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46-8 葵の行く末
しおりを挟むセシリーに友達とかの電話番号は知らないのか、と聞いたが……
「わての友達は2次元だす!」と豪語……
それ以前に学校内は寮生活、セシリーはケイ以外の男子とはあまり絡まないし、女子とは寮でも学校でも会える為にアドレス交換はやらなかったとの事。
ちなみに何で辞めたのって聞いたら、父親が日本に赴任と決まった為と、女子複数と付き合ってたのがバレて逃げて来たそうだ……ぶっちゃけそれで携帯を破壊されたらしいのがアドレスを知らない真相と美月は言っていた……
「ああいうのが女子寮に居るとか危険過ぎる……」
やはり美月も妹も留学には絶対に行かせないと心に誓った。
とりあえず俺は、セシリー、美智瑠、麻紗美も帰る様に言う。
「えーーなんでぇ」
「ずるいぞ、君たちばかり、これで帰ったら僕は何しに来たか分からないじゃないか」
それな~~俺もそう思う、まあ美智瑠は落ち担当だからかな?
「寝る場所もないし、後は地道な事しか出来ないから……明日来てくれないか?」
「地道な事?」
「ああ、詳しい話しは明日、セシリーが送って行ってくれるって言ってるから」
夜も遅い、俺が送りたいけど出れないからと、お願し3人は渋々帰って行ってくれた。
「じゃあ葵ちゃん、寝ようね」
完全に落ちかけていた会長を先生が寝かしつけに行く、俺と妹と美月で作戦会議。
「もう一つしかないよな……やっぱり」
「そうだねー」
「うん」
こうなると、さすがの俺もやることは一つと分かる、妹を使うしかないと……
「じゃあ栞、頼む」
「うん、でも安全を考えると、直接するしか」
「そうだね、SNSだと拡散しちゃう可能性があるし」
「ああ、分かってる、だからこそ出来るのは栞だけだ」
「分かった、任せてお兄ちゃん」
そう言うと妹は電話をかけ始める……そう、妹の友達に直接聞いていく、友達の友達に誰か居ない? 作戦……うわ最後は地味だ~~
「もし~うんごめんね今大丈夫? うん、うん、実はね、スイス知り合いが居ないか聞いてるの、前に留学してたって、うん、ごめん、出来れば連絡先教えてくれると助かる、うん大丈夫絶対に他には言わないから、うん、ちょっと人助けなんだ、うん、本当! ありがとう~~うん、うん、じゃごめんね、ううん、あ、それと、この電話をした事は内緒にしてもらえると、うん、そう、ありがとうね、うん、じゃあ、うん」
そう言って電話を切り、さらにかける。
「もしもし~~うん、久しぶり~~うん、えっとね急でごめんね、イギリス留学してたよね、うん、その時の友逹を紹介してほしいの、うん、ちょっと人助けで、うん、本当ありがとう助かる、うん…………」
妹は関係ありそうな人に片っ端から電話をする、留学してた人、その家族、ちょっとでも聞いていれば覚えているらしい、本当にとんでもないなこの妹……
そしてそこからは、俺らの仕事、妹から聞いた連絡先に電話なりメールを送る、スイスの学校に通ってる人の知り合いが居ないか……
翌日麻紗美と美智瑠に再び来て貰い片っ端から直接メールを送る。
美月は直接番号を聞けた人に電話をする。
スイスの学校内に知り合いが居ないかとだけ、英文は基本的な物を美月に作って貰い、名前やアドレスを変更して俺達が送る
その作業を繰り返すだけ。
「中々返信ないな……」
「まあ、理由も言えないんだからほとんどいたずら扱いなんだろうけど、相手がその友達とどれくらい親しいかも関係あるし」
「そうだよな、ちょっと留学した位だもんな」
とにかく地道な作業、妹と美月は電話をかけ、俺と美智瑠と先生がメールを送り返信をチェックさらに返信、俺と先生は基本翻訳ソフトを使い、分からなければ、美智瑠か美月に聞く、ああ英語の勉強もっとしておけば……
ちなみに麻紗美は食事の用意や飲み物、お菓子等を持ってきたりする雑用全般、そして会長の面倒を見ている、本当麻紗美って……
そして特に成果もなく土曜日は終了した……はあ
5人で雑魚寝2日目、俺は美月に寝ながら言った。
「美月……明日長野に戻れな」
行って欲しくは無かったが、でもこれ以上美月を足止め出来ない、今大事な時だ。
「うん……」
美月は素直にそう言う、明日、あと1日で美月を安心させて長野に送りたい……そう思い眠りに付いた……
そして日曜日、これでダメならもう拡散するしかないかも……
それにより何が起きるか見当も付かない、出来ればやりたくない……
俺達は必死に地味な作業を続けそして夕方、そろそろ美月は長野に戻らなければいけない、そう思っていると、美月が大声を上げた
「来た、お兄ちゃま!」
「え?」
このメール読んでくれ、そう言われ見る……読めん、すみません
「フランス語か?」
「うん、えっと知り合いに去年まで通ってた人がいるって、その人が多分後輩を知ってるはずだって」
「そうか!」
遂に学校関係者に繋がりそうなメールが、ここまで来た! 俺達は歓声を上げ喜んだ。
「よし、メールを送って連絡先を聞いてくれ!」
「うん!」
そう言うと美月はフランス語でメールを作成し始める。
「良かった何とかなりそうだ……」
そうホッとした時、玄関のチャイムが鳴る、なんだ? ピザでも頼んだか? 皆が顔を見合わせる。
先生が立ち上がりインターフォンを取って話す……そしてみるみる顔が青ざめて行くのが分かった……なんだ?
そしてインターフォンを持ったままの先生から衝撃の一言が…………
「あのね、外にいる人が、自分は那珂川 蛍ですがって言ってるけど、どうする?」
「え? ええええええええええええええええええええええええ!」
突然にいにと名乗る人が外に居るって、一体なんだ? 本物か?
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