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23-7 天国に一番近い海
しおりを挟む暫く誰も声を出さなかった、本当にこの島は時間の流れが、わからない、海を見ているときも、星を見ているときも同じだ
このまま、ずっと見ていたくなる。
しかし、いつか限界は来る
「く、首が……」
美智瑠がうなり始めて気がついた、ずっと上を見てたらそりゃ痛くなるよね。
「名残惜しいけど、帰ろっか」
首をぐるりと回し、痛みを和らげ俺が終わりを提案
少しホッとした空気が流れる、結構みんなきつかったのかな?。
そのまま4人で宿に向かう。
さっきの告白は誰も話題にしない、俺の前で女子3人は和気あいあいと明日の事をしゃべっている。
夢だったんだろうか、でも、今も見上げれば、さっきのままの凄い星空が広がっている。
「なんで俺なんかに……」
妹が俺を好きになる理由がわからないのに、さらにこの2人……
俺は妹に告白された時以上に、頭の中が悶々としていた。
####
なんて事は、部屋に入った途端に吹き飛んだ!
「え、あ、まあそうか、でも……これで寝るの?」
部屋に入ると4つの布団が綺麗に並べられている。
「じゃあ、お兄ちゃんが、一番端で、私が隣だねー」
あーーまあそれしかないよな、しかし、告白されて一緒の部屋って緊張するなー……
「ず、ずるいぞ栞君、じゃ、じゃんけんで決めよう!!」
み、美智瑠さん、今しょうがないよね的な空気流れてたよね、俺も妹も麻沙美もそんな感じだったよね
「えーー、それって駄目じゃないかなー、やっぱりお兄ちゃんと私はいつもの事だしー昨日も一緒に寝たしー」
し、栞さん、煽らないで
「い、一緒にって言ったって、ベットは離れていただろ、今日は本当に隣だぞ!」
ほら、美智瑠さんが剥きになった……
「えーー、昨日は一緒のベットで寝たもん、ね、お兄ちゃん」
「えええええええええええええええええええ」
「えええええええええええええええええええ」
ああ、言っちゃった、妹が、完全に対抗意識を燃やしている……
俺は頭が痛くなってきた……、さっきの雰囲気はいったい……
「それはぁ、いくらなんでもぉ、だめだとぉ、思うな~~」
「そ、そうだ!いくら兄妹でも、それはアウトだ!」
はい、その通りでございます。
二人は俺の方を見て、断固抗議の態勢に
「えーー、お兄ちゃんは悪くないの、私が頼んだの、お兄ちゃんは私のお願いは何でも聞いてくれるの~~」
ほっぺを両手で挟んで、顔を赤らめ、いやんいやんと首を振る。
「いや、なんでもは聞かない、聞ける事だけ……です……」
「じゃあぁ、じゃんけんかなぁ、私も美智瑠ちゃんにぃ、賛成しちゃおうぅ、多数決でぇ、じゃんけんだねぇ」
「いや、俺もじゃんけんは反対ですが……」
「当事者に評決の権限はない、よって多数決可決!」
美智瑠が異議ありポーズで俺を指さす
「なにその圧政……どこの国よ……」
髪の毛、変な刈り上げにするぞ美智瑠……
「大丈夫だよ、お兄ちゃん、少なくとも、隣は私だから」
親指を立て安心しろとばかりに自信満々な態度、え、なにこの妹、ひょっとしてじゃんけんも強いの? 運まで強かったら、もう本当に最強じゃね?
「よーーーーし、いくぞおおお!!!」
美智瑠が、めちゃくちゃ気合を入れる!
「最初はぐーーーじゃんけん!!」
#####
[ぐすっ、ぐすっふえええええええん、お兄ちゃんん」
妹がまだ泣いている……
じゃんけんは、36回……、壮絶なるあいこの結果、寝る場所は
扉側から、美智瑠、俺、麻沙美、妹、となった……
「ううう、寝れねえ」
俺は上を見ているが、両隣は俺を見つめている、しかも布団がほぼくっついているので、近い……
麻沙美の隣からは妹の泣き声が……
「おにいちゃあああん、おにいちゃああああん」
「はいはい、いるよ、すぐそばにいるから」
さすがの妹も、運には勝てないか……
左をちらりと見ると、真っ赤な顔の美智瑠がこっちをじっと見つめる。
右をちらりと見ると、満面な笑顔、例の猫が寝ている様な目の細さになっている麻沙美がこちらを見ている。
「うううう、寝れるかー!、てか俺昨日も妹のせいでほとんど寝てないのにいいいい」
「ゆうぅ、手ぇ繋いでいい?……いったああああいいい」
恐らく、後ろから妹の蹴りが入った模様……
「ずるい、じゃあ僕も……ぎゃあああああ」
俺の上空を枕が通過していった……着弾点は美智瑠の顔、凄い精度だな……
「栞ちゃん、蹴らないでぇ、いたいよおお、冗談だよぉ」
「いってええ、枕返してやらないぞおおおお」
「おにいいちゃんんん、おにいちゃんんん」
「ああ、もうしらん寝る!意地でも寝てやる!!!、お休み!」
色気もへったくれもない、4人部屋だった……
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