妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

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57-2 ハーレムの勧め

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 目を瞑った、もうだめだと………………あれ? 痛くない……生きてる?

 俺はゆっくりと目を開ける…………天井が見える……いつもの部屋の天井が……


 俺は寝ていた、妹を部屋に寝かせそのまま自分の部屋のベットに横になっていた。

「ゆ、夢かあああああああああああ」

 くっそ、夢落ちとか最悪だろうが……駄目作家が……

 俺は朦朧としながら、よく分からない事を考えつつゆっくりと起き上がる、あのケーキやっぱりブランデーの量尋常じゃ無いだろ……

 俺も軽く酔っていたのか? 少し横になり休むつもりがそのまま寝てしまっていた。

「でも……正夢か? 俺がこのままだとあんな未来も……」

 いやいやいやいや、無いから、ハーレムとか無いから……

 でも……そうだよな、こんな夢見るなんて……結構リアルだったよな、見たこと無いけど雫の裸……ああ俺……溜まってるのかなぁ。

 俺はベットマットレスの下に手を伸ばす…………とその時。

「お兄ちゃああああああああああああああん」

「うわあああああああああああああああああ」

 突如扉が開き妹が部屋に飛び込んで来た! 一瞬さっきの澪と妹がダブル、び、びっくりしたああああああ。

 勿論妹の手に刀は無い、当たり前だろ!

「お兄ちゃん? なんでそんなにびっくりしてるの?」

「いや、えっと、ノックだよ、ノックしようよ栞!」

「あ、ごめん、でも私いつの間に寝ちゃったの?、お兄ちゃん私と一緒にケーキ食べたよね? そこから記憶が無いの? 気が付いたら部屋のベットで寝てて……何か知ってる?」

「えっと、ああそう、あのケーキ、ブランデーがかなり入ってたみたいでさ、栞食べてそのまま寝ちゃったから俺が部屋まで運んだんだ」

「そうなの? ふーーん、そうか……なんだ夢かぁ」

「夢?」

「うんスッゴク、スッゴク幸せな夢見たの、スッゴクリアルで、ううう、夢かぁ……」
 凄くがっかりした表情の妹、一体どんな夢を見たのか、妹の幸せな事って何か……俺は思わず聞いてしまった。

「へえ、俺も今なんか変な夢見たんだ、栞はどんな夢?」

「え? お兄ちゃんとベロチューした夢!」

「………………」


「お兄ちゃん! 正夢にして、ほら!、ほら!!」
 目を瞑り口を尖らせる妹……ほらってなんだ! しねえよ!!

 駄目だ、やっぱり妹とキスなんか、ましてやベロ……なんてしたらマジで日常的になっちゃう、恐らく学校とかでも気軽にしてくるかも……、良かった、今回は夢と思ってくれて、本当に良かった。

「あ、お兄ちゃん、ほっぺににチョコ付いてるよ」

「え? どこ?」
 マジかそう言えば妹に顔を舐められたままだった、いや別にキスした余韻に浸ってたとかじゃないぞ!

  顔をペタペタ触りながらそう言うと妹は俺の隣に座り俺のほっぺを……舐めた!$!%@$

「うわあああああああああああああ」
 な、な、なんばしよっとね!

