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old taste 2-14

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「気に入ったんならメニューに入れるからまた注目してくれ」
と笑って竹川の手触りの良い髪を撫でてやると、俺の手の重さを助けにして、引き寄せられる様に竹川の額が俺の肩に落ちて来た。
振り払われないのを良い事に、伺う様に両腕を俺の腰にオズオズとあてがって来た・・・。
どうしようかな、と思いつつも振り払えない自分が居た。
「すみません。ちょっとの間だけで良いんで、カレー食べてて良いんでこのままいさせて下さい」
少しだけ・・・。と竹川は言い訳するけど、どう見積もっても当分竹川の涙は引っ込みそうに無い。
竹川の体からはイランイランの良い香りが微かに漂って来て、俺の鼻孔をくすぐる。この匂い、好きなんだよな・・・、とか呑気な事考えながら
「ま、人間弱ってる時はあらぁな」
カレー食ってる間だけなと言って。
ポスポスと背中を叩いてやると
「うぅー」
と、一応押し殺した鳴き声が漏れて来て、夜10時の俺の店内のバックミュージックは竹川の泣き声になった。
お陰で俺がカレーの最後の一口を、30分も我慢する羽目になったのは、まぁご愛嬌だ。

このカレーはその昔、琢美の為に開発した極限まで辛みを抑えたカレーなんだけど、久しぶりに食べてみて何だか胸が苦しくなる味がする気がした。

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