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第三章 悩める剣士との出会い
第66話 アリシアからのお誘い
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「嘘だろ!?何でアリシアさんがここにいるの?」
「ん?おお!ワタル殿ではないか!会いたかったぞ!」
木の精霊教会のドリュアス様の像の前で堂々とした態度でアリシアさんが立っていた。
まさかここに俺が来ることを知っていてずっと待っていたなんて事はないだろうな・・・
「マシューからワタル殿の話を聞いているぞ!今日もここに来ると聞いて待っていたんだ!」
待っていやがった!
「な、なんでマシューさんを知っているんですか?」
「それは私がここで剣術を教えているから知っていて当然だ!まぁ臨時の先生だがな」
「まじかよ・・・」
何たる偶然・・・いやアリシアさんはこの教会兼剣術道場に元からいて、俺を見かけて後を付いてきたのだろう。
するとドリュアス様が言っていた人物とはアリシアさんのことだったのか・・・
「ふむふむ・・・すると私とワタル殿は先生と生徒ということになるな・・・別にじっくり話をするのは問題ないはずだ・・・」
「いやいや、俺に問題があるのですが」
「まぁワタル殿に興味があるのは否定しないがちゃんと剣術は教えるから安心してくれ!」
「いやいや、安心できないのですが」
「さて!時間がもったいない。早速始めようじゃないか!」
この人話を聞かないタイプだ。
・・・・・・・・・
「ほぉー!なんとも興味深い武器を使っているじゃないか!」
「いや別に普通の・・・いや普通じゃないバットですけど・・・」
「何を言う!この素晴らしい木材の光が武器の良さを体現している!」
「え?そ、そうですか?へへへ・・・実はこれは俺が作ったんですよ。周りにはバカにされてますけど、分かる人なら分かるのかな?」
さて、俺とアリシアさんは道場の庭に来ている。
早速剣術を教えてくれるというアリシアさんに引っ張られて連れてこられたのは、昨日子供たちと汗を流した所だ。
今日は剣術の稽古は休みのようで庭には俺とアリシアさんしかいない。
「なんと!自分で作ったのか!是非私もお願いしたい!」
「ええ・・・良いですよ!最近木の幼霊の扱いに慣れてきたので」
「・・・それはすごいじゃないか!」
「アリシアさんも剣を持っていますよね。背中に背負っていたやつ見せてくださいよ!」
「ああ良いぞ!あまり人には見せないが特別だぞ」
俺はトゲバットを褒められてテンションが上がっている。やはり人は褒められて伸びると思う。
「これだ!」
「・・・ん?これって・・・」
アリシアさんはシュルシュルと布を巻き取り一振りの剣を取り出した。
「銘は妖精剣ディープシーオブツリー。おっと迂闊に触るなよ!どうなるか私にも分からないからな。剣の機嫌次第で細切れになってしまうぞ」
「あの~それって・・・ただの木刀ですよね・・・」
なんか自慢げに取り出した剣はただの木刀だ。目利きでも「ただの木刀」としか出ていない。
「な、なんて事を言うんだ!妖精剣ディープシーオブツリーの機嫌を損ねたら殺されるぞ!」
「あーこういう人なんだ・・・」
アリシアさんは遅れてやって来た中学2年生の病気だ。しかもこじらせてしまっている。あまり否定しても可哀想だ・・・
「へぇーどこで手に入れたんですか?」
「良くぞ聞いてくれた!これは木の妖精ノーミー様のいる始まりの森で取ってきた物を加工してもらったのだ!きっと素晴らしい効果があるだろう」
おう・・・拾ってきた木を加工して木刀にしただけか・・・しかも自分でも効果が分からない木刀を持っているとは・・・かなり重症だ・・・
「そ、そうですね・・・」
きれいな金髪を後ろでまとめ、少しつり目がちな大きな緑色の瞳をこちらに向けるアリシアさん。
黙っていれば、その容姿に誰もが振り向くだろう。凛々しいその姿は、近寄りがたい高貴なオーラを醸し出し、学校にいれば生徒会長タイプでバレンタインデーにはたくさんの女の子からチョコを貰えそうなキャラだ。
しかし、残念ながらなかなかの中二病を発症している。
「さてどうしたものかな・・・」
俺はこの美人女剣士の付き合い方を考えていた。
・・・・・・・・・
「今度は妖精ではなくて人族の話を聞いてもらいたいのよ」
「人族ですか?」
時は少し遡り俺が初めてのこの木の精霊教会を訪れた時の話だ。
マシューさんの勧誘を断り、司祭兼剣術師範を待っている時に突然現れたドリュアス様のお願いを聞いている。
「そう・・・ここで剣を教えている女の人族よ」
「あのー俺がどうにかできるとは思わないのですが・・・彼女なんかいたこともないし・・・」
「それは知っているわ!」
「即答した!なぜ知っているのですか?」
「ウフフ・・・乙女の秘密を聞いては駄目よ」
「流された・・・」
しかし、その人族の話を聞いて俺はどうすれば良いのだろうか?
