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4歳編

誕生日パーティーですわ!

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「この度は、我が娘の誕生日パーティーにお集まりいただきありがとうございます。」
という言葉からお父様が数分ほど挨拶をしていましたわ。





しばらく挨拶を続けていると、王子殿下が挨拶をしてきました。
その時は、
「初めまして、スカーレット嬢。お誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます。ユウマリーク王子殿下。」
という会話しかしませんでしたが、本日集まって下さった方達に挨拶を終わらせるとお父様が王子殿下と話しておいで、つまりは、王子殿下と仲良くなれ、と仰ってきましたわ。
正直、私は友達を作りたいのですが、お父様の目が怖いので仕方なく王子殿下のところへ向かいましたわ。
すると、王子殿下は、私に気が付き話をしに来てくださいましたわ。
というもの、気づいて話しかけてくださらなかったらどうしようかと迷っていたので完璧王子というのは本当なのですね。


えーと、説明しますわね?
今回のは社交界では無いのですけど周りの家の人に、ちゃんとマナーはしっかり学んでいますよ?というアピールをしなければなりませんので、社交界でのマナーにある、自分より上の位の人の場合は、自分から声をかけてはならない、つまりは、下の位の者は上の位の者に話しかけてもらえるまで待て、ということですわ。


「改めて、本日はお誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございますわ。」
「ん?話すの嫌?」
「?」
「いや、なんか僕と話すの嫌そうな顔をしてたから」
「え!そんなことありませんわ。」
「本当かい?」
う、目が怖いです!これは、本当のこと言うまで解放してくれなさそうですわね。
「はぁ、王子殿下にはお見通しなんですね。」
「やっぱり嫌なの?」
「いえ、王子殿下と話すこと自体は嫌ではないんですの。ただ、」
「ただ?」
「そのー、言い難いんですが私、まだ、友達がいないのでこのパーティーで友達作れないかなー?と思っていたので、そのー、」
「ああ!僕とだけ話してると友達を作れないってこと?」
「……はい。」
「ははは!!ふははははは!!!」
え!?ちょっ!何!?
「どっ、どうしました?」
「ん?ああごめんごめん。面白くて……くっ、ふふふ」
「何が面白かったんですの?」
「僕と話す人とか今まで下心が丸見えで、どうしたら僕に好かれるかとか、気に入ってもらえるかとかすごく気にしてたのに……くくっ」
ん?つまりどういうこと?
「僕と話すのが嫌な人とか居なかったし、それに、嫌な理由が友達ができないからとか……あははは!!!」
え、えーと、……ぼっ!!意味を理解すると、私は恥ずかしくなりすぎて顔が真っ赤になったことが自分でもわかりますわ。
「おや?照れた顔は可愛いのだな。」
「はぁ、お世辞はやめてください。それに、理由を言ったんですもの、ちゃんと私の友達作りに協力してくださいね?」
「あははは!!僕にそんな口聞く人なんて初めてだよ、くくっ。いいよ、協力してあげる。それに、」
「それに?」
「僕もスカーレット嬢の友達にならせてもらうよ。」
「え?……ええええ!!!!」
はっ!びっくりしすぎて、声を大きくしてしまいましたわ。









しかし、私は、このパーティーで王子殿下以外の友達を作ることは出来ませんでしたわ。うぅ~、友達欲しいよぉー。



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