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38 4者会談
しおりを挟む夕方に急遽栞から緊急召集がかかり4人の女子がとある有名イタリアンレストランで一堂に会する。
「えっとまずこの間の花火ではご免なさい、改めまして栞姉ちゃまと裕兄ちゃまのいとこの山野井美月です」
栞の横に座る美月が立ち上がり二人に改めて自己紹介をする。
相手は向かいに座っている美智瑠と麻紗美、二人は一体何の話なのか若干緊張の面持ちで美月を見ていた。
「早速ですが、今日お兄ちゃまとお話ししてお兄ちゃまの最大の欠点を発見してしまいました!、それを3人にお話ししたくて来てもらいました!」
「欠点?」
「はい!今日お兄ちゃまと話してよく分かったの……お兄ちゃまは…………恋愛に物凄く疎いの……もう小学生低学年レベルに」
「あーーーー」
「うーーーん……」
美智瑠と麻紗美がそれかと言う顔をしいている……
その二人の様子を見た美月は驚きの顔になる。
「え!!お二人は気づいていたの?!!」
「あーーまあね、ゆうは恋愛以外は凄く大人なんだけどねー」
「うんそうだねぇ、普通気がつくよねぇ好かれてるぅとかってぇ」
「うん、お兄ちゃんは物凄く鈍感だから」
「お姉ちゃままで……」
3人の言葉を聞いてヘナヘナと座る美月
「3人は知ってて何にもしないの?」
美月が不思議そうな顔で3人を見る。
「あーーうん、何かしてどうにかなるレベルじゃないからな~」
苦笑しながら美智瑠が腕を組み首を振りつつ言う
「そうだねぇ、今のところぉ栞ちゃんにぃ一番恋愛感情を持ってるぅみたいだけどぉ完全に妹としてだからねぇ、だから私たち焦ってないんだよねぇ」
笑顔で麻紗美がそれに同意する。
「お兄ちゃん、私に絶対に手を出さない……もうこっちはいつでもなのにいいいいいい」
「ゆうは優しすぎるんだよ、どんなに僕たちがが身も心も許しても、もしかしたら傷つくかもって思うんだろうね」
「そうだねぇ、ある意味誰も信用してないんだよねぇ裕って」
3人の会話を聞き美月が愕然としていた。
「そんな……、いいの3人はそれで……」
「うーーーんよくはないかな?、僕だってゆうに信用されたいって愛されたいって思ってるさ……、でもねえ……」
「そうだねぇ、そこが裕のぉ良さでもあるからねぇ~」
「美月ちゃん、お兄ちゃんがみんなの事を軽く見てると思ってるんじゃない?」
「……うん、お兄ちゃま告白されてもそうなんだ~位の認識なの……」
「お兄ちゃんはね、相手に好意を持たれる事に慣れてないの……、それがどういう意味を持つか分かってないの、でも決して大事にしていない訳じゃない、みんな大切に思ってくれてるの、美月ちゃんだってそう思うでしょ?」
「……うん」
美月は目を閉じ、裕の優しさを思いだし頷く。
「あとね自慢じゃないけど、多分3人の中じゃ、ううん多分全ての人の中でお兄ちゃんは私の事を一番大事だと大切だと思ってくれてる、……でもね誰よりも私は不利な立場に居るの、理由はさっき麻紗美ちゃんが言った通り……」
「……うん」
「恋愛となると、私や美月ちゃんより麻紗美ちゃんや美智瑠ちゃんの方が有利になるの、私は妹だから……美月ちゃんは子供だから……」
「でも…………そうか…………それで」
美月は3人の仲の良さに納得する。
「そうなんだよな~僕たちがそこは有利なんだけど」
「そうだねえぇ、そこがゆうの弱点だからねぇ」
「でもお兄ちゃんってやっぱりすこしロリ入ってるんじゃないかって最近思うんだけどお~~」
栞が最近の裕の行動や美月に対しての言動、想いに、真剣にそうなんじゃと疑いを持つ……
「えーー、そうしたらぁ、私がぁ一番不利になるよぉ~」
最近すっかり世話女房、巨乳お姉さんキャラの麻紗美が嘆く
「でも僕が抱きついてもあまり反応がないぞ!」
「美智瑠ちゃんはロリじゃなくて胸がないだけだよ~」
「……う、うるさい、僕にだって少しはあるんだ!!、見るか!!」
「こんなところでぇ脱いだらぁ追い出されるからぁやめてぇ美智瑠ちゃん」
その3人の様子をみた美月が突然笑い始める。
「あはははははははは」
「なんだ美月くん、僕の胸がそんなに無いのがおかしいか!」
