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46-3 葵の行く末
しおりを挟む「えーーっと、これは……何故?」
「お帰り~~~~」
「お邪魔してま~~~~す」
とりあえず皆でリビングにてお茶を飲んでいた所、先生が帰ってきた……先生は皆に元気よく挨拶され、戸惑っている……ちょっと可愛い、全員知ってる生徒なんで、まあ戸惑うよな、あ、美月は違うか
「えっと……なんで、渡ヶ瀬さんと酒々井さんが居るの?」
「渡ヶ瀬? 酒々井? 誰だっけ?」
「おい! ゆう、僕の名字を忘れるな!!」
美智瑠が叫ぶ、おっとそうだった、わたがせ、わたがせっと
「ゆう、酷いぃ……」
麻紗美が泣く、しすい、しすいね、しすい……なんかアウトレットとかなかったっけ?
「いや……、名字を聞くのがあまりに久しぶりだったんで……」
忘れてる人もいるぞ、人物紹介とか書いた方がいいんじゃないか? (え~~めんどくさい……親とか名前ないし……出すつもりないし……)
「そうやって誤魔化す……なんで美智瑠さんと、麻紗美さんが居るの?」
「ゆうがぁ、休みだったからぁ、心配してぇ来ました」
にこやかに麻紗美が答えるけど、それって理由になるのかな?
「そう……、まあ、麻紗美さんはクラスメイトで席も隣だから仕方ないとして美智瑠さんは? 違うクラスでしょ?」
「えっと、ぼ、僕も……ゆうが、心配で……し、親友だから……それ……に」
モゴモゴ言う美智瑠、顔を赤くして、可愛いの~~
「ふ~~~~ん、へ~~~~、裕君……随分とおモテになる事で……」
膨れっ面でそっぽを向く先生……
「何故先生がそこで怒る?」
「え! 怒ってません、えっと、そう突然連絡もなしで、家にこられたからビックリ、そうビックリしただけ、ええ、そうよ」
「なんか、言い訳がましいんですけど、えっとスミマセン、先生の携帯とか知らなかったんで、学校に電話するわけにも行かないし」
「あ、そ、そうね……仕方ない、これを機に交換しておきましょう、そうしましょう」
先生がスマホをバックから取り出す、え、先生と連絡先交換、おお!、スマホアドレス帳また埋まる、10人位に…………どうだ、もうボッチと言わせないぞ、両親とかも入ってるけど……
「先生! それより副会長とかの情報はどうなりました!?」
妹が怒った口調で先生に問いかけ俺とのアドレス交換を阻止する……え~~~俺のスマホのアドレス帳が……
「あ、そ、そうね、それどころじゃないわよね、えっと……」
そう言って先生は椅子に腰掛けようとするも全部埋まっている、麻紗美が気を聞かせて席を立ち先生に譲った。
「私ぃみんなのぉお夕飯作りにぃ来たのぉ、先生、台所お借りしますぅ」
「え、そうなの? あ、はいどうぞ、ごめんね、ありがとう」
さすが麻紗美は気が利く、そう言う所が凄いんだよな~麻紗美って……
「えっと、事情は知ってるって事だよね、ここに来ているって事は……」
先生がそう言うと、美智瑠がうなずく
「麻紗美もとりあえずは……」
俺が麻紗美に代わり答えると先生はため息をつく
「どんどん大きくなっていくな~、今日校長先生に呼び出されちゃった、生徒会はどうなってるんだ? って」
先生はさらにため息をつく、そりゃそうだ、夏休み開け早々二人は退学、一人は休みだもんな~
「まあ、もう内々で済む話じゃなくなって来てますから……それで会長と副会長の情報は?」
「えっとね、副会長……市川さんと、書記の町屋さんのデーターは削除したそうです」
「削除?」
「ええ、昨日弁護士と名乗る方が来て、退学したのだから全部破棄するようにって」
「マジか……そこまでするか……副会長すげえな…………それで……会長のは」
「えっと、そんな状態でしょ? それを調べようとしたら呼び出されて延々と事情を聞かれちゃって……」
「つまり……何もわからないと……」
「ごめんね~~」
いや、そこでテヘペロされても、可愛いけど……待ち受けにしたいけど
「お兄ちゃん!」
「いや、何故そこで栞もテヘペロをする?」
「え、お兄ちゃんが待ち受けにしたいって顔してたから、ほら撮って撮って」
「撮らないよ! 待ち受けにしたい顔ってどんな顔だよ!」
怖い、マジで怖いようちの妹……これで何か変な事を考えたらどうなるんだ?
