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51-14 妹の座争奪戦
しおりを挟む「皆ありがとう、いよいよ明日から学園祭が始まります」
会長がそう言って頭を下げる。
妹カフェの全ての準備が終了した。
前評判の高さから講堂丸ごと生徒会に与えられ半分をカフェ部分、残りの半分が行列スペースになった。
ちなみにこのカフェは前にも言ったが女性限定、今回の臨時生徒会は栞をはじめ、学校の美少女トップが一同に会するとあって男子から猛烈に抗議があったらしいが、元々女子高で今でも女子の権力が強い我が校、女子からの「ハイハイ」で敢えなく終了した。
ちなみにこう言う時友達少ないのが幸いしたのか、俺に直接抗議や交渉、何でお前は参加出きるんだ等、言いに来られる事は無かった……ああ助かった助かった………………はぁ……
「では二日間の成功を祈願して、店長の挨拶をお願いします」
店長……そう言われて俺は先生を見る……先生が俺を見つめている……
ん?
俺は視線を会長に移すと会長も俺を見つめている……
そしてさらに全員が俺を見つめる…………は?
「お、俺?」
俺がそう言うと全員がウンウンと頷くって……マジか
「な、何で? 店長って……普通責任者、会長か先生がやるんじゃ……」
「ここに皆集まったのは……集まってくれたのは私が呼んだからじゃない、裕君がいたから」
皆が会長のその言葉に頷く……
「最後迄皆を引っ張ってくれるのは、裕君しか居ないの、だから……お願いします」
会長が今度は俺に頭を下げる、えっと、いや……そんな事言われても
「私が元の生活に戻れたのも裕君のお陰、そして私の会長としての最後のお願い」
「最後?」
「私はこの学園祭で会長を引退します、次の選挙には立候補しません」
「え?」
皆が一斉に会長を見る、我が校初の1年生会長、そして初の2年連続の会長も間違いないと……正直俺は今回それを狙ってのこの学園祭の生徒会活動だと思っていた……でもそうか……良く考えたら彼女が次の会長になる意味はもう無い、元々は留学をする、しなくてはならないという感情を副会長に植え付けられ、恐らくは副会長の力を使って得た会長の座、しかし今や副会長も居ない、留学する理由も無い……
「私の、本当の私としての最初で最後の生徒会の仕事……偽物だったけどその私を選んでくれた皆への感謝と私じゃない私を選ばせてしまったお詫びとして、この学園祭は成功させたいの……」
そう言って会長は俺を見つめる、ううう嫌いなんだよ~~責任者とかって……でもこうやって正論で正面から頼まれると俺……弱いんだよ……
そして皆が俺を見つめる、ハイハイ分かったよ……
「分かりました、店長ですね、やりますよ、何をやるか分からないけど」
「あ、ありがとう~~~、勿論私も協力するからね、にいに~~~」
俺の腕に抱きつく生徒会長……あれ? これはいつものとは違うよな? 幼児化してない会長……やべえ
「かーーーーいーーーーーちょーーーーーうーーーーーー」
「うわわわわわわわ」
妹が、凄い形相でこっちに来たああああ、ああそんな顔したらファン投票取り消されるぞ……
(まもなく終了しまーす)
「栞さん、裕君が店長をするって言ったんだから、今から私達は裕君の妹になるの、だからいいでしょこれくらい」
「何ですかその言い分は、今、会長は皆の為にって言ったじゃないですか! それでどうしてお兄ちゃんの妹になるんですか! 皆の妹になるんじゃ無いんですか?!」
「えーーだって皆そんな気無いでしょ? 皆裕君の妹の座を狙って、その為に今迄頑張って来たんでしょ? 勿論あなたもね、栞さん」
「私はそんな事しなくても妹です! お兄ちゃんの妹は私だけです!」
「えーーー美月は妹じゃないんだ~~~お姉ちゃま……酷い」
美月が物凄く悲しい顔で妹を見て言う……っていうか楽しんでるだろ美月……
美月は多分俺と妹に追い付きたい、特に妹に追い付きたいって思って今まで過ごして来たんだろう、だから俺達と一緒に高校生として活動する事を心底楽しんでいる様に思える。
「えっと、それは……」
「そうだぞ! もう戦いは始まっているんだぞ、いるのよ、もう僕、私達は裕の妹だぞ、ですわ」
美智瑠……なんか努力して女の子っぽくしているけど、全然実ってないぞ……
「そう、裕お兄様の妹の座……それは神の座、裕お兄様に妹と認められればそれは神に、女神になれるのです!」
な、なんだ? なんかセシリーのキャラがおかしいぞ、あと何か宗教じみているけど……なんだ? 神の座って……
「アンちゃん……私もアンちゃんの本当の妹に…………」
暗い! 相変わらず暗いぞ雫、新キャラなのにドンだけ影薄いんだ!
「裕のぉ妹にぃなるってぇ事はぁ、一緒にぃ寝たりぃお風呂にぃ入ったりぃするってぇ事なの?」
ああ、麻紗美……なぜそれを知ってる……なんか麻紗美って最近あの妹作品の幼なじみポジションの娘に似てきてない? あの娘って結局ラスボスだったよな、全てを知っているラスボス……麻紗美……
「裕君、このキャラを統率できるのは貴方しか居ないわよ、私や会長には無理……ですの」
「ですの……」
えっと先生……まさか……そのキャラで行くのか
「にいに~~~~~~」
あああああ、またか、今度はいつもの幼児化だ……成る程会長にはこれがあるから無理だし先生は行列を管理して女装して忍び込もうとする男子を排除する、男女をジャッジする仕事、ジャッジ○ントの仕事があるし、妹は恐らく俺の言う事しか聞かないし
「分かりましたって、やるって言ってるじゃ無いですか、やりますよちゃんと、店長でも責任者でも何でもやりますよ」
「わーーーーーー」
皆が歓声をあげ拍手する……会長は俺のほっぺたへのキスの圧力が強くなる……本当に幼児化してんのかこの人?
「じゃあ裕君、一言お願いします」
先生がそう言うと皆が一斉に俺を見る、いやいやいやいや、あまり得意じゃ無いんだよ人前で喋るの……
「うーーーーん、そう言われても…………じゃあまあ今思ってる事を……、えっと……正直初めはあまり気乗りしなかったけど皆と色々準備するのは思ったより楽しかった、中学の頃からコミュ障の俺だけど、まあこう言う活動を旗から見て楽しそうだなとは思っていた、だから少し強制だったけど参加させてくれてありがとう、明日から2日間は楽しませる側に回るけど、皆が楽しめば、来てくれる人も楽しめると思う、みんな! 学園祭だ、お祭りだ! 楽しもう、俺も楽しんでやるぞ!!」
「おーーーーーーーー!!」
皆が俺と一緒に拳を上げた。
さあ、いよいよ学園祭が始まる。
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