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第一章 妹との別れ、妖精との出会い
第2話 過去の話
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今から少し過去の話をしよう。あー今では俺の人生そのものになってしまったな。
俺は七星ワタル。享年27歳。
トラック運転手の父ガンテツと専業主婦だった母サツキの長男だ。
3歳下に妹のハルカがいる。
自由奔放で豪快な親父と朗らかでいつも俺と妹を優しく包んでくれた母さん。(どうしてこの二人が結婚できたのか今でも不思議だ)それと引っ込み思案で甘えん坊の妹。
ありふれた家庭で普通に育って、それなりに幸せに暮らしていた俺に最初の転機が訪れたのが18歳のとき。
母さんが死んだ。
もともと体が弱い母さんが癌であることがわかり、病院に入院してから三ヶ月後に旅立った。
「ごめんねワタル。ハルカをよろしくね」
「な、な、何いってんだよ。」
母さんが亡くなる数日前のそんな言葉に、俺は励ましの言葉もかけてあげられなかった。
母さんの葬式にはたくさんの人が来てくれた。やっぱり母さんは色々な人に愛されていたんだと実感する。
「ワタル強く生きろ!ハルカを守ってやれ!」
「・・・ああ」
泣きじゃくる俺とハルカに、親父は言った。
親父は子供たちの前では泣いていなかった。
今では子どもたちを不安なさせないためと理解できる。
しかし、当時の俺はそんな姿に
「親父は悲しくないのかよ?」
「もちろん悲しいさ。でも、俺はまた会えるからな」
「は?」
親父は何を言ってるんだ?
「ああ・・・俺は母さんが死んでもいつも一緒ということさ」
それから二年の月日がたち、俺は20歳になり大学生なった。
母さんが死んでしばらく塞ぎ込んでいた妹も、立ち直り高校に通っている。
「お兄ーちゃんごちそうさま。行ってきます!」
「ハルカ何かトラブルがあったら連絡するんだぞ」、「最近、ストーカー事件があったから男には気をつけろよ!」、「お前はモテるんだから、男に気のある素振りをするなよ!」、「そこから男が勘違いをして・・・」
「わかってるよ!もう毎日言われなくても大丈夫だよ!遅刻するから行くね!」
「いや待て待て。俺の教育的指導はまだ終わってないぞ!」
「行ってきます」
バタン!タッタッタッ
「・・・ああ。気を付けてな」
勢いよく閉まったドアを見つめ、つぶやく。
「ふぅ~俺はハルカを守っていけてるかな母さん」
母さんが死んで一変した生活もだんだん慣れてきた。
職業柄ほとんど家にいない親父の代わりに、食事、洗濯、掃除などをこなしながら、なんとか暮らしている。
母さんがいない生活は、もちろん寂しい。
でも、俺にはハルカを守る役割がある。しっかりしないといけないのだ。
そんなある時、二度目の転機が訪れる。
親父が失踪したのだ
たまに帰って来ては、しばらく家にいてまた仕事に行く親父。
「ワタル。今度は少し長距離になるから、家をよろしくな」
「ああ。」
その日もいつも通り仕事に出かけていった親父は、いつまでも帰ってこなかった。
何も連絡がないまま一ヶ月、二ヶ月と帰ってこない親父。その間に親父の会社の方も連絡がつかず、警察にも捜索願を出した。
「クソッ!どこに行きやがったんだ」
「お父さんどこに行っちゃったの?」
「わからん。」
不安と苛立ちだけが過ぎていった。
そして、半年が過ぎた頃。
「なぁハルカ。俺は大学を辞めてきた。来週から仕事に行く」
「えっ?なんで?どうして?」
「親父は帰ってこないし、このままだと生活費も底をつく。へんな話、親父が死んでいればいろんな保障をもらえるが、失踪しただけだとそれも無理だ」
幸い今は、俺は家計の管理をしていてたので、生活費の心配はいらない。
「だ、だったら私も高校をやめて働く。お兄ちゃんと一緒に頑張ろうよ」
ああ、やっぱりハルカは優しい子だ。将来へんな男に騙されないでほしい。
「だめだ!お前は看護師になる夢があるだろう。高校をやめてしまったらその夢が遠のくぞ!」
「そうかもだけど・・・でも・・・」
「大丈夫だ。お兄ちゃんに任せろ!バイト先の伝手で高卒でも働けるところを紹介してもらったんだ。」
「う、うん。私もバイトする。家事も頑張るよ」