「麻紗美ちゃ~~~~ん、キッチンに包丁何本ある~~~?」
「聞くな、て言うか何本ってなんだよ」
「え、意外に折れるんだよ」
「えっと……、言うなよ、何をしたときに折れるかは言わなくて良いからな、言うなよ絶対に」
「え~~~~大丈夫お兄ちゃんじゃないから、使うのは」
「だから言うなって、えっと、じゃあ美月何か分かったんだろ?」
妹をこのまま喋らすと危ないので、美月に聞く……
「あばら骨があるから、横にしなきゃダメだよ、縦だと入らないから、あと肩甲骨の間から入れるっ言う手も」
「だーーーーかーーーーーらーーーーーー、言うなってえええええ」
なんの話しか俺にはわかりませーーーーん。
先生以下キョトンとしている……俺にもわかりませんから!!
「あははは、まあ冗談はこれくらいにして、そろそろ本題の話しをするね」
「美月が言うと冗談に聞こえない…………じゃあ、お願いします」
そろそろ2000文字で後半なんだから、さすがにこれで次回じゃまた妖怪が出てくるだろ。
「えっとね、まずはこれ、葵ちゃんの持ち物なんだけど」
美月はそう言うと、葵の家……家とされていた所から持ってきた化粧箱を出す。
「持ち物?」
先生が疑問に思い声を出す、まあそうだろうけど、それは後で、美月もそう思ったのか無視して続ける。
「これって、カル○ィエのオーダーメイド、しかもこのマーク」
「マーク?」
「うん……これって某国の王室のマーク……」
「は? 王室? 何でそんな物が会長の持ち物に?」
「うーーーーん、副会長さんが持っていたのか、葵ちゃんが持っていたのか、副会長さんの事が分かれば答えが出たんだけど、ただ……」
「ただ?」
「前にも言ったけど、葵ちゃんのお父様は自分の事をファントムだって」
「ああ、それが?」
「ファントムが誘拐した相手、クリスティーヌって、子爵の婚約者で幼なじみなんだよね」
「つまり?」
「うん、葵ちゃんのママって、結構凄い家の人なのかも……」
「ええええ?」
「うーーん、じゃあ……また美月の想像の話しをするね、あくまでも想像だから……」
「ああ、分かってるよ」
そう言うと美月は腕を組み上を見上げ考えをまとめるように話し始める。
「えっと、葵ちゃんのお父様とお母様はフランスで出会って駆け落ちした、お父様の故郷の日本に、それは葵ちゃんの家にとって大問題でした、婚約者を裏切り家を裏切り、でもそんな物はどうでも良かった、愛する人と海の見える田舎でひっそりと暮らすそんな生活をしていた……」
「…………」
俺を含めた全員が美月の話しに聞き入る、美月は目を瞑りゆっくりと、言葉を噛みしめるように続けた……ちなみにしつこいかも知れないが、美月は9歳小学4年生……
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「息子を売ったって言うのか?!」
「もう~~、だから美月の想像だって言ったでしょお兄ちゃま……慌てないで、例えばの話しだから」
「ああ、ごめん」
「ううん、例えばにいにが自分の事を知って自ら行きたいっ言ったのかも知れない」
「なるほど、でも……じゃあ何で日本に来ないんだ?」
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「じゃあ、こっちの国とか、然るべき所に頼んで……」
「娘が駆け落ちしましたって家の恥を晒してまで?」
「じゃあにいにが……」
「12歳そこらで日本に一人で?」
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「そうか……でも6年もあるんだから今は18歳位なんだし…………そうか、来てたのか……」
「うん……、それで副会長が隠した……」
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「じゃあ、にいには居るんだな、会長の家族も!」
「うん……多分」
「そ、そうか……そうか! 良かった……良かったな~~~~会長!!」
俺は思わず会長を抱き締めた、良かった、会長が天涯孤独になるかと……
「ふぇええええええ、にいに?」
俺が会長抱き締めた途端、妹が立ち上がる……あ、ヤベエつい嬉しくて……
「麻紗美ちゃ~~~ん、包丁一本貸して~~~~」
「あ、美月にも~~~~~」
「き、君はやっぱり、金髪にも……銀より金か! 金じゃなきゃ意味がないのか!!」
「大丈夫よ~~アイスピックもあるから~~~」
「やーーーめーーーーてーーーーくーーーーーれーーーーー」
でも……とりあえず、良かったな会長、後はにいにを探すだけだ…………
どうやって?
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