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第一章 妹との別れ、妖精との出会い
第8話 俺と契約してくれないか?
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・・・ブツブツ
「うわ~まじか~。これじゃ異世界転生の魅力半減じゃね~か~」
・・・グチグチ
「ダダの魔力タンクって、どうすりゃいいんだよ~。こんなチンチクリンみたいなヤツとキャッキャッうふふすればいいのか?」
俺は、ウェンディから魔法が一切使えない体であることを聞かせてから、木の陰に体育座りをして呟いていた。
「いい加減にしなさいよ!別に魔法が使えなくてもいいじゃない!それに最後のチンチクリンって誰のことよ!」
ウェンディは俺の周りをブンブン飛びながら慰めていたり、罵倒したりしている。
「ウェンディはわからないかもしれないが、異世界ライトノベルは魔法が使えるものなの!主人公はチート魔法で無双する設定なの」
俺は謎の理論を展開する。
「言っていることが全くわからないわ。こんなかわいい妖精が色々サポートしてくれんだから感謝しなさいよ!」
ん?妖精?サポート?
・・・・・・これだ!
ガバッ!
「何?突然立ち上がって?」
「ウェンディさん?」
「さん?」
「俺と契約してくれないか?」
「はぁーーー!?」
そうだよ。確かウェンディは妖精と契約すれば回路を肩代わりしてくれると言った。
つまり俺がウェンディと契約すれば魔法を使えるということだ。
「絶対にいやよ!なんであなたなんかと契約しないといけないのよ」
「そこを何とか!俺に残された道はこれしかないんだ!」
俺は必死に懇願する。「妖魔の森」は魔獣や獣が多くいるという。魔法が使えないと序盤で詰んでしまうだろう。
説得すること数分。ウェンディは契約するのは嫌だが、妖精と契約する方法だけ教えてくれることになった。
「仕方ないから今後妖精と出会ったときの為に、契約方法を教えておくわ。条件は3つ!」
「よろしくお願いします」
ウェンディは人差し指を立てる。
「1つ目は、妖精があなたに興味を持つこと。それであなたも興味を持つこと。要は仲良くなることね」
ふむふむ。契約を交わすうえで大切だろう。
「2つ目は、妖精との繋がりを強く意識すること。魔力をじっと見たり、どんな波長か気になったりすることね」
「繋がりね~」
何故か俺はウェンディとの繋がりを意識してしまう。まぁ口うるさいやつだが、何となく話していると楽しい。
その時、自分の右手の甲に違和感を感じた。
見ると青い文様が浮かんでいる。
「なんだコレ?」
青い文様はしばらくすると消えた。
ふと気づく。これが契約するってことかもしれない。
「な、な、ななんでーー!!!」
「ウェンディ、俺と契約できたっぽいぞ。やったな!」
大きな目を見開き、驚愕の声を上げるウェンディに言った。
「いやーー!!!」
・・・・・・・・・
ブツブツ
「なに?一体何が起こったの?どうして私はあいつと契約してるの?あいつは特殊能力でもあるの?」
グチグチ
「いくらガンテツ様の息子だからって、いきなり女の子の手を取って振り回すヤツよ。変態じゃない。」
ブチブチ
「それにおかしいわ。3つ目の条件は成立してないはず。あ、あ、あいつとキ、キスをした覚えなんか・・・」
なんか俺のときより長く落ち込んでるな。別に契約したくらいであんなに落ち込まなくてもいいだろ。
「あーーー!!!したわーー!!!」
「だーーー!!!何をーーー!!!」
ビックリした突然ウェンディが叫びだした。
ボソボソ
「あいつに解剖しようとウィンドカッターをぶつけようとした時、顔にぶつかったわ!まさかあれがキス判定なの?」
「きっとそうだわ。最悪・・・妖精は生涯で一度きりしか契約できないのよ。つまり私は七星ワタルと・・・」
「あの~せっかく契約出来たんだからいいじゃないか。俺も魔法使えんだろう?」
「か、仮よ。」
「な、なに?」
「だからあなたとは仮契約だっていってんの!」
なにか理由が分からないことを言っているぞ。
「そのまんまの意味よ!あなたとはお試し期間で契約するから勘違いしないでよ!分かった?良かったわね!これで風魔法が使えるわよ!」
「お、おう。」
仮でもなんでも魔法が使えるならいいや。
「それじゃよろしくなウェンディ」
差し出した俺の手を、ウェンディは渋々チョンと触れた。
契約は成立したらしい。
「それはそうと、三めの条件って何なんだ?それがないから仮なのか?」
「えーと・・・あ、相手の体の一部に触れることよ」
「なんだ。そんなことか。でもだったらなんで仮なんだろ?」
「うるさい!仮りったら仮契約なの!!」
なんでこんなにウェンディは怒っているんだ?
