妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

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49-2 二人きりの家

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母さんは何やら色々と電話をかけ、バタバタと家を駆けずり回った後に仕事に向かっていった。

 俺と妹はその様子をボーッと見ていたが、母さんが家を出ていくと妹の様子が激変する。

「ふわああああああああああああ」

「ふわ?」

「はふん」

「はふん?」

「うへ、うへへへへへへへへへへへへへへへへへ」

「こわ!」
 あ、駄目だ……妹が壊れた……

「はあああああああああ、遂に……遂に……」
 おいおい大丈夫か?……なんか怖いぞ……

「えっと、えっと何からすれば、まず寝るところからか……」
 寝るところ? 一体なにを言ってるのかさっぱりわからん……

「お兄ちゃん! もう私達……結婚したも同然って事でいいよね!」

「いや、全然良くないと……」
 妹の暴走列車ならぬ妄想列車が始まった。

「お兄ちゃんと二人きり……ああ、朝も昼も夜も……二人きり……素敵……」

「いや、今までほとんど親なんて出てこなかったんだから今さら一緒の様な」

「どうしよう、やっぱりダブルベットよね、お金あったかな~~?」

「聞いてねえ~~、ダブルって……買わないから! っていうか何処に置くんだよ、俺達の部屋ダブルベットなんて入らねえよ」

「あ! そうか、そうだよね! やっぱりシングルでピッタリいつも寄り添うように抱き合って寝る方がいいよね、さすがお兄ちゃん!」

「いやいやいやいや」

「カーテンももっと明るい色にして、花も欠かさずに……花瓶あったかな? えっとえっと後は~~」


「あの? 栞さん……一体何をするおつもり?」
 何? 母さん達が出てったらリフォームでもするのか?

「何って決まってるでしょ! お兄ちゃんと私の愛の巣の準備をしないと! さあお兄ちゃん一緒に考えよう! 新婚生活って初めが肝心なんだから!」

「いやいやいやいや、母さん達が一旦名古屋に行くだけだから、帰ってくるから、俺達結婚しないし、そもそも出来ないから」


「大丈夫お兄ちゃん、愛があれば法律なんて簡単に乗り越えられる!」

「いやいやいやいや、なんか前にも言ってたけど、無理だから」

「ま、まさか……お兄ちゃん 最近ハーレム作ったからって皆をこの家に……」

「作って無いから! そんなもの存在してないから、皆をってそんな事したら退学だから」
 全員ってそれなんて……合宿?

「じゃあ私と二人きりって事でしょ、つまり結婚したって事でしょ! さあ今から準備しよう!」

「何でそうなる、いいから落ち着けって」

「何でお兄ちゃんは落ち着いていられるの、私達の初めてがこれから色々…………初めて…………ま、まさかお兄ちゃん…………既に経験済み…………だ、誰!! 美智瑠ちゃん? 麻紗美ちゃん? そういえば前に先生の家に!!」

「無いから、誰ともないから!」
 先生とは一瞬チャンスを逃したって思っちゃったけど……

「まさか幼くなってたのを良いことに会長を! 幼い……ま! ま! まさか!! 美月ちゃんと!!」

「いやいやいやいや、無いから、全然無いから!」
 やーーめーーてーー、美月と添い寝の想像をして腕枕をしようと腕を横に広げたら壁にしこたま手をぶつけて深夜に泣いたロリコン妹バカ作家と俺を一緒にしないで~~~~!

「じゃあお兄ちゃん! 一体誰と初体験をするつもりなの!! ま、まさか! セシリーと……」

「しないから、セシリーとなんて……そんな事したら栞もヤバいから!」

「じゃ、じゃあ一体!!」

「いいから落ち着けって、あまり変な事出来ないだろ、父さんはともかく、母さんはシフトなんだからいつ帰ってくるかわからんし」


「でもおおお、お兄ちゃんとずっと二人きり何て、最近中々無いし……お兄ちゃん最近もの凄くモテるし……私、もっともっとお兄ちゃんとイチャイチャしたいんだもん~~~半年とはいえ油断したら直ぐに終わっちゃう、どんどん攻めないと!」

「いやいやいやいや、母さん居なくなるんだから家の事二人でどう分担するとか、まずはそっちだろ?」

「何言ってるのお兄ちゃん、お兄ちゃんのお世話は総て私がやるの、耳掻き歯磨き洗面、お風呂に入れて身体も洗ってご飯を食べさせて、はあああああ夢のよう、何て素敵なお仕事、ううんお金を払ってでもやりたい、お兄ちゃんいくらでさせてくれる?!」


「いやいやいやいや、財布を出すな! それお世話通り越して介護だから、俺まだ高校生で身体ピンピンしてるから」

 怖いよ~~重いよ~~妹の愛が怖重すぎるよ~~

「お兄ちゃんはドーンと座っててくれればいいの、私はお兄ちゃんの専属メイドになるから、ご主人様何なりとご用を、え? 夜伽……では」

「ボタンを外すな脱ぐな! 夜伽って……俺は亭主関白とかじゃないから、ちゃんと家事もやるから」

 青いストライプのブラが一瞬見えたぞ! やめてくれええ

  ちなみに妹は白い薄手のブラウスにチェックの超ミニスカート、母さんは何も思わなかったけど、家でする格好じゃ無いよな、まあでも外では俺がさせないけど……見るな想像するな妹が穢れる。

「て、て、て、亭主! 旦那様! お兄ちゃんが! お兄ちゃんが認めた……つ、遂に認めた! 私を妻にするって」
 妹は両手を握りこぶしにして上下に振る……いやいやいやいや

「言ってないから! 例え話だから!」


「ああ、旦那様、いけませんはこんな所で、ああでも、でも…………えへへへへへへへへへへへへへへへ」

「いやだから、おーーーい、栞~~栞さーーーーーん?」

 また異世界に行ったか……、今からこれじゃあ、母さん達が居なくなったらどうなるんだ? 俺の頭に今さら転校と言う二文字が浮かんでいた。

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