妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

文字の大きさ
上 下
101 / 255

35-1 裕と栞と美月

しおりを挟む
 
 結局花火大会は、終始美月が3人に対して攻撃的というか、俺との関係を見せつけていると言うか、何とも言えない状態で終わった。

 何とか美月の考え方、友達なんかいらない、という拒絶を和らげたいと思い2人と会わせたが、逆に散々な結果に終わってしまう……

 とりあえず、二人には謝りのメールを送ったが…………

『大丈夫だぞ、でもロリはほどほどにしといて僕で我慢しとけ』
 と返信が来る……いや、美智瑠言うほどロリじゃない、胸だけ……なんて返信できるはずもなく、そして合法ロリなら白井先生の方が……おっと俺はロリじゃない俺はロリじゃない……

 そして麻紗美からも返信が。
『美月ちゃん可愛いね、ゆう君がキスしちゃった気持ち分かるよ、でもほどほどにしとかないと、117じゃなくて次は110って押すからね~』
 今日の電話の相手は時報だったらしい、次は天気予報でも聞いててくれ……


 リビングに座ってメールを見ていると、先に着替えた妹が入ってくる。

「美月は?」

「お風呂に入ってる」

「そうか…………」

 妹は俺の隣に座り正面を向き俺を見ないようにしながら言った。

「あのさお兄ちゃん……、美月ちゃんと一度きちんと話した方がいいね」

「ああ、うん、その話しを今しようと思ってたんだ。栞は俺の事本当に分かるんだな」

「うん、今回は分かるのがちょっと嫌だけどね」
 妹は笑顔で答える、要するに美月と家か外か二人で過ごすと言っているんだから、どちらにせよ妹としては嫌だろう……

「美月はきっと、誰にも言えない事を、思いを抱えていると思うんだ、昔の栞の様に、ただ俺が不甲斐ないばっかりに栞を助けてやれなかった、でも美月は気がついた以上助けたい」
 妹の悩みに全く気が付いてやれなかった、今日の花火の様に近すぎても良くないって事なのか……


「ううん、お兄ちゃんは私の事を助けてくれたよ、あの頃と比べたら私天国にいるくらいの気分だもん……だから今度は美月ちゃん……私たちの妹を助けよう」

「俺が人を助けるなんて、美月を助けるなんておこがましいとは思うけど、とにかくいい機会だし、美月とじっくり話してみるよ、最終的に栞に頼るかも知れないから、その時は宜しくな」
 俺なんかで美月を救う事なんて出来るわけないけど、妹が居れば……


「ううん、私じゃ無理だよ、美月ちゃんが私に心を開く事なんてない、出来るのはお兄ちゃんだけ……多分弥生さんでも、美月ちゃんのお母さんでもお父さんでも無理……でもこれ以上美月ちゃんがお兄ちゃんに心を開いたら……」
 妹はそっと俺の手を握る、俺は妹の頭に手を乗せ軽くポンポンと叩く、多くは語らない、でもこれで意志疎通が出来る、出来ていると思う……

「明日美月を東京見物にでも連れていくよ、……ごめんな」

「ううん、でもいーなー、私もいきたいなー、もっともっとお兄ちゃんとデートしたい、たーーりーーなーーーいーーー」
 まだまだ行きたいところは山ほどある、大丈夫行けるよ、時間はたっぷりあるんだから。

「そうだなー、行きたいな」

 美月が来て以来なかなか二人の時間が作れなかったが、こういう一瞬の二人の時間って言うのも、凄くいいと思った……



 ####



「美月~~入るぞ~~」
 美月の部屋(仮)をノックして、部屋に入る。
 俺のブカブカのTシャツを着た美月が扉の前までとことこ歩いてくる、下は履いてるのか不明、家から送って貰った荷物は届いているはずだが、いまだに寝巻きは俺のTシャツ……

「いつまで着てるんだ、寝巻き荷物に入ってなかったのか?」

「ううん、あるよ、でもお兄ちゃまのこれが、いいの」
 そういって襟首を引っ張り上げ匂いを嗅ぐように顔半分隠す、Tシャツがせりあがり、太ももが露になる……何か履いてるか、いまだにぎり不明……

「あ、洗ってあるから匂いなんてないぞ……」
 その姿に仕草にドキドキする……いや俺はロリじゃない、ロリじゃない……

「ううん、匂いはなくてもお兄ちゃまを感じるの、お兄ちゃまに抱き締められている感じがして安心するの……」

 や、ヤバい…………滅茶苦茶可愛い……俺は……ロリかも……ち、違うもん、美月が可愛いだけだもん、その辺の小学生と美月を一緒にしちゃダメだもん……

「えっとあのさ、明日栞は友達と用事があるらしいんだ、俺は特に用事がないし、美月東京って殆ど来たことないだろ、明日どこかに連れていくよ」


「!!ほ、ほんと!!お兄ちゃまと!!デート!!」

 聞いた瞬間小躍りする美月、ホントにこの子は子供かと大人か、どっちかわからない、でもその姿に油断した所で本心や確信を突いてくる、裏を読む、1から10を知る。


 人は知られる事に恐怖する……人の心を読む、何でも出来る化け物、美月の事をそう思うんだろう。

 俺は妹で慣れている、妹も内心を読みにくる、すべて見透かされている感じがする。

 美月と妹の違い……それが美月を助けるキーワードのような気がしていた……

「どこか行きたい所あるか?」

「東京ディズ」

「そ!そこだけは止めような、あ、ほら俺は人混み苦手だから、な」

「ええええええええええ、まあそうだね折角お兄ちゃまと二人きりなんだから、もっと人の少ない所の方がいいよね」

「そうそう、危ないから止めような色んな意味で……」

「じゃあねーうーーん、あ!、…………に行きたい」
 一瞬聞き間違えたかと思った、そこは観光地ではない、観光地に行く所……

「え?、そんな所?」

「駄目?」

「いや、全然良いけど、何で?」

「レストランも一杯あるし、景色も良いし、お兄ちゃまと行きたいと思ってたんだ」

「……そうか、そう考えたらそうかも、この間は時間が無くてゆっくり見れなかったけど、店も一杯あって面白いかもな、よし明日行こう」

「わーーーーい、お兄ちゃまと初めての二人きりデートだーーーー!!」

 明日小学生とデートに行く…………

 でもあそこなら社会科見学って事で何とか誤魔化せそうだな……


しおりを挟む
Twitterやってます。https://twitter.com/niinaamesyou
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。 果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。  その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。  すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。 「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」  これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。 ※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...