妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

文字の大きさ
上 下
123 / 255

42-2 麻紗美との家デート

しおりを挟む
 
「はいどうぞ~~」

「おおおおおおお」

 食卓に並ぶ色とりどりの料理……すげえどこかのホテルのバイキング?

「昨日の夜からぁ作ったのぉ、お口にぃ合うとぉいいな~~」

 左からポテトサラダ、マカロニグラタン、餡かけ唐揚げ、鮭のカルパッチョ、卵焼き、肉じゃが、キンピラゴボウ、味噌汁、ご飯……どれも凄く旨そうなんだけど、なんか変な組み合わせ……

「ちょっとぉ頑張り過ぎちゃったぁ」
 ニコニコ笑って俺を見る……

「じゃあ、いただきます」

「召し上がれぇ」
 俺が食べ始めるも麻紗美は見てるだけ……えっとまさかこれを俺一人で……

「麻紗美は食べないの?」

「うん、朝にぃ味見で一杯食べすぎてぇ」

「へーーーそうなんだーーー」

「ケーキもぉ焼いてあるからねぇ」

「はははは、ソレハタノシミデスネ」

「なんでぇカタコト?」

 えっと……これってやっぱりなんか怒ってる?……
 そう思いながら食べると……

「あ、でもすげえ旨い……」
 本当に旨いよ、レストラン並み……

「よかったぁありがとう……」

「なんで?こっちが礼を言わなくちゃ」

「ううん……美味しいって言って貰えるってぇ、凄く嬉しいんだよぉ」

「そうか……旨いよ、すげえ旨い」

「ふふふ、でもぉ得意料理ばっかりぃ出しちゃったらぁ変な組み合わせにぃなっちゃったぁ」

「なるほどそれでか」
 逆に言うと、もっと得意料理があったら、とんでもない事に……
 さて……、じゃあこれで済んで良かったと言う事で……

 俺は気合いを入れてお昼御飯を食べた……


 #####



「ご、ご馳走さ……ま」

「ふええええ、全部ぅだべちゃったぁ」

「旨かった……」

「ありがとうぅ、でもぉ、私途中でぇ無理しなくてぇいいよってぇ言ったよねぇ」

「いや……出された物は……全部食べる主義なんで」

「本当にぃ裕は中学の時からぁ変わらないんだからぁ……もう少しぃ自分勝手にぃなった方がぁいいよぉ、人にぃ気を使いすぎてるぅ、裕のぉ欠点だよぉ」

「欠点?」
 麻紗美は台所に皿を持っていきながら俺にそう言った、人に気を使う事が欠点……

「うん、そうだよぉ、遠慮ばかりぃして自分をぉ主張しない……、殻にぃ閉じ籠ってるぅ、昔の私みたいにぃだから友達いないんだよぉ」
 皿を片付け、水と胃薬を俺の前に置くと向かいに座る。

「友達ねえ、一応少しはいるぞ、麻紗美だってそんないないだろ」
 全然いなくは無い……少しはいるんだって……いや本当に

「私はぁ最近一杯できたかなぁ」

「マジか!!」
 やっぱりか!!う、裏切り者おおおおおお

「うん、まあぁ裕とぉ栞ちゃんのぉおかげだけどねぇ」

「俺と栞の?」

「そうだよぉ、裕がぁ私のぉ殻を破ってくれてぇ自信をくれたのぉ、そして栞ちゃんがぁそれをぉ後押ししてくれた……」
 俺は話しを聞きながら胃薬を口に放り込み、水を飲む……うう水飲むのがキツイ……

「お昼一緒にぃ食べてぇくれたじゃない?あれからぁクラスのぉ子達が一緒に食べようってぇ」

「ああ、あれか……何故か俺と栞が食べようとすると麻紗美を誘うようになったよな」

「うん、一緒に食べてぇわかったんだけどぉうちのクラスってぇ栞ちゃんがぁ絶対的な存在なんだよねぇ、うちのクラスって言うかぁもう1年全部がぁ、2年生にもぉ3年生にもぉ人気があってぇ、凄いよねぇ栞ちゃんて」

