妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

新名天生

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32 美月再び

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 とりあえず3人でリビングに入る、美月は俺に抱きついたままで、妹はスマホでトリカブ●の情報を見てる……本当にやめて……

「えっと美月さんとりあえず離して貰えると嬉しいな……」

「いや!」

「ほら、でもお話ししにくいから……」

「今お話し出来てるよ、お兄ちゃま」

「ああ、まあそうね……えっと栞さんどこへ」

「……お兄ちゃん、球根だって!、掘ればいいんだよ、シャベルって家にあったっけ」
 ヤバい、妹が完全ヤンデレ状態に、だからもうトリカブ●から離れて、このネタのせいで名前出さなかったんだから……ほんといいホテルだったんだよ……(ちなみに実話です……まあ探せばどこにでも生えてますが)

「だからもうやめてえええ……、えっと美月も、お願いだからまず座って、ね?」

「じゃあ、今日美月と一緒に寝てくれる?」

「またそれか~、とりあえずそれも含めて要相談で、お願いします」

「うーーん、じゃあいいか」
 そう言って美月はようやく座ってくれる、俺の隣に……

「栞もほら座って」

「うう、そこ私の場所……」
 妹はそういいつつ、俺と美月の向かいに座る。

「で、美月はどうしてここに」
 本日も相変わらずのゴスロリ姿、その格好でここまで来たのか美月……

「えっとね、来ちゃった……」
 指を咥え上目遣いに俺を見つめる美月9歳小4……

「いやそうじゃなくて、ああ、まあそうなんだけど、よくおばさんと、弥生さんがOKしたな」
 うちの母さんと違って簡単に小4の一人旅を許すほどいい加減じゃないはずだが…

「えっとねーー、勢いで来ちゃった……ひゅ~~ひゅ~~」
 美月は横を向き、音の出ない口笛を吹き始める。

「ええええええええええええ、黙って来たのか?」

「うん!」

「怒られるぞ~~弥生さん怒ったら怖いぞ~~」
 子供の時に何度も怒られた、今でも軽くトラウマ……叩かれるとかっていう体罰ではない、作家の力をフルに使って怖い話しを延々される、一番怖かったのは地獄の描写、それはもう……おぞましいくらいの迫力で……

「えっとね……お兄ちゃまが説得してくれるだろうから大丈夫だよ」

「俺が、何で?」

「だってえ、お兄ちゃまだって無断外泊してたでしょ、栞姉ちゃまと二人で~~」
 あ、そうだよな、言われて見れば俺達より先にここに居るんだから……

「おばちゃま達や弥生ちゃまにも誤魔化してあげた美月の事を、ないがしろにはしないよね~~」

「えっと、母さんは何て?」
 当然家の中に居るんだから来たときには母さんはいたはず……

「えっとね、あら美月ちゃん、いらっしゃ~いってそれだけ……」

「適当だあああああああ」
 何も考えてないのか母さん、美月が先に来るとかおかしいだろ……

「お兄ちゃまと、栞姉ちゃまは寄るところがあるから先に行っててって言われたっていう言い訳を用意してたのに、さすがおばちゃまね全く必要なかった……」

「えっとまあ……、あんな母ですみません……、で弥生さんにも誤魔化したと言うのは?」

「昨日の夜にそろそろ着いたかしらと言ってたから美月がメールで着いたみたいって言っておいたの!」

 ……ちょっと待って、昨日メールで? え? ……と言うことは……

「えっと、美月さん、俺達があと一泊どこかですると言うのを知ってらっしゃった?」


「うん!だって1週間て言ってたのに今週とか誤魔化してたし、お兄ちゃまも、栞お姉ちゃまも帰る時にウキウキ、オドオドしてたし、あ~いいなー二人でどこかにお泊まりするんだーーって」


 このいとこ……
「美月……知ってて寂しいって泣いたのか?」
 寂しいって泣いたのは演技?だとしたら凄すぎ何だが……

「えーーーお兄ちゃまひどいいい、はっきり気が付いたのは帰る時だよ~」

「あ~~そうだよな、いくら美月でも流石に1週間と今週だけじゃなー」

「うん、それで……、お兄ちゃまと栞お姉ちゃまはどこへ行って何をしてたのかじっくり聞かせてくれるよね」
 美月がニッコリ笑って俺と妹を交互に見る……やべえ

「あ、美月、弥生さんに電話しなくちゃね」
 俺はそう言って廊下に出た。

 ###

「ばあちゃん!」

『弥生さんだろ!何だい?』

「美月がこっち来てる……」

『ああ、なんか行ってるみたいだね』

「知ってたのか……」

『さっき部屋に書き置きがあったって言って来たよ、そっちに行ってきますって』
 書き置きして家出か……また古風なやり方で……

「で、美月どうするんだ?」

『美月が行きたいから行ったんだ、しばらくそっちで面倒みておやり』

「……ばあちゃん、美月はまだ小学生だろ!、こっちに一人で置いて平気なのか?」

『弥生さんだよ!、美月は全然平気だろうね、……実はね美月は中学になったら留学させようと思ってるんだよ』

「留学?」

『ああ、まあ美月は行きたくないって言ってるんだけどね』

「なら無理に行かせなくても……」

『でも今、美月は学校に殆ど行ってないからね~』

「え?……なんで?」

『クラスに馴染めないというかねー、まあ裕なら分かるだろ?』
 美月もそんな事を言ってたな……友達なんていらない、意味ないって……

「……苛めにあってるのか?」


『あははは、あの子がそんなのにやられるかっていうのよ、どちらかと言えば周りから怯えられているって感じかね~?教師も含めてね』

「怯え?」

『未知なる者への恐怖かね?、何でも簡単に出来る、勉強も精神面も小学生レベルじゃないからね~あの子は……』

「そんな……」

『東京ならまだしも、こっちだと特に目立つからね……だから美月については、ちょと色々考えているから暫く居させてやって貰えないかい?』

「でもこっちでって言われても……」

『母さんには私から言っておくよ、あとお前が1日早く帰ったことは詳しく聞かないでおいてやるから』

「!!!!!!」

『あははは、私を見くびらない事ね、今度楽しいお話しを久しぶりに聞かせてやるから、じゃあ明後日締め切りなんでね、あとは宜しく~~』

 そう言って弥生さんは慌て気味に電話を切る。
 て言うか、怖いよ~~弥生さんの話し怖い~~正月行くの止めようかな……

 電話を終え振り向くと美月がいた。
 電話をしていた俺の後ろにずっと居たようだった。

「お兄ちゃま、弥生ちゃまは何て?」
 不登校か……、美月がそんな状態とは思わなかった……


「美月の事、宜しくってさ、あと早く帰った事は、ばれてた」

「そっかー美月がもう少し上手く言ってれば……」

「弥生さん誤魔化すのは無理って事だよ」
 俺と美月は二人で笑った。

 でも美月の笑顔の裏、まだ小4なのに、この笑顔の裏で恐らく色々傷ついていると思うと……

「お兄ちゃま……?どうして泣いているの?」

「いや、……何でもないよ、美月暫くこっちに居るんだろ?、よし!美月の部屋を作ろう、一部屋押し入れがわりに使ってるからそこを片付けるか」

「えーーお兄ちゃまの部屋でいいよ~~」

「ダメ~また栞と勝負が始まるから」

「えーー栞姉ちゃまと決着付けに来たのに~~」

 そういいつつ、とりあえず三人で美月の部屋を作る為に片付けに部屋に行った。







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