「ううん笑ってご免なさい、お兄ちゃま凄いなーっ思ったら笑えて来ちゃった」
「ゆうがぁ凄い?」
麻紗美が美月の突然発言に首を傾げる。
「うん、こんな凄い人達に好きになってもらえるお兄ちゃまって……凄いなって」
「うんそうだね、お兄ちゃんは凄いよね」
栞が美月を見て、その意見を肯定する。
美月は栞を見て頷き、再び二人見据え真剣な顔になる。
そして……目を閉じ一度深呼吸する。
突然の美月の行動に3人が美月に注目した……
「あ、あの……お二人にお願いがあります……美月の……美月の……」
美月の瞳から涙が溢れる、そして物凄く久しぶりな、今後一生使う事はもうないと思っていた言葉を言った。
「美月の…………美月の!お友達になってください!!」
美月はそう言うと二人に頭を下げる。
友達なんて要らないと言った美月が自分から頭を下げて二人に友達になってと言う。
美智瑠と麻紗美は少し驚いた顔になり、お互いを見つめそして頷いた。
「こちらこそぉお友達になってねぇ美月ちゃん、でもぉ裕は譲らないよぉ」
「僕と美月くんは今から親友だぞ!、でもゆうに関してはライバルだ!!」
美月は顔を上げて涙を拭き満面な笑みになる
「うん!ありがとう美智瑠ちゃん、麻紗美ちゃん、美月もお兄ちゃまは渡さないよ」
3人は笑い合った……
「ねえねえ、盛り上がってるけど、お兄ちゃん昨日ね白井先生の家に行ったみたいなんだよ」
「な、なんだって!」
「それはぁ不味くないぃ?色々とぉ」
「そう、お兄ちゃま手料理までご馳走になってるの……」
「不味いよね、お兄ちゃん押しに弱いから大人から来れたら」
「し、しかも白井先生って……ロリを兼ね備えた大人じゃないか!!、そんなのズルいだろ」
「あとね、お兄ちゃん生徒会長からも言い寄られてるの……」
「えーーーーーー!」
4人はその後1時間余り裕の事で話し合いを繰り広げていった。
####
そして二人とは店で別れ家への帰り道
「お兄ちゃまは、ここまで分かって美智瑠ちゃんと麻紗美ちゃんと美月を会わせたのかな?」
「うーーんさすがのお兄ちゃんでもそこまで計算はしてないと思うけど、結果は同じになったんだろね」
「お兄ちゃまは凄いんだね~」
「うん、お兄ちゃんは凄いんだよ」
「お姉ちゃまは、二人ならお兄ちゃまを取られても良いって思ってるでしょ」
「そうだね……あの二人……ううん今は三人かな、お兄ちゃんに相応しいと思ってるよ」
「美月もそう思う……凄く素敵な人達、お姉ちゃまもね」
「ふふ、ありがとう」
「でも……もし、お兄ちゃまを取られたら、お姉ちゃま諦められる?」
「ううん、諦められないよ、絶対に諦めない、一生ね、ただお兄ちゃんが幸せになれるなら…………」
栞はそこで話しを区切る、お兄ちゃんが幸せになれるなら……身を引くって事なのか?……美月は敢えて聞かなかった。
「ねえお姉ちゃま、あの事お兄ちゃまには話したから、後はお姉ちゃまとお兄ちゃまで話してくれる?」
「良いけど、お兄ちゃんの答えは一つだと思うよ」
「うん、それでも……お願い、でもね今回の事でひょっとしたら美月考え違いなんじゃないかと思った、お兄ちゃまは弥生ちゃまより、お姉ちゃまよりもっともっと凄い存在だとは思っていたけど……」
「そうだよ、美月ちゃんじゃ当分は無理だよ~、だから心配しなくて大丈夫、私が何年も見続けてそれでもまだまだなんだから、今回の事だって、美月ちゃん3人の中で一番分かって無かったでしょ~~」
「うう、お姉ちゃまの意地悪」
「ふふふ、それだけお兄ちゃんが凄いって事だよ」
「そうだね、うん!」
「とりあえず、明日は私の番だからね~~そこで一応聞いておくね」
「一応なんだ……お姉ちゃま酷い……」
「えーーせっかくのお兄ちゃんとの久しぶりのデートなんだから~~当たり前でしょ~~」
「あ!そうだ美月まだその権利残ってるんだった、帰ってからお兄ちゃまとイチャイチャしよ~~っと、お風呂にしようかな~~添い寝にしようかな~~」
「えーーーもう終了だよ~~」
「まだだもーーん、早く帰ろうお姉ちゃま」
美月は走り出す、その後ろ姿を見た栞は兄の凄さを改めて思い、微笑みながら美月を追いかけていった。
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