「その人族はワタルの大好きな美人剣士なんだけど・・・無理なら仕方ないわ」
「な!美人剣士!・・・仕方ないですね。ドリュアス様にお願いされたら断れません」
「そう!良かった!それじゃお願いするわね!」
「ワタル・・・チョロすぎるわよ・・・」
ファンタジー物のラノベの定番美人剣士。物語の終盤で覚醒し無双する設定が大好きな俺としては無視できない。
さすがにくっころ剣士ではないと思うが、話してみようじゃないか!
俺はウェンディの呆れた目を無視してドリュアス様のお願いを聞き入れた。
・・・・・・・・・
そんな美人剣士は重度の中二病を発症している。やはり現実とはこんなものだろう。
「ところでワタル殿」
俺がアリシアさんとの付き合い方を考えていると
「今夜の予定は空いているだろうか?」
「ええ・・・特に予定はないですよ」
「それでは私とデートをしようではないか?」
「はい?」
デートのお誘いを受けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
面白い、続きが気になるという方はいいねや感想を頂ければ嬉しいです♪
「ん?おお!ワタル殿ではないか!会いたかったぞ!」
木の精霊教会のドリュアス様の像の前で堂々とした態度でアリシアさんが立っていた。
まさかここに俺が来ることを知っていてずっと待っていたなんて事はないだろうな・・・
「マシューからワタル殿の話を聞いているぞ!今日もここに来ると聞いて待っていたんだ!」
待っていやがった!
「な、なんでマシューさんを知っているんですか?」
「それは私がここで剣術を教えているから知っていて当然だ!まぁ臨時の先生だがな」
「まじかよ・・・」
何たる偶然・・・いやアリシアさんはこの教会兼剣術道場に元からいて、俺を見かけて後を付いてきたのだろう。
するとドリュアス様が言っていた人物とはアリシアさんのことだったのか・・・
「ふむふむ・・・すると私とワタル殿は先生と生徒ということになるな・・・別にじっくり話をするのは問題ないはずだ・・・」
「いやいや、俺に問題があるのですが」
「まぁワタル殿に興味があるのは否定しないがちゃんと剣術は教えるから安心してくれ!」
「いやいや、安心できないのですが」
「さて!時間がもったいない。早速始めようじゃないか!」
この人話を聞かないタイプだ。
・・・・・・・・・
「ほぉー!なんとも興味深い武器を使っているじゃないか!」
「いや別に普通の・・・いや普通じゃないバットですけど・・・」
「何を言う!この素晴らしい木材の光が武器の良さを体現している!」
「え?そ、そうですか?へへへ・・・実はこれは俺が作ったんですよ。周りにはバカにされてますけど、分かる人なら分かるのかな?」
さて、俺とアリシアさんは道場の庭に来ている。
早速剣術を教えてくれるというアリシアさんに引っ張られて連れてこられたのは、昨日子供たちと汗を流した所だ。
今日は剣術の稽古は休みのようで庭には俺とアリシアさんしかいない。
「なんと!自分で作ったのか!是非私もお願いしたい!」
「ええ・・・良いですよ!最近木の幼霊の扱いに慣れてきたので」
「・・・それはすごいじゃないか!」
「アリシアさんも剣を持っていますよね。背中に背負っていたやつ見せてくださいよ!」
「ああ良いぞ!あまり人には見せないが特別だぞ」
俺はトゲバットを褒められてテンションが上がっている。やはり人は褒められて伸びると思う。
「これだ!」
