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5歳編

チート出ました!?

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「ランゼット侯爵令嬢様、前に。」
「はい。」
いよいよリナの測定の順になりました。
リナが神官の近くまで行き終わると、神官が、
「水晶にお手を。」
と言い、それを聞いたリナは、
「はい。」
と言って水晶に手をかざしました。
すると、先程騒がれていたハースウェルト伯爵令嬢の時の、倍以上強く光りだしました。
そして、魔力は、赤と青と水色と緑と黄緑と白と橙色の、
合計7属性でした。
こ、これは、かなりチートですね💧
光も強く光っていましたし、かなりの魔力量を持っているようです。
「な!7属性!?それにこれほどの光………さっきも5属性も出たし、
今年の子供は一体どうなっているんだ!?」
神官は、あまりにも驚いたようで、
本当は言ってはいけない測定結果を、大声で叫んでいました。
それを聞いた、他の神官や、令息、令嬢たちが、
慌てだしたり、話し始めました。
この、周りの状況にリナは、
滅多に出ない7属性保持者だった事への喜びと、
周りの大げさな(7属性の人が出たら大げさにもなるが)反応への不安で、
いっぱいいっぱいになっていました。
「こほんっ。神官たち測定の続きをしないのかね?」
そんな中、ユウマが神官たちに続きをするように促しました。
流石ですわね。
このユウマの言葉で神官たちがは、はっ!と我に返ったらしく、
慌てて続きをする準備をしだしましたわ。
「流石ですわね。ユウマリーク殿下」
素直に私がそう言うと、ユウマは、
「そうかい?神官たちが準備をしてくれないと私たちの測定が一向に始まらないからね。」
「まあ、確かにそうですわね。
でも、ユウマリーク殿下は、驚かれなかったのですか?」
「私も驚いたよ。ミリナリア嬢の測定結果には。
でも、その前にミューズリー嬢の5属性も出ていたから、
もう、今年はなんでもありなのかな?って思って。」
「そ、そうなんですか。」
ふむ、これだと私の9属性が出ても別に驚かなそうですね。


あ、ちなみに、なぜ神官の声が、
他の令息や令嬢たちに聞こえたかと言うと、
大体の魔力量と保持している属性を調べると、
それぞれが案内された、
他のエリア(カーテンで仕切られた場所)に向かい、
加護や呪いなどを調べるためですわ。


「えー、失礼しました。
他の令息、令嬢たちの測定の続きを始めます。
なお、魔力と属性の測定は今しばらくお待ちください。」
新館のトップ?のような人が、教会の真ん中に行ってそう言いました。
ええー!まだ待たなくてはいけないのですかぁー?
はあー、早くしてよぉー。
「「はあ。」」
あれ?私以外にもため息を履いた人がいました。
ため息の聞こえた方を見ると、なんとユウマでした。
「どうかしましたか?ユウマリーク殿下」
「あはは、たぶんスカーレット嬢と同じだと思うよ。
スカーレット嬢もため息を履いたでしょ?」
「あら、バレてしまいましたか?
ユウマリーク殿下も、早く測定を行ってほしいのですね。
意外ですわ。」
そう、私が言うとユウマは驚いたようだ。
「そう?なんで?」
「だって、ユウマリーク殿下は、別に魔力とか魔法とか興味無さそうでしたので。」
ユウマはいつも、私が魔法の話をしても興味がなさそうに、
ニコニコと笑いながら頷いているだけで、
話に乗ってこないので、魔法とか興味無いのかなぁ?といつも思っていたのです。
「別に私も興味が無いわけじゃないよ?
ただ、魔法とか別にしなくても、
私の場合は体術もそれなりにできるから
必要性を感じないんだよ。」
「そうなんですか?
別に体術ができてもできなくても、
必要とか必要じゃないとか、関係ないんじゃないですか?」
「え?」
「だって、体術が出来るからと言って、
魔法を学んではいけないということは無いのですし、
逆に体術ができなくても、
魔法が出来ていればそれなりのことは大抵できますし。
体術も魔法もできていたとしたら、
それは、誇れることじゃないんでしょうか。
私はそう思いますわ」
「そ、そっか。それもそうだね。
流石だね、スカーレット嬢。」
「?何が流石なのですか?」
「別に、スカーレット嬢は、
私の持ってない考えを持っていることかな。」
「そ、そうなんですか。」
また、私はおかしなことを言ったのでしょうか。




スカーレットは、
ユウマの持っていない考え=おかしな考え
と思ったらしく、何がおかしかったのかその後とてつもなく悩んでいた。
そんな姿にユウマは、笑うのに堪えるのに必死だった。











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