妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

文字の大きさ
上 下
108 / 255

38 4者会談

しおりを挟む
 
 夕方に急遽栞から緊急召集がかかり4人の女子がとある有名イタリアンレストランで一堂に会する。

「えっとまずこの間の花火ではご免なさい、改めまして栞姉ちゃまと裕兄ちゃまのいとこの山野井美月です」

 栞の横に座る美月が立ち上がり二人に改めて自己紹介をする。
 相手は向かいに座っている美智瑠と麻紗美、二人は一体何の話なのか若干緊張の面持ちで美月を見ていた。


「早速ですが、今日お兄ちゃまとお話ししてお兄ちゃまの最大の欠点を発見してしまいました!、それを3人にお話ししたくて来てもらいました!」

「欠点?」

「はい!今日お兄ちゃまと話してよく分かったの……お兄ちゃまは…………恋愛に物凄く疎いの……もう小学生低学年レベルに」


「あーーーー」
「うーーーん……」

 美智瑠と麻紗美がそれかと言う顔をしいている……
 その二人の様子を見た美月は驚きの顔になる。

「え!!お二人は気づいていたの?!!」

「あーーまあね、ゆうは恋愛以外は凄く大人なんだけどねー」

「うんそうだねぇ、普通気がつくよねぇ好かれてるぅとかってぇ」

「うん、お兄ちゃんは物凄く鈍感だから」

「お姉ちゃままで……」

 3人の言葉を聞いてヘナヘナと座る美月

「3人は知ってて何にもしないの?」
 美月が不思議そうな顔で3人を見る。

「あーーうん、何かしてどうにかなるレベルじゃないからな~」
 苦笑しながら美智瑠が腕を組み首を振りつつ言う

「そうだねぇ、今のところぉ栞ちゃんにぃ一番恋愛感情を持ってるぅみたいだけどぉ完全に妹としてだからねぇ、だから私たち焦ってないんだよねぇ」
 笑顔で麻紗美がそれに同意する。

「お兄ちゃん、私に絶対に手を出さない……もうこっちはいつでもなのにいいいいいい」

「ゆうは優しすぎるんだよ、どんなに僕たちがが身も心も許しても、もしかしたら傷つくかもって思うんだろうね」

「そうだねぇ、ある意味誰も信用してないんだよねぇ裕って」

 3人の会話を聞き美月が愕然としていた。

「そんな……、いいの3人はそれで……」

「うーーーんよくはないかな?、僕だってゆうに信用されたいって愛されたいって思ってるさ……、でもねえ……」

「そうだねぇ、そこが裕のぉ良さでもあるからねぇ~」

「美月ちゃん、お兄ちゃんがみんなの事を軽く見てると思ってるんじゃない?」


「……うん、お兄ちゃま告白されてもそうなんだ~位の認識なの……」

「お兄ちゃんはね、相手に好意を持たれる事に慣れてないの……、それがどういう意味を持つか分かってないの、でも決して大事にしていない訳じゃない、みんな大切に思ってくれてるの、美月ちゃんだってそう思うでしょ?」


「……うん」
 美月は目を閉じ、裕の優しさを思いだし頷く。

「あとね自慢じゃないけど、多分3人の中じゃ、ううん多分全ての人の中でお兄ちゃんは私の事を一番大事だと大切だと思ってくれてる、……でもね誰よりも私は不利な立場に居るの、理由はさっき麻紗美ちゃんが言った通り……」

「……うん」

「恋愛となると、私や美月ちゃんより麻紗美ちゃんや美智瑠ちゃんの方が有利になるの、私は妹だから……美月ちゃんは子供だから……」

「でも…………そうか…………それで」
 美月は3人の仲の良さに納得する。

「そうなんだよな~僕たちがそこは有利なんだけど」

「そうだねえぇ、そこがゆうの弱点だからねぇ」

「でもお兄ちゃんってやっぱりすこしロリ入ってるんじゃないかって最近思うんだけどお~~」
 栞が最近の裕の行動や美月に対しての言動、想いに、真剣にそうなんじゃと疑いを持つ……

「えーー、そうしたらぁ、私がぁ一番不利になるよぉ~」
 最近すっかり世話女房、巨乳お姉さんキャラの麻紗美が嘆く

「でも僕が抱きついてもあまり反応がないぞ!」

「美智瑠ちゃんはロリじゃなくて胸がないだけだよ~」

「……う、うるさい、僕にだって少しはあるんだ!!、見るか!!」

「こんなところでぇ脱いだらぁ追い出されるからぁやめてぇ美智瑠ちゃん」


 その3人の様子をみた美月が突然笑い始める。

「あはははははははは」


「なんだ美月くん、僕の胸がそんなに無いのがおかしいか!」

「ううん笑ってご免なさい、お兄ちゃま凄いなーっ思ったら笑えて来ちゃった」

「ゆうがぁ凄い?」
 麻紗美が美月の突然発言に首を傾げる。

「うん、こんな凄い人達に好きになってもらえるお兄ちゃまって……凄いなって」

「うんそうだね、お兄ちゃんは凄いよね」
 栞が美月を見て、その意見を肯定する。

 美月は栞を見て頷き、再び二人見据え真剣な顔になる。


 そして……目を閉じ一度深呼吸する。
 突然の美月の行動に3人が美月に注目した……


「あ、あの……お二人にお願いがあります……美月の……美月の……」
 美月の瞳から涙が溢れる、そして物凄く久しぶりな、今後一生使う事はもうないと思っていた言葉を言った。