「ありがとう。何も心配ない。きっとうまくいくさ」
美人で家事もできるハルカになってしまったら、どうなってしまうんだ。やっぱりお兄ちゃんは心配だ。
俺は七星ワタル。享年27歳。
トラック運転手の父ガンテツと専業主婦だった母サツキの長男だ。
3歳下に妹のハルカがいる。
自由奔放で豪快な親父と朗らかでいつも俺と妹を優しく包んでくれた母さん。(どうしてこの二人が結婚できたのか今でも不思議だ)それと引っ込み思案で甘えん坊の妹。
ありふれた家庭で普通に育って、それなりに幸せに暮らしていた俺に最初の転機が訪れたのが18歳のとき。
母さんが死んだ。
もともと体が弱い母さんが癌であることがわかり、病院に入院してから三ヶ月後に旅立った。
「ごめんねワタル。ハルカをよろしくね」
「な、な、何いってんだよ。」
母さんが亡くなる数日前のそんな言葉に、俺は励ましの言葉もかけてあげられなかった。
母さんの葬式にはたくさんの人が来てくれた。やっぱり母さんは色々な人に愛されていたんだと実感する。
「ワタル強く生きろ!ハルカを守ってやれ!」
「・・・ああ」
泣きじゃくる俺とハルカに、親父は言った。
親父は子供たちの前では泣いていなかった。
今では子どもたちを不安なさせないためと理解できる。
しかし、当時の俺はそんな姿に
「親父は悲しくないのかよ?」
「もちろん悲しいさ。でも、俺はまた会えるからな」
「は?」
親父は何を言ってるんだ?
「ああ・・・俺は母さんが死んでもいつも一緒ということさ」
それから二年の月日がたち、俺は20歳になり大学生なった。
母さんが死んでしばらく塞ぎ込んでいた妹も、立ち直り高校に通っている。
「お兄ーちゃんごちそうさま。行ってきます!」
「ハルカ何かトラブルがあったら連絡するんだぞ」、「最近、ストーカー事件があったから男には気をつけろよ!」、「お前はモテるんだから、男に気のある素振りをするなよ!」、「そこから男が勘違いをして・・・」
「わかってるよ!もう毎日言われなくても大丈夫だよ!遅刻するから行くね!」
「いや待て待て。俺の教育的指導はまだ終わってないぞ!」
「行ってきます」
バタン!タッタッタッ
「・・・ああ。気を付けてな」
勢いよく閉まったドアを見つめ、つぶやく。
「ふぅ~俺はハルカを守っていけてるかな母さん」
母さんが死んで一変した生活もだんだん慣れてきた。
職業柄ほとんど家にいない親父の代わりに、食事、洗濯、掃除などをこなしながら、なんとか暮らしている。
母さんがいない生活は、もちろん寂しい。
でも、俺にはハルカを守る役割がある。しっかりしないといけないのだ。
そんなある時、二度目の転機が訪れる。
親父が失踪したのだ
たまに帰って来ては、しばらく家にいてまた仕事に行く親父。
「ワタル。今度は少し長距離になるから、家をよろしくな」
「ああ。」
その日もいつも通り仕事に出かけていった親父は、いつまでも帰ってこなかった。
何も連絡がないまま一ヶ月、二ヶ月と帰ってこない親父。その間に親父の会社の方も連絡がつかず、警察にも捜索願を出した。
「クソッ!どこに行きやがったんだ」
「お父さんどこに行っちゃったの?」
「わからん。」
不安と苛立ちだけが過ぎていった。
そして、半年が過ぎた頃。
「なぁハルカ。俺は大学を辞めてきた。来週から仕事に行く」
「えっ?なんで?どうして?」
「親父は帰ってこないし、このままだと生活費も底をつく。へんな話、親父が死んでいればいろんな保障をもらえるが、失踪しただけだとそれも無理だ」
幸い今は、俺は家計の管理をしていてたので、生活費の心配はいらない。
「だ、だったら私も高校をやめて働く。お兄ちゃんと一緒に頑張ろうよ」
ああ、やっぱりハルカは優しい子だ。将来へんな男に騙されないでほしい。
「だめだ!お前は看護師になる夢があるだろう。高校をやめてしまったらその夢が遠のくぞ!」
「そうかもだけど・・・でも・・・」
「大丈夫だ。お兄ちゃんに任せろ!バイト先の伝手で高卒でも働けるところを紹介してもらったんだ。」
「う、うん。私もバイトする。家事も頑張るよ」
「ありがとう。何も心配ない。きっとうまくいくさ」
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