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58-7 生徒会活動再び

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「ふ~~~~~~~~~~~~~ん」

「な、何ですかその言い方」

「いや、美智瑠って私から見ても超美少女じゃない?」

「あ、まあ……」

「そんな娘が目の前に居てしかも貴方に告白迄していて、しかも無防備で眠っていて、しかもこれもあって、何もしないとか……バカなの? それともそっちの、け、でもあるの?」
 目の前にあるコン……をヒラヒラさせる美智瑠のお姉さん……いや、あまりそう言うのを女性が男の前で……いや、何も言うまい。

「いや、俺はノーマルです」

「へーーあ、じゃあ、たたないとか?」
 嬉しそうに目をキラキラさせてとんでもない事を言ってのける美智瑠のお姉さん……立つって、いや、別に立てますけど!

「た!」

「勿論難しい方の字ね」

「く……いや、あの」

「じゃあ~~、お姉さんと試して見る?」

「いや、あのですね美智瑠のお姉さん」

「いやん、沙夜って呼んで~~」

「いや、あの……はあ……」


 結局美智瑠が起きる事はなく、美智瑠のお姉さんが帰ってきた。帰ってきたのはいいんだけど……

「ふふふ、じゃあ~~ちょっと美智瑠のお話しをしましょうか? 美智瑠はね、凄く真っ直ぐな子なのよ」

「まあ、そうですね」

「うん、私がね彼氏をとっかえひっかえしていたのを見て、私の事を凄く嫌っていたと思うの、まあまだ小さかったって事もあったしね」

「とっかえひっかえって……」

「だから……あの子が私に頭を下げて一緒に暮らしてくれって言った時正直驚いたの、理由を聞いたら好きな人と一緒にいたいからって、しかも初恋の相手だって」

「……」

「私……それを聞いてキュンってなっちゃった、ああ、この子はいい子だなって……私も真面目に生きないとって思わされたわ。そして美智瑠の好きな人ってどんな人なのか凄く興味があった。今日の貴方を見て、成る程ってね思ったわ」

「普通ですよ俺は」

「普通じゃないわね……美智瑠が無防備でいられる相手、そしてそんな状態の美智瑠に何もしないとか、全然普通じゃない」

「寝ている間とか、俺にそんな趣味はありません!」

「寝ている王女に口づけをした王子様は変態と?」

「知りませんよ、おとぎ話でしょ」

「おとぎ話から出てきた様な子でしょ美智瑠って」

「容姿は確かにそうかもしれません……けど美智瑠は普通の子ですよ……ちょっと真面目で不器用で」

「周りはそうは見てくれない、美智瑠は今までそうやって周りから見られてきたの……私ね、こう見えてモテたのよ結構、まあそこそこ努力もしたけどね。だから自分の容姿にはそれなりに自信はあったのよ……でも……あの子が妹になった時に思った。ああ、努力でどうにもならない事もあるんだなって、そしてあの真っ直ぐな性格……」

「嫌いだったと?」

「まあ、そうかな? 家に彼氏を連れて来ると、必ず美智瑠の事を聞かれたわ、ロリコンどもめ」

「ああ、まあ……」
 年齢は聞けないが美智瑠が高1で沙夜さんが社会人、多分10才弱くらい差があるんだろう。

「でもね、今は凄く好きよ、可愛い可愛い妹……美智瑠の為なら何でもしてあげちゃいたいくらいにね」

「そうですか……」

「だからね貴方にお願いがあるの……美智瑠と付き合って上げて」

「は? えええええ?」

「あの子はね一途なのよ、そしてバカが付くほどに真っ直ぐなの、下手をすると一生貴方の事を思い続けるかも知れない……今の恋が、貴方のとの恋が実らなかったら、貴方が美智瑠を受け入れなかったら、未経験のまま一生独りで……そんなの可哀想でしょ?」

「いや……そんな事は」

「いや、あり得るわよ、だってあの子……バカだもん」

「まあ……そこは否定はしませんけど」

「貴方好きな人がいるの?」

「いや、まあ……いるにはいるんですが」
  妹としては好きだし愛してるけど、あくまでも妹としてはで……

「付き合ってるの? その娘と?」
 
「いや、まあ……一応?」
 別れていない以上付き合ってる……のかな?
 そろそろタイトル詐欺って言われそうだけど……

「よよよよよ、美智瑠……可哀想な……子」

「何ですかその演技力皆無の嘘泣き」

「だって貴方もバカ真面目でしょ? 浮気とかしなさそうだし」

「ああ、まあ……でも一応男だしそれは分からないって言うか」

「そうなの! じゃあ美智瑠の処女を貰って上げて!」

「は? 処! ば、バカですか! 貰える分け無いでしょそんなの!」

「なんだったら私も一緒に」

「あ、あ、アホか! そんな事」

「経験豊富なお姉さんと、未経験の妹のセット、どう?」

「い、いいい加減に」

「お姉ちゃん! いい加減にしろ! 裕、僕はもう大丈夫だから、明日は学校に行く、生徒会室で会おう!」

「み、美智瑠!」
 ダイニングキッチンの扉が突然開く、そこには目を覚ました美智瑠が憤怒の表情で仁王立ちしていた。
 うわ……あそこまで怒ってる美智瑠を見るのって……初めてかも。

「あん、美智瑠ちゃん、もう少しだったのにいいい」

「……お姉ちゃん……久しぶりに……お仕置き……ね」
 ニッコリと笑う美智瑠……天使の様な笑顔だその後ろからは怒りに満ちたオーラが、そして目は全く笑っていない……

「ひ、ひいいいいい! ご、ごめん、ごめんなさい、調子に乗りました美智瑠ちゃん許して」

「駄目、じゃあ裕また明日ね」
 俺にも笑顔の美智瑠だが……やはり目が笑ってない……明らかにもう帰れと……こわ!

「裕君、待って、た、助けてえええええ、美智瑠のお仕置きは、無理、駄目、怖い」

「いや、えっと……失礼します~~~~」

「いやああああああああああああああああ……」
 
「し、失礼します!!」

 俺は慌てて美智瑠の家を出た……いや、兄妹も色々あるけど、姉妹も色々あるんだな……雫もそうだけど……美智瑠も……

 しかし……あの姉貴……なんなんだったんだ一体……そして最後のお仕置きって……
 
 美智瑠の新たな一面が見られたのは良かったけど……
 でも、あいつ……ただのバカじゃないな……ひょっとしたら……バカな振りをしているのかも……
 

 「そんなわけ無いか」
 だいぶ時間も過ぎている。妹がイライラしながら待ってるだろう事は容易に想像が付く。

 俺は美智瑠のお姉さんと同じ目に遭わない様に急いで家路についた。






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