「もうなんでそんなに驚くの? ベロチューした訳じゃないのに、変なお兄ちゃん」

「いやだって、いやいやいやいや、おかしいって、いきなり舐めるとか」


「いいじゃん、大人デートの締めでほっぺにチューくらい、お兄ちゃんのほっぺ美味しそうなんだもん、食べちゃいたいくらいに」

 ペロリと舌なめずりをする妹、その仕草に、唇に、ピンクの舌にドキッとしてしまう……ああ、あれが俺の……

「それでお兄ちゃんはどんな夢を見たの?」

「え?」

「さっき変な夢を見たって」

「ああ、いや別に」

「なあに? エッチな奴?」

「ちが、違う!」

「私出てた?」

「え、あ、まあ……」

「本当! お兄ちゃんのエッチな夢に私出演! よしお兄ちゃん、お互い正夢に!」

「し、な、い、から!!」

「もう~~お兄ちゃんのケチい~~」

「ケチって……いや、えっといやね……俺って最低だなって夢」

「最低?」

「ああ、まあ簡単に言うと高校卒業して大学に入ってた、そんで栞や皆と、今の生徒会のメンバーと暮らしてた……一緒に」

「えええ! お兄ちゃん私と同じ大学入れたんだ!」

「おい!」

「えへへへ嘘だよ、大丈夫、私はお兄ちゃんと同じ大学に行くからね、何処でもね」

「いや、まあ……とりあえずそれは置いておいて……ってか頑張ります……はい、えっとな、栞はなんとも思わないのか? 皆と暮らしたって言われて」

「うーーん……楽しそう?」

「いやいや、ハーレムだぞ、本当のハーレムになった夢見てんだぞ? 怒る所じゃないのか?」

「怒る? なんで?」

「いや、だって……栞って俺の事……その……好きなんだろ?」

「うん! 大大大好き!!」

「うっ……あ、ありがとう……でも、だったら俺が他の人と一緒に暮らして怒らないか?」

「怒る? うーーん、嫉妬はすると思うけど、怒らないよ?」

「な、なんでだ?」

「えーーーー? だってお兄ちゃんが決めた事だもん、お兄ちゃんがそう決めた事なら私はそれに従うだけだよ」

「いや、でもそれは……そう、間違った事や悪い事でも従うって事だろ? そんなのって……」

「うーーん、そもそも間違った事って何?」

「え? いや、常識とか周りと違うとか」

「常識や周りと違う事をしたら間違った事なの? じゃあ私がお兄ちゃんを好きって事は間違いなの? だったらお兄ちゃんはどうして私の告白を受け入れたの?」

「え?」

「悪い事、間違った事、常識と違う事、私ね友達一杯居るでしょ、中には悪い事している子も居るの、でもね、本当に悪い子ってほとんど居ない、見方を変えればそれは良い事にもなったりもする、だからね私は私の常識、私の中の悪い事を信じる事にしているの、周りとは違う事もある、見て見ぬ振りをする時もある、勿論それが私の中で悪い事だと思ったら、周りに迷惑がかかる事だと思ったら、その子の為にならないって思ったら私は注意もするし怒ったりもする」

 俺の横で真っ直ぐに真っ直ぐに俺を見ながら語る妹、俺はそれを黙って聞いていた。


「私ね、お兄ちゃんをずっと見てきた、お兄ちゃんを今でも見続けている、そしてお兄ちゃんは凄い人だって思ってる、信じてる、信用してる、お兄ちゃんは私の常識、お兄ちゃんは私の正義、だからね、お兄ちゃんの言った事は真実なの、お兄ちゃんの決めた事は間違っていないの、だからねお兄ちゃんがそう決めたならそれは私が決めた事なの」

「お兄ちゃんが私の告白を受け入れてくれて、私はもうそれだけで幸せなの、私の常識はお兄ちゃんが決めてくれたの、絶対に駄目だって思ってた、怒られると思ってた、嫌われると思ってた、でも違った、私の中の常識が変わった、良いんだって、お兄ちゃんを信じていれば良いんだって、お兄ちゃんに付いて行けば良いんだって.お兄ちゃんの考えは私の考えだって、それが私の幸せになるんだって」

「栞……でも、じゃ、じゃあもし俺が……離れて暮らそうって言ったら? それも栞と同じ考えって事になっちゃうのか? 栞はそれで納得するのか?」

「うん、離れて暮らすよ、お兄ちゃんがちゃんと考えて出した結論なら、それは私の考えだから、もし別れてくれって言ったら別れるよ、お兄ちゃんがそう望んだなら、それに私は……し……たがう……だけ」

 真っ直ぐに見ている妹の目から、栞の目から涙が溢れ出す、ポロポロと涙が。

「ふぐう、か、悲しいけど……それが、もしお兄ちゃんが……、望んだなら、それが……結論なら……ふ、ふ……」

「ごめん栞!」
 俺は栞を抱きしめた、またやってしまった、また栞を悲しませてしまった。

「ふええええええええん」

「ごめん、言わないよそんな事絶対に言わない……だから……ごめん」

「ふ、ふえええん、う……ん、わか……ってる、でも……想像しただけで、悲しくて、ふええええええええん」

「ごめん、栞が俺を信用してくれているって分かってる、だから俺はそれに応える様に頑張る、栞の信用を裏切らない様に心がける」

「でもさ、俺だってまだ未熟なんだよ、間違った判断をするかも知れないんだ、だから二人で頑張ろうよ、おかしい事はおかしいって言い合おうよ、それが本当の信頼だと思うから」

「だからこれからも一杯話そう、色んな事を、そしてたまには喧嘩もしよう、間違ってるって、ね? 栞」

「うん……うん……お兄ちゃんと喧嘩……してみたい……じゃあ……あのねお兄ちゃん、一つ言ってもいい?」

「お! 早速来たか、いいぞ! 何でも言ってくれ!」

「あのね、前からずっと言いたかったんだけどね、この下にある本、マットレスの下に隠してある本って18禁の本だよね?、お兄ちゃんって18才じゃ無いよね?、じゃあ持ってちゃ駄目だよね?」


「う!! いや、それは……男って色々、その……えっと、それは……見逃してくれえ?」
 栞の為にでもあるんだぞ! いや、まあ俺の為なんだけど……

「色々なら、私を見ればいいんだよ! 兄妹でエッチな事をしちゃいけないって法律は無いんだから、ね? お兄ちゃん?」

「いやいやいやいや、それはその、常識的に」

「常識に捕らわれないお兄ちゃんが好き」

「いやいやいやいや」

「はい、じゃあお兄ちゃん、まずはベロチューから初めようね、うーーーーー」


「それは俺の常識外だからーーーー無理だからーーーー」
 口を尖らせるな、舌を出すな、子犬みたいで可愛いけど! しないから!!


「えーーーーじゃあそこの所をじっくりと、残りのケーキを食べながらじっくりと話そうね、お兄ちゃん」

「やーーめーーてーー」
 特にケーキはヤバい、あのケーキは、またあんな事になったら……

「あ、後お兄ちゃんの夢の話しもじっくりと聞かせてね、誰がどんな格好でどういう風にお兄ちゃんに接してたか、今後の参考にするから、私は何番めだったのかな? とかね」

「えええええええええ……」

「お兄ちゃんのハーレムのあり方と今後に付いてじっくりと話そうね」


 泣いたカラスがもう笑う、栞が満面の笑みに変わったのは良いんだけど、その代償はかなり大きい気が……いやハーレムとか無いから~~~~あんな未来も無いから~~~~


 そして休み明けそのハーレ……いや生徒会から生徒会役員外補佐という分けの分からない役職として俺と栞は初めて呼び出される事になる。



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