「美月の…………美月の!お友達になってください!!」

 美月はそう言うと二人に頭を下げる。
 友達なんて要らないと言った美月が自分から頭を下げて二人に友達になってと言う。

 美智瑠と麻紗美は少し驚いた顔になり、お互いを見つめそして頷いた。
「こちらこそぉお友達になってねぇ美月ちゃん、でもぉ裕は譲らないよぉ」

「僕と美月くんは今から親友だぞ!、でもゆうに関してはライバルだ!!」

 美月は顔を上げて涙を拭き満面な笑みになる
「うん!ありがとう美智瑠ちゃん、麻紗美ちゃん、美月もお兄ちゃまは渡さないよ」

  3人は笑い合った……


「ねえねえ、盛り上がってるけど、お兄ちゃん昨日ね白井先生の家に行ったみたいなんだよ」

「な、なんだって!」

「それはぁ不味くないぃ?色々とぉ」

「そう、お兄ちゃま手料理までご馳走になってるの……」

「不味いよね、お兄ちゃん押しに弱いから大人から来れたら」

「し、しかも白井先生って……ロリを兼ね備えた大人じゃないか!!、そんなのズルいだろ」

「あとね、お兄ちゃん生徒会長からも言い寄られてるの……」

「えーーーーーー!」

 4人はその後1時間余り裕の事で話し合いを繰り広げていった。


 ####


 そして二人とは店で別れ家への帰り道

「お兄ちゃまは、ここまで分かって美智瑠ちゃんと麻紗美ちゃんと美月を会わせたのかな?」

「うーーんさすがのお兄ちゃんでもそこまで計算はしてないと思うけど、結果は同じになったんだろね」

「お兄ちゃまは凄いんだね~」

「うん、お兄ちゃんは凄いんだよ」

「お姉ちゃまは、二人ならお兄ちゃまを取られても良いって思ってるでしょ」

「そうだね……あの二人……ううん今は三人かな、お兄ちゃんに相応しいと思ってるよ」

「美月もそう思う……凄く素敵な人達、お姉ちゃまもね」

「ふふ、ありがとう」


「でも……もし、お兄ちゃまを取られたら、お姉ちゃま諦められる?」

「ううん、諦められないよ、絶対に諦めない、一生ね、ただお兄ちゃんが幸せになれるなら…………」
 栞はそこで話しを区切る、お兄ちゃんが幸せになれるなら……身を引くって事なのか?……美月は敢えて聞かなかった。

「ねえお姉ちゃま、あの事お兄ちゃまには話したから、後はお姉ちゃまとお兄ちゃまで話してくれる?」

「良いけど、お兄ちゃんの答えは一つだと思うよ」

「うん、それでも……お願い、でもね今回の事でひょっとしたら美月考え違いなんじゃないかと思った、お兄ちゃまは弥生ちゃまより、お姉ちゃまよりもっともっと凄い存在だとは思っていたけど……」

「そうだよ、美月ちゃんじゃ当分は無理だよ~、だから心配しなくて大丈夫、私が何年も見続けてそれでもまだまだなんだから、今回の事だって、美月ちゃん3人の中で一番分かって無かったでしょ~~」

「うう、お姉ちゃまの意地悪」

「ふふふ、それだけお兄ちゃんが凄いって事だよ」

「そうだね、うん!」

「とりあえず、明日は私の番だからね~~そこで一応聞いておくね」

「一応なんだ……お姉ちゃま酷い……」

「えーーせっかくのお兄ちゃんとの久しぶりのデートなんだから~~当たり前でしょ~~」

「あ!そうだ美月まだその権利残ってるんだった、帰ってからお兄ちゃまとイチャイチャしよ~~っと、お風呂にしようかな~~添い寝にしようかな~~」

「えーーーもう終了だよ~~」

「まだだもーーん、早く帰ろうお姉ちゃま」
 美月は走り出す、その後ろ姿を見た栞は兄の凄さを改めて思い、微笑みながら美月を追いかけていった。

しおりを挟む
Twitterやってます。https://twitter.com/niinaamesyou
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。 果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。  その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。  すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。 「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」  これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。 ※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...