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first taste 3-2

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ガーンて感じ。
本当に、ガーン…だった。
詳しい事はよく解らないけど、長期の虐待を受けた琢美の心には未だに治らない心の傷があって、ちょっとの刺激で大きなフラッシュバックが起きてしまうらしい。
虐待期間、密に関わってた俺と会うなんて以ての外だとそういう事だ。
そんな事情を丁寧に書いた琢美からの手紙のラストは
『いままでありがとう新しい恋人を見つけて幸せになってね』
と締めくくってあった。
昔と変わらない・・・とても綺麗な文字だった。
だから、俺は…だから…さ
別に琢美に操をたててるわけじゃ無い。
「現に何人か付き合った事もあるんだぜ?続かなかっただけで」
けけけっとふざけ半分で笑ってみせる。
「でもよ…」
と後を続けようとした所で、店の自動ドアが機械音とともに開いた。
見るとさっさと入れば良いのに入口の一歩外側に人が一人立っている。
180を軽く超える身長、メガネにかかるまで無駄に伸ばした、柔らかいウェーブを描く前髪。
ひたすら利便性だけを追求したダサいメガネ、立派な身長をいっそ清々しい位台無しにしているペラッペラの胸板。
昨日のもやしサラリーマンだった。
もやしサラリーマンは、緊張した真っ赤な顔をしながらおそらくお礼の菓子折が入っていると思われる紙袋の左右を胸の前で力いっぱい握り締めながら立っていた。
さっきまで話してた事や昨日の晩の事が手伝って、ふっと初めて出会った時の琢美を思い出す。

タバコをくわえたガラの悪い俺に怯えてスカートの裾を力いっぱい握りしめたまま動けなくなってしまった琢美の姿が脳裏をかすめる。

見た目も性別も全く重なる所が無ぇのに。
そうやって、無意識の内にいつも俺は俺の周りに琢美の存在をさがしている。
往生際が悪いよな、本当。
自分に呆れて思わず自然に口元が緩む。
「大した事無くてよかったっすね」
ゆるんだ口元をごまかす為にもやしサラリーマンに声をかけると、本人は一瞬ポカンとしてから
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