ。3っつか4っつ上かぁ・・・。
「そうか?俺は嫌いじゃ無いぜ、そういうの」
別に庇った訳じゃねぇ。
本当にそう思ったから言った。
「そりゃ先輩は琢美さんとの約束が有るからそんな事言うんですよ。男が童貞を好きな人の為に取っとくって、男は経験してなんぼでしょう?!しかも32ィ!?」
有りえねぇっとゲラゲラ笑う。
「いくら経験しても上達しなきゃ意味ねぇけどな。って言うかさ、コバ、本気でお前いい加減にしろな?何なんだよ!少し前から思ってたんだケドよ、お前竹川さんに変に突っかかるよな?何がしてェんだよ?」
「別に、突っかかってなんかいねッスよ」
酔っ払ってた上に本格的にブンむくれたコバはぷいと又明後日の方を向いてしまった。
竹川が
「わたっ私は大丈夫ですからっ」
とオロオロしている。
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