「ああ、他校にも友達が結構いるらしいな」
 恐ろしい……栞の交遊関係……よく俺にベッタリでそれを維持できるよな……

「うん、その栞ちゃんのぉ力がぁあるからぁ私もぉお昼に誘って貰えるようになったんだよねぇ」

「でもそこから友達作ったのは麻紗美の力だろ」

「そうなのかなぁ、でもそうしたらぁそれはぁ裕のおかげだねぇ」

「そんな事ないよ」

「ううん、そうなんだよぉだからお礼がしたくてぇ今日家にぃ呼んだのぉ……本当はぁ栞ちゃんもぉ呼んだんだけどねぇ」

「栞も?」

「うん、昨日電話したらぁ、お兄ちゃんとぉ二人でいたいでしょ、私は大丈夫ってぇ、でもぉもしかしたらぁ来てくれるかなって……、一杯作っちゃったのはぁそのせい……」

「2人前だったのか、どうりで」

「二人にはぁ感謝してるんだぁ、ありがとう……」

「そうか……俺はともかく栞には言っておくよ」

「うん、でもねぇ、栞ちゃんにはそこまであまり感謝はしてないんだよねぇ」

「は?」
 なにその手のひら返し?

「私の事を皆がぁお昼に誘ってくれるようにぃなったのってぇ、なんでかわかったからぁ」

「え?理由とあるの?栞が誘えって言ったとか?」
 そんな押し付けがましい事を妹がするとは思えないんだが

「ううん違うよぉ、あのねぇ栞ちゃんてぇ異常な位にぃみんなに好かれてるのぉ、私、今までぇあまりみんなとぉしゃべらなかったからぁわからなかったんだけどぉ、想像してるよりぃ凄いのぉ」

「どう凄いんだ?」
 ああ、また俺は聞いちゃいけない事を聞いている気がする……

「あのねぇクラスのぉ子達はぁ裕とぉ栞ちゃんがぁ付き合ってるんじゃないかってぇ思ってるのぉだから邪魔しないようにぃって」




「え?……えええええええええええええええええええええええええええええ」
 まじか、ええええまじで?

「えっとねぇ厳密にはぁそうじゃないかってぇ程度の事なんだけどぉ直接はぁそんな話しをしてないんだよねぇ、でもそんな空気がぁあるのぉ」

「まじか、それで石垣の時に……」

「ごめんねぇ、そうなんだぁ、でもぉ本当にぃ誰も直接はぁ言わないんだよねぇ、噂話にもぉなってないのぉそれを言っちゃいけないってぇ空気があるのぉ」

「それで何故にクラス全体が動くんだ?」

「だからそれがぁ栞ちゃんのぉ凄い所なんだよねぇ、絶対に栞ちゃんのぉ困る事はしないってぇ感じ?それをクラス全体がぁ感じ取って動いているのぉ」

「俺には全然わからんのだが……」
 それ俺に友達が少ないせいなのか?

「男子にはぁ分からないと思うよぉ私も含めてぇクラスのぉ女子にぃ栞ちゃんを裏切る人はぁ一人もいないからぁ、絶対にぃそんな話しはぁ直接は言わない、多分仲の良い友達同士がぁそれぞれ、そうなんじゃないかなぁ程度のぉ話しをしてると思うのぉ」

「まじか……絶対女王……」
 それで突然邪魔が入らなくなったのか……

「この話しぃ言おうかどうかぁ迷ったんだよねぇ、多分栞ちゃんもぉ知らないんじゃぁないかなぁ、あ、でもぉ、栞ちゃんならぁわかってるかもぉ、そういう子だしぃ……裕は当事者だしぃ知っておいた方がぁいいかなってぇ」

「いや、ありがとう教えてくれて」

「私がぁ言ったってぇ言っちゃダメだよぉ、私クラスからぁ消されるかもぉ」
 身体を抱いて震える麻紗美……

「いやいやいやいや、消されるって、そもそも言えないよこんな事……」

「まあ、そうだよねぇ、もうちょっとでぇ夏休み終わるしねぇ、2学期も大変かもねぇ」
 ケラケラと笑う麻紗美、最近よく笑うようになってくれて凄く嬉しい、麻紗美の笑顔は本当に癒される。

「そうだな~~中学までは本ばかり読んでたのに、高校に入ってここまで色々あるとは……」

「でも……私はぁ裕とぉ栞ちゃんをぉ見守るって事はぁしないからぁ、ちゃんと主張するからぁよろしくねぇ」

 そう言うと麻紗美は俺にウインクをした。

 もうじき2学期が始まる……でもその前に多分……この2日間の反動が来るんだろうな……耳掻きで済むはずがない……

 今のうちにもうちょっとだけ麻紗美に癒して貰おう、そのあとも夕方まで麻紗美とゆったりとした時間を過ごした……勿論……ケーキはお持ち帰りで……



しおりを挟む
Twitterやってます。https://twitter.com/niinaamesyou
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。 果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

処理中です...