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5歳編

こ、国王様!?

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この部屋に来てから数時間が経ち、神官がやって来ました。
「長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。」
「なぜ、私たちは集められたのでしょうか?」
ユウマが私達全員が思っていたことを聞きました。
一応私たちの考えも出しましたが、聞いてみないと不安なのです。
ちなみに、私たちは、
例年より属性が多かった人
という集まりでは?という考えになりました。
「はい、その事ですが、皆様気になっているとは思いますが、
その話は、別の場所で詳しく聞いてもらうことになっていますので、
私からは答えられません。申し訳ございません。」
「いや、いい。答えられないのなら仕方が無い。
それなら、ほかの質問に答えてくれるかい?」
「はい。質問によっては答えられないのもありますが、
私で答えられるものがありましたら答えます。」
「それじゃあ、1つ目。
私達は、例年よりも属性が多いですか?
また、私達のように今までで属性が5属性以上の人が複数出たことはありますか?」
「皆様は、例年よりも属性は多いです。
そして、今までで、5属性以上の人が複数出たことは、
1回だけあります。」
「ふむ。つまり、事例はあると?」
「はい。
ですが、あまりにも昔のことなので、
何人居たのかや、なんの属性で何が原因なのかは分かりません。」
「ありがとう。
それでは、2つ目。
今回のことを貴方達神官はどう思っていますか。」
「私達神官は、なにかの予兆ではないか、や、これは、神からの使いだ、などと考えているものが多いです。」
「では、3つ目。
私達には、他の貴族達や国の民たちに危険視され、怖がられたりする可能性があるかどうか。」
「可能性はあるかと思います。
ですが、国の民たちは、怖がったりしないかと思われます。」
「ほぅ。その根拠は?」
「私は、貴族の出ですが、知り合いに、国の民、いわゆる庶民の人がいます。
その知り合いが、魔力量とか属性の数とか気にしない人で
、庶民たちはそうゆうことはあまり無関心なんだ、と聞きましたので、
これが根拠だと言えます。」
「なるほど。ありがとう。」
「最後に、4つ目。
私達の生活が制限されたりしませんか?」
「はい。教会では、独自の成長を期待する、ということになりましたので、制限はしません。
ですが、国王がもしかしたら、制限をかけるかも知れません。」
「ふむ、ありがとう。質問は以上です。」
「では、私からの説明をお聞きしていただいてよろしいでしょうか?」
「ああ。」
「皆様はお分かりいただいてると思いますが、今年は例年よりも属性が多い人が出ています。
そして、今ここに集まっていただいている、
ハースウェルト伯爵令嬢様、ランゼット侯爵令嬢様、フリーゲン公爵令息様、
フーレインド公爵令嬢様、ユウマリーク王子殿下
は、その中でも特に属性が多かった人達です。」
ええ、そこまでは私達でも考えられました。
「その事は、もちろん国王様にもお伝えしております。
先程まで、国王様からの返事が来るまで待っていただいておりました。」
ふむふむ、なるほど。
「国王様からの返事が、先程届きましたので、私がこちらにお伺いしました。」
「なるほど。それで、お父様からの返事の内容は?」
「国王様は、皆様にお会いしたいと、申しており、
ユウマリーク王子殿下に連れて来い、と伝えろ、
と申しておりました。」
「はあー。それ以外に言葉はなかったのか…」
ぇぇぇぇ!?原因は国王様あぁぁ!?!?
な、なんで、そんなにユウマは冷静なの!?
国王様だよ!?
それに、これから国王様にお会いするんだよ??
「みんなごめんね。お父様はいつも気になるとすぐに会おうとするんだよ。はぁ。」
いつも!?
なるほど。ユウマはもう慣れたということかな?
おつかれ!ユウマ。
私のそんな、励ましを込めた視線に気づいたユウマが、
わかりやすく落ち込みました。
「スカーレット、ありがとう。」
少し微笑んだが、目が笑っていなかった。
「そういうことですので、国王様に会って頂きたいのですが。」
「畏まりました。侍女に、一応家に報告させてもよろしいでしょうか?」
「構いませんよ。」
ほぅ。良かった。
家に連絡しないと、お父様が帰ったときに凄くうるさくなるから、
伝えなければならませんからね。
皆も、侍女や執事に、家に報告させたようです。
「それでは、皆様。
馬車にお乗りいただいてよろしいでしょうか。」
「「「「「はい(ああ)。」」」」」




そうして、スカーレット達5人は、馬車に乗り、国王様のいる王宮へと向かっていったのだった。







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