「・・・ん?これって・・・」
アリシアさんはシュルシュルと布を巻き取り一振りの剣を取り出した。
「銘は妖精剣ディープシーオブツリー。おっと迂闊に触るなよ!どうなるか私にも分からないからな。剣の機嫌次第で細切れになってしまうぞ」
「あの~それって・・・ただの木刀ですよね・・・」
なんか自慢げに取り出した剣はただの木刀だ。目利きでも「ただの木刀」としか出ていない。
「な、なんて事を言うんだ!妖精剣ディープシーオブツリーの機嫌を損ねたら殺されるぞ!」
「あーこういう人なんだ・・・」
アリシアさんは遅れてやって来た中学2年生の病気だ。しかもこじらせてしまっている。あまり否定しても可哀想だ・・・
「へぇーどこで手に入れたんですか?」
「良くぞ聞いてくれた!これは木の妖精ノーミー様のいる始まりの森で取ってきた物を加工してもらったのだ!きっと素晴らしい効果があるだろう」
おう・・・拾ってきた木を加工して木刀にしただけか・・・しかも自分でも効果が分からない木刀を持っているとは・・・かなり重症だ・・・
「そ、そうですね・・・」
きれいな金髪を後ろでまとめ、少しつり目がちな大きな緑色の瞳をこちらに向けるアリシアさん。
黙っていれば、その容姿に誰もが振り向くだろう。凛々しいその姿は、近寄りがたい高貴なオーラを醸し出し、学校にいれば生徒会長タイプでバレンタインデーにはたくさんの女の子からチョコを貰えそうなキャラだ。
しかし、残念ながらなかなかの中二病を発症している。
「さてどうしたものかな・・・」
俺はこの美人女剣士の付き合い方を考えていた。
・・・・・・・・・
「今度は妖精ではなくて人族の話を聞いてもらいたいのよ」
「人族ですか?」
時は少し遡り俺が初めてのこの木の精霊教会を訪れた時の話だ。
マシューさんの勧誘を断り、司祭兼剣術師範を待っている時に突然現れたドリュアス様のお願いを聞いている。
「そう・・・ここで剣を教えている女の人族よ」
「あのー俺がどうにかできるとは思わないのですが・・・彼女なんかいたこともないし・・・」
「それは知っているわ!」
「即答した!なぜ知っているのですか?」
「ウフフ・・・乙女の秘密を聞いては駄目よ」
「流された・・・」
しかし、その人族の話を聞いて俺はどうすれば良いのだろうか?
「その人族はワタルの大好きな美人剣士なんだけど・・・無理なら仕方ないわ」
「な!美人剣士!・・・仕方ないですね。ドリュアス様にお願いされたら断れません」
「そう!良かった!それじゃお願いするわね!」
「ワタル・・・チョロすぎるわよ・・・」
ファンタジー物のラノベの定番美人剣士。物語の終盤で覚醒し無双する設定が大好きな俺としては無視できない。
さすがにくっころ剣士ではないと思うが、話してみようじゃないか!
俺はウェンディの呆れた目を無視してドリュアス様のお願いを聞き入れた。
・・・・・・・・・
そんな美人剣士は重度の中二病を発症している。やはり現実とはこんなものだろう。
「ところでワタル殿」
俺がアリシアさんとの付き合い方を考えていると
「今夜の予定は空いているだろうか?」
「ええ・・・特に予定はないですよ」
「それでは私とデートをしようではないか?」
「はい?」
デートのお誘いを受けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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