「「妖精との契約は別名「愛の契り」と呼ばれている。契約できるのは生涯に一度きりで、同性だったら親愛の証、異性だったら夫婦の誓いとも呼ばれている。
契約の条件は
1・お互いに興味を持って仲良くなる
2・お互いの繋がりを意識する
3・キスをする
妖精界でも、人間界でも多くの劇や小説の題材となり恋愛物の定番である」」
アトランティス百科事典 「妖精との契約」より
「うわ~まじか~。これじゃ異世界転生の魅力半減じゃね~か~」
・・・グチグチ
「ダダの魔力タンクって、どうすりゃいいんだよ~。こんなチンチクリンみたいなヤツとキャッキャッうふふすればいいのか?」
俺は、ウェンディから魔法が一切使えない体であることを聞かせてから、木の陰に体育座りをして呟いていた。
「いい加減にしなさいよ!別に魔法が使えなくてもいいじゃない!それに最後のチンチクリンって誰のことよ!」
ウェンディは俺の周りをブンブン飛びながら慰めていたり、罵倒したりしている。
「ウェンディはわからないかもしれないが、異世界ライトノベルは魔法が使えるものなの!主人公はチート魔法で無双する設定なの」
俺は謎の理論を展開する。
「言っていることが全くわからないわ。こんなかわいい妖精が色々サポートしてくれんだから感謝しなさいよ!」
ん?妖精?サポート?
・・・・・・これだ!
ガバッ!
「何?突然立ち上がって?」
「ウェンディさん?」
「さん?」
「俺と契約してくれないか?」
「はぁーーー!?」
そうだよ。確かウェンディは妖精と契約すれば回路を肩代わりしてくれると言った。
つまり俺がウェンディと契約すれば魔法を使えるということだ。
「絶対にいやよ!なんであなたなんかと契約しないといけないのよ」
「そこを何とか!俺に残された道はこれしかないんだ!」
俺は必死に懇願する。「妖魔の森」は魔獣や獣が多くいるという。魔法が使えないと序盤で詰んでしまうだろう。
説得すること数分。ウェンディは契約するのは嫌だが、妖精と契約する方法だけ教えてくれることになった。
「仕方ないから今後妖精と出会ったときの為に、契約方法を教えておくわ。条件は3つ!」
「よろしくお願いします」
ウェンディは人差し指を立てる。
「1つ目は、妖精があなたに興味を持つこと。それであなたも興味を持つこと。要は仲良くなることね」
ふむふむ。契約を交わすうえで大切だろう。
「2つ目は、妖精との繋がりを強く意識すること。魔力をじっと見たり、どんな波長か気になったりすることね」
「繋がりね~」
何故か俺はウェンディとの繋がりを意識してしまう。まぁ口うるさいやつだが、何となく話していると楽しい。
その時、自分の右手の甲に違和感を感じた。
見ると青い文様が浮かんでいる。
「なんだコレ?」
青い文様はしばらくすると消えた。
ふと気づく。これが契約するってことかもしれない。
「な、な、ななんでーー!!!」
「ウェンディ、俺と契約できたっぽいぞ。やったな!」
大きな目を見開き、驚愕の声を上げるウェンディに言った。
「いやーー!!!」
・・・・・・・・・
ブツブツ
「なに?一体何が起こったの?どうして私はあいつと契約してるの?あいつは特殊能力でもあるの?」
グチグチ
「いくらガンテツ様の息子だからって、いきなり女の子の手を取って振り回すヤツよ。変態じゃない。」
ブチブチ
「それにおかしいわ。3つ目の条件は成立してないはず。あ、あ、あいつとキ、キスをした覚えなんか・・・」
なんか俺のときより長く落ち込んでるな。別に契約したくらいであんなに落ち込まなくてもいいだろ。
「あーーー!!!したわーー!!!」
「だーーー!!!何をーーー!!!」
ビックリした突然ウェンディが叫びだした。
ボソボソ
「あいつに解剖しようとウィンドカッターをぶつけようとした時、顔にぶつかったわ!まさかあれがキス判定なの?」
「きっとそうだわ。最悪・・・妖精は生涯で一度きりしか契約できないのよ。つまり私は七星ワタルと・・・」
「あの~せっかく契約出来たんだからいいじゃないか。俺も魔法使えんだろう?」
「か、仮よ。」
「な、なに?」
「だからあなたとは仮契約だっていってんの!」
なにか理由が分からないことを言っているぞ。
「そのまんまの意味よ!あなたとはお試し期間で契約するから勘違いしないでよ!分かった?良かったわね!これで風魔法が使えるわよ!」
「お、おう。」
仮でもなんでも魔法が使えるならいいや。
「それじゃよろしくなウェンディ」
差し出した俺の手を、ウェンディは渋々チョンと触れた。
契約は成立したらしい。
「それはそうと、三めの条件って何なんだ?それがないから仮なのか?」
「えーと・・・あ、相手の体の一部に触れることよ」
「なんだ。そんなことか。でもだったらなんで仮なんだろ?」
「うるさい!仮りったら仮契約なの!!」
なんでこんなにウェンディは怒っているんだ?
「「妖精との契約は別名「愛の契り」と呼ばれている。契約できるのは生涯に一度きりで、同性だったら親愛の証、異性だったら夫婦の誓いとも呼ばれている。
契約の条件は
1・お互いに興味を持って仲良くなる
2・お互いの繋がりを意識する
3・キスをする
妖精界でも、人間界でも多くの劇や小説の題材となり恋愛物の定番である」」
アトランティス百科事典 「妖精